臨時講師クビ
お久しぶりです。少し書き方を変えて直してみました。
スミスからの説明を受ける事になったのだが……。
「実はミスリル装備を見た人達が自分達も同じ素材での作れという装備作成依頼が大量に来たのです」
……はっ?
「それはなんとも言えないな……」
「しかも、高等部の生徒だけでなく大学部や教授達も来ました」
「……何て言えばいいんだ?」
貴重な素材を持っていたら襲撃される可能性も出て来るのとお金や権力を使ってゴリ押ししてくる生徒も存在しそうだ。
なので何か対策を考えようと悩むが良い案は出てこない。
「正直、他の師団や教授達がハルヤ先生を無理矢理連れて行く事は難しいので心配は少ないのですが……」
「あぁ、問題は違うところにあるよな」
「はい。ボク達の鍛治師の生徒達は戦闘科の生徒に強く出る事が出来ないのでそこが問題です」
やはりそこが穴だと思ったハルヤは脳を回転させて考える。
「そうじゃ!家主が学園の臨時講師を辞めるのはどうかのう?」
「……その手があったか!」
「「いやいや!?!?」」
ハルヤがフラウの提案に頷いたが周りは全力で首を振っていた。
「ここでハルヤ先生が抜けられると大変な事になりますよ!」
「それは分かっている。ただ、俺がいるから周りに迷惑をかけているんだろ」
「迷惑なのは他の生徒達ですよ」
「そうだぜ! アンタがクローズ学園から出て行かなくてもいいんだぞ!!」
生徒達は全力で首を振っていたが、本人達の表情は真剣だった。
「家主、そろそろ潮時じゃないかの?」
「だな……」
ハルヤとフラウは生徒達の反対を押し切って学園長室に向かう。
学園長室に到着してドアをノックすると中から声がした。
「失礼します、少しお時間大丈夫ですか?」
「あぁ、私も君が来る頃だと思って時間を開けていたよ」
学園長はニコリと笑って口を開く。
「君達が言いたい事は分かっている。ミスリルの件を何とかして欲しいんだよね」
「いえ、違います。俺とフラウはこの学園を出て行きます」
「そうだよね、ミス……って!? 今なんて言った?」
ハルヤの言葉に椅子から勢いよく立ち上がった学園長は目が飛び出しそうな表情だった。
「だから! 俺達は臨時講師を辞めて学園から出て行きます!!」
「いやいや! 何でそんな見解になったんだい!?」
「それは簡単ですよ。俺達を利用する事を考えている奴らが多いので迷惑なんですよ」
「……確かに否定は出来ない。ただ、いきなり学園を出て行くのは早く無いかい?」
「いえ、俺は正式に雇われた教師ではないので直ぐに出て行けますよね。前に、書類を貰った時はそうでしたからね」
ハルヤは学園長をしっかり見て言葉を伝える。
「君達がここまで学園に影響を及ぼすとは思ってなかったあの時のやり方は失敗したね」
学園長が椅子に座り直してため息を吐いた。
「そういう事です。ちなみに俺達は部屋に荷物を置いてないので直ぐにここを出て行く事が出来ますよ」
「君達は本当に用意周到だね……。分かった、君達は解雇扱いにして辞めた事を周りに伝えるよ」
学園長はメイドを呼び出して書類を作り始めた。
「ご理解ありがとうございます」
「いや、いいよ。元々は私達が悪かったからね」
ハルヤはフラウと共に一礼してから学園を出て行った。そして、ハルヤが出て行った事で学園内部はかなり大変な事になるが、その話はまた別である。