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苦労人。

 フィリスから渡された書類を見て、


「当たり前だが、師団のノルマや内容が書かれているのか……」


 例えば、赤の師団は魔物を一週間で百匹倒せ、青の師団は大量の魔石を回収などがある。


「うわっ、金の師団は日曜日以外は休み無しの訓練漬けなんだね……」


 ルーミアさんがドン引きしているのは分かるので頷く。


「よくよく考えたら、俺は雑貨屋を経営するから関係なく無いか?」


 ハッキリ言って面倒なのだが……。


「もちろん、生産メインの師団はあるのでそこに入るのもアリですね」


「俺が臨時教師なのを忘れて無いか?」


「その事ですが、ハルヤ様に関してはもはや関係ないですね」


 おい、臨時教師なのにこんな事になってもいいのかこの学園は……。


「そういえば、後一ヶ月位で学園祭があるのは知っているけど、その事にも関係ありそうだね」


「ルーミアさん、無駄にフラグを立てるのは辞めてください……」


 ハァ、面倒だ。


 そう思っているとチャイムが鳴って、生徒達は朝のHRが始まったみたいだ。


「さて、俺は昼の準備の為にポーションを作らないとな。お前達はどうする?」


 そうやって質問してみる。


「妾は家主を手伝うのじゃ」


「私はルーミア様に学園の案内と説明をして来ますね」


「このポンコツメイドに案内されるのは怖いのだけど……」


 それはノーコメントで……。


 なので、フィリスとルーミアさんは部屋を出て行ったので


「家主、これからどうするのじゃ?」


「それは、まだ決めてないな。ただ、色んな意味でややこしくなっているな」


 師団の書類を見ながらそう喋る。


「この書類を見るに、黒の師団が圧倒的に最下位なのが気になるな」


「確かに、他の師団よりも圧倒的にポイントがないのう」


 少し見に行ってみるのも良さそうだ。


「まぁ、今やる事はポーション作りだからこの話は置いとこうか」


「そうじゃな、妾も手伝うのじゃ」



 俺とフラウは、昼までポーションの生産に頑張ることにした。

 

 それから、休憩を挟みながら三百本程完成した所でお昼のチャイムが鳴ったので入り口を見る。


「さて、店を開けるか」


「了解なのじゃ!」


 俺とフラウは部屋のドアを開けて待っていると、いつも通り生徒達が買って行ったので、すぐにポーションが売り切れになった。


「二十分程で無くなってしまうのは凄いな」


「妾も疲れたのじゃ」


 とりあえず、部屋の鍵を閉めて昼ご飯を食べに行こうと考えていると、

 

「ハルヤー、飯奢ってくれ!」


「この聞き覚えがある声は……」


 思わず振り向くと、そこには予想通りの人物が近づいて来た。


「クラナ・ブレイブじゃな」


「そうだぜ、久しぶりの登場だ!」


 なんかアレだな。


「いきなりその挨拶か……」


 思わず呆れてしまう。


「ハルヤ先生、大変ですね」


「アタシ達もこの光景にはビックリよ」


「クロト、ナイン、久しぶりじゃな」


 弟子?の二人も合流したので少し話す。


「二人とも、今日の朝に合流出来なかったのはなんでだ?」


 ふと気になったので聞いてみる。すると2人は俯いたので何かあったみたいだ。


「それは、ユーナ先生から呼び出しを受けて行っていたのですよ」


「ハルヤ先生の事を重点的に聞かれたわ」


 二人とも若干しんどそうにしていた。


「とりあえず一般食堂に向かうか」


 なので俺はそう言ってみんなに伝える。


 そして、食堂に到着したので、食券を買って料理を持って空いている席に持って行く。


「ハルヤ先生、学園内で噂になっているのですが、どの師団に入るのですか?」


 俺はクロトに質問されたので答える。


「んー、別にその辺は考えていないな」


 カツカレーを食べながら口を開く。


「ハルヤはオレと同じく師団には入らないのか?」


「そういえばクラナさんも師団には入ってなかったわね」


 なる程、クラナも入ってないのか。


「オレは基本、人に命令されたりするのが嫌いだから自由に生きているんだよ!」


「なる程なのじゃ。でも、師団に入ると報酬が出るのに入らないのかのう?」


「確かにお金は出るが、上から目線で言われるのが腹が立つ」


 クラナはそう言いながら、大盛りの唐揚げ定食に食らいついている所を見つつ、俺達も箸を進める。


 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 学生で構成された師団、実務的であるけど休みなしで訓練とかぶっ飛んでる感じで、感覚としてはオンラインゲームのトップランカー達が普通の日常を捧げてチームプレイに明け暮れてランク維持してる感じで…
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