学園の師団
それから、住居の事で悩んでいると学園に到着したので仮店舗に向かう。
「ん、なんだあの人だかりは?」
俺は目の前の光景を見て疑問に思っていると、前にいる生徒が振り向いて来た。
「あ、ハルヤ臨時教師が来たぞ!」
と言って他の生徒に伝えたら一斉に振り向いたので、
「えっと、何かあったのですか?」
と敬語になりながら戸惑っていると筋肉質の大柄の生徒が。
「ハルヤ先生は、高ランクの魔物を余裕で倒せると聞いたのですが本当ですか?」
と真剣な顔で言われた。
「すまないが、俺は戦闘は得意ではないからその辺はノーコメントだ」
と答えておく。
「なる程、あまり自慢しないタイプなんですね」
「家主は面倒ごとを避けたいから、あまり自分の情報は言わないのじゃ」
「まぁ、それでも他の奴は容赦なく俺を巻き込んでくるけどな……」
あと、話を聞かない奴が多いと付け加えると大柄の生徒は引いていた。
「そうなんですね……。ただ、今回は自分達に大事な事なのでこうやって集まりました」
「なんか、凄い嫌な予感がするのだが気のせいか?」
「ハルヤ様の口癖ですね」
フィリス、お前は後でシバく。
それはさておき、大柄の生徒の話を聞く事にした。
「実は、この学園は中等部、高等部、大学部にそれぞれ八個の師団があってその勧誘に来ました」
「師団? 国の騎士団みたいな感じか?」
俺はあんまり上手く理解が出来てないので説明してもらう。
「基本的に学園の生徒や先生は何処かの師団に入っているのです」
「それに師団に入っていると貢献度で報酬を得る事も出来るのですよ。ちなみに学園長や私達メイドなどの直属は例外で入ってないですよ」
フィリスがまともな説明をているのでアレだ。
「つまり、その師団の勧誘に来たのか? でも、俺はどんな師団があるか分からないぞ」
正直あんまり興味がないのでスルーして欲しい。
「ちなみに学園長の通達で、ハルヤ様には何処かの師団に入って貰います」
「おいフィリス。それ、いつ言われた?」
「数日前です」
テヘッ! とよくわからないキャラをしているので、
「フィリス、お前は数日間俺の部屋に入れないからな」
「えぇ!? そんな!」
俺はイライラしながらそう伝えると半泣きになってしがみついて来たのでシバく。
「このバカは問題児過ぎるのじゃ」
「そうだね。僕もここまでポンコツなメイドを見るのは久しぶりだよ」
フラウとルーミアさんが呆れているのがわかる。
まぁそれは置いて置いておく。
「とりあえず師団の事は把握していないから答えは出せない」
「そうですよね。それではまた数日後に訪ねますね」
大柄の生徒を筆頭に生徒達が居なくなったので、
「さてフィリス。説明して貰おうか?」
「目が怖いのですが……」
これからフィリスを尋問する事から始めようか。なので俺達仮店舗の中に入って椅子に座って説明を聞く。
「とりあえず、師団の説明をしてくれ」
言い方がキツくなっているのはわかるがコイツに容赦すると何をするか分からないのでそうする。
「師団は〈赤〔二位〕、青〔四位〕、黄〔六位〕、緑〔七位〕、白〔五位〕、黒〔八位〕、金〔一位〕、銀〔三位〕〉の八個があります。ただ、この学園ではランキングによって報酬が決まるので、勧誘合戦が激しい状況になりますね」
「それでハルヤ君を狙ったんだね」
「そうですね。ハルヤ様は高い戦闘能力や錬金など万能なので師団には絶対欲しいメンバーですね」
「ただ家主はあまり興味がなさそうに見えるのじゃ」
「ハッキリ言って興味はあまりないな」
俺は紅茶を飲みながら答えると
「確かに上位のチームはノルマが厳しいのでハルヤ様にはあまり合わなさそうですね」
「そうじゃな」
「そんなノルマが厳しい上位チームに入ったら死ぬ程働かされそうだな」
ブラックはお断りなので良さそうなチームを探すかソロになろうかなと考える。
「そういえば、書類があるので渡しますね」
「おい! それがあるなら最初に渡せ」
思わず突っ込みながらフィリスから書類を受け取って内容を見た。