住居の問題
それから数日後、なんだかんだルーミアさんと一緒に生活していると
「さて、みんなに一つ相談がある」
「相談ですか? 私のお給料が増えるのですか?」
「フィリス、お主は減給されても文句は言えないと思うのじゃ」
「まぁ、あんな事をしていたらそうなるよね」
フラウの言葉にルーミアさんが頷く。
「なんでですか!?」
「お前は経費をかなり使い込んでいるだろ」
前にミラナさんとメイド長さんにこの事でかなり愚痴られたからな!
「この話をするとフィリスの問題点しか出ないような気がするのじゃ」
「そ、そんな。フラウ様酷いです」
なんかメソメソ嘘泣きをしているみたいに見えるが
「話がズレたが、メインの話に入るな。最近、この職員寮がかなり狭く感じて来たから、新しく住める所を探したいと思って相談させて貰った」
「なるほどのう。確かに、職員寮が狭く感じるのじゃ」
そう思いながら、不動産屋に向かわないといけないが
「そういえば、不動産屋さんは何処なんだ?」
まだ、職員寮から出る前だったのでよかった。
「それは、中々難しい所ですね」
「何が難しいのじゃ?」
フラウが質問すると
「私は不動産屋には行った事がないのでツテがないのと、場所を知らないですね」
「うん、そうだろうとは思った」
フィリスにはあまり期待しない方が良さそうだ。
なので
「仕方ない。適当に散策して探してみるか。それか、ミラナさんに相談するのもいいかもしれないな」
「僕はミラナという人物は知らないけど、大物の予感がするね」
確かに大物だが、何か違うような……。
「それは、置いておくのじゃ。それよりも、手狭になっておるから引っ越しはアリじゃな」
フラウも賛成みたいなので
「ただ、また呼ばれる可能性が高いから難しいな」
今日も学園の授業の手伝いとポーションを大量生産しないといけないからな。
そう思いながら話していると
「そういえば、少し遠くでとても危険な魔物が発見させたみたいなので、気をつけてくださいとメイド長から連絡が来ました」
……今回こそ関係ないよな。
「それは、僕の情報網にもあったね。ただ、この学園都市には来る確率は低いと思うよ」
「そうだといいが……」
まぁ、それは置いておいて
「なんか、俺がこの学園都市に来たと同時に問題が多く発生したのは気のせいか?」
「それはありそうですが、元々問題があったのでそこまで変わらないと思いますよ」
まぁ、そう考えるか。
「家主、そろそろ学園に向かう時間じゃないかのう」
確かに、時計をみると職員寮から出る時間だったので
「それじゃあ、向かうか」
ルーミアさんの事はフィリスに頼んで入場許可証を貰っているから大丈夫だ。
なので、職員寮から出てモノレールに乗って学園前に到着すると
「テストの結果を見に行く生徒が多いですね。まぁ、学園生活がかかっているので当たり前ですからね」
ここまで実力主義だとそうなるのも頷けるな。
まぁ、俺にはあんまり関係ないのでスルーして、仮店舗に向かう。
「しかし、クロトとナインがどうなったか気になるな」
「そうじゃな。妾達に関わっているから成績がわからないのう」
アイツらの事は難しい。
そう考えてながら歩いて到着する。
「ふう、特に何もなく到着出来たのはよかった」
「そうですね。面倒ごとに巻き込まれのが多かったですからね」
「妾達は処理班じゃないから大変なのじゃ」
俺達は愚痴り合いながら商品を準備していると
「ハルヤは雑貨屋の店主なんだよな」
「そうだか?」
ルーミアさんが普通に聞いて来たので答えたが
「ぶっちゃけ、回復魔法を使った方が稼げるのに何故それをしないんだい?」
また、この質問か……。
その言葉にいつも通り返して、店の準備を進める事にする。