ルーミアさんと駄メイド
面倒な住人が増えたのでどうするかと悩んでいると
「家主、職員寮に連れて行っても大丈夫なのかのう?」
「それはわからない。ただ、相手の財力や権力的に放置が出来る相手ではなさそうだ」
「家主は難儀じゃのう」
俺とフラウがそうやって話していると
「そういえば、ハルヤは学園の関係者かい?」
ルーミアさんが質問して来たので
「一応、臨時講師として働いていますね」
無理矢理雇われた感が凄いが……
「なる程、それなら方法は色々ありそうだな」
なんか、ブツブツ言っているがスルーすると
「ハルヤ様、ルーミア様の対処はどうするのですか?」
「それは今考えている」
正直、中々いい案が浮かばない。
結局そのまま職員寮に到着してしまう。
「それでは、僕はどうすればいいのかな?」
「おい! お前は何も考えてなかったのか」
思わず、突っ込みをいれてしまったが
「さっきから、ハルヤが色々考えていたからその意見を聞こうと思っただけだよ」
「まぁ、お前はどうしたいんだ?」
逆に質問してみると
「それは、君の家に居候したいな。これでも料理とか出来るから役に立つと思うよ」
なんか、住居人がどんどん増えていくな。
「悪いが、それは出来ない。理由はお前が何者かわからないからな」
言い方は悪いが不審者を入れる訳にはいかない。
そう思っていると
「ハルヤ様、私は彼女を部屋の中に入れてもいいと思いますよ」
フィリスが突然そう言って来たので
「何故そう思うんだ?」
「私の勘ですが、中々裏がありそうなので、もしもの時は使えそうですよ」
何か黒い笑みを浮かべているが
「本当は超高級レストランの食事をまた食べたいだけじゃないのかのう?」
「フラウ様、わ、私はそうじゃないです」
なんか、凄い動揺しているので、コイツは飯で釣られたなと思う。
そう思いながら考えていると
「それでは、僕はハルヤの家に入るね」
このままだとさらに面倒になりそうなので、俺達の部屋に案内して中に入る。
そして、紅茶とお菓子を用意して話し合いを始める。
「さて、改めて聞きますが、貴女はバンパイアでいいんですよね」
「そうだね。それで、僕は自分に合う上質な魔力持ちの血を持っている人を探すために色々旅をしていたけど、意外と早く見つかったよ」
そう言って俺をガン見しながらヨダレを垂らしかけているので、身の危険を感じる。
「家主は面倒な相手に好かれるのう」
フラウ、それは言わないでくれ。
そう思っていると
「ハルヤ様、お菓子が無くなったので追加お願いします!」
フィリスはマイペースにお菓子を食べ切ったみたいなので、お菓子を袋ごと渡して黙らせる。
「このバカにはお仕置きがたりなかったかのう? もっとキツい事にすればよかったのじゃ」
「フラウ、そこはまた後ですればいいだろ。それよりも、このバンパイアをなんとかしないとマズイ」
コイツがルージュと似たパターンなら、メチャクチャ大変な事になる可能性が高い。
「さて、そろそろハルヤの血も少し回復したと思うからいただくね」
「流石に、まだフラフラするかキツい」
この状態で血を飲まれると倒れる。
「そうだよね。でも、またいただくよ」
完璧に餌になっているような気がするのだが……。
まぁ、それは置いておく。
「他には何が出来るんだ?」
とりあえず、面接的な事を聞いてみると
「近接戦ならかなり出来るよ。それに、指導役からかなり厳しく剣を教えられて来たからね」
そういえば、コイツの腰につけている剣はかなり凄そうだ。
まぁ、戦力が手に入ったと思えばいいか。
ただ、斜め上を行っているが、ここまで上手くいくのは何かありそうだな。
そう考えていると
「あの、そろそろ眠いので寝させてください」
「フィリス、お主には厳しいお仕置きが待っているのじゃ!」
そう言ってフラウがフィリスを連れて行く。
「俺も寝るが、ルーミアさんはどうする?」
「僕も寝させてもらうよ」
そう言って俺達は話していると、フィリスの悲鳴が聞こえて来たのでスルーする。