学園に帰還
そして、なんとか魔石を百個集めたので学園に帰って報告した後、生徒達と分かれて職員寮に帰ると
「家主、おかえりなのじゃ」
「おかえりなさいませハルヤ様」
フラウとフィリスがそう言って来たので
「あぁ、ただいま」
俺はそう言って部屋に入ってソファーに座る。
「今回も色々あったな」
「また何かに巻き込まれてたのかのう?」
「今回は転移トラップだな。小さなダンジョンだったからまだよかったが、大きなダンジョンだったら大変な事になりそうだ」
フィリスが入れてくれた紅茶を飲みながらそう話す。
「転移トラップですか? この辺のダンジョンにそんな仕組みがあるのは聞いた事ないですね」
「なら、俺の時だけ発動したのは何故だ?」
なんか呪われているみたいに感じるが
「それはわからないですね」
まぁ、そうなるよな。
「それと、ミラナさんにはこの事を伝えておいたから対策があるといいな」
転移でアイツらと離れ離れになってしまったからなんとかしたい。
それはともかく、今日はのんびり寝よう。
なので風呂とか飯を済ませてベッドに入るが
「フラウ、なんで抱きついているんだ?」
「家主の温もりを感じる為じゃ!」
ちなみにフィリスも乱入して来たので縄で縛って外に放置しています。
それはさておき、土日は休みなので俺はゆっくり寝る。
そう思っていると次の日
「ハルヤ君、少し来てもらってもいいかな?」
学園長事ミラナさんが職員寮の部屋の前で立っていたので
「お断りします。正直眠いのでのんびりさせてください」
そうやってドアを閉めようとするが
「待て待て、今回のテストの事で色々聞きたいんだ。それに、生徒達からの評判が良かったのもある」
それは知らないから寝させろ!
そうやって一進一退の攻防を続けていると
「まだ、やっていたのですか!」
フィリスがこちらに近づいてそう言って来たので
「フィリス! ハルヤ君を連れて行くのを手伝ってくれ」
「お断りします。わたしも眠いので寝させていただきます」
フィリスも眠みたいなのでこのまま寝ようとするが
「フィリス、貴女は何も変わってはいないわね」
凛とした声が聞こえて来たので嫌な予感がする。
「その声はメイド長ですか!?」
そう言ってガクガク震えているので何かあるなと思う。
「そうですよ。貴女を躾てメイドにしたメイド長ですよ。それは置いておいて私がここにいる理由はわかりますね」
かなり上からの言われようだが
「もしかして、ハルヤ様を連れてこいという事ですか?」
「もちろんです。そこのイケメンがメイド達にかなり噂になっているのと、学園長が用があるので何とかしてください」
「はい! 直ちに」
そう言って魔道具みたいな物で俺は気絶させられた。
そして、目を覚ました時は学園長室のソファーだ。
「すまない、色々聞きたい事があったから強硬手段に出てしまった」
俺は起き上がって体に異常がないかを確認する。
「とりあえず、体は大丈夫みたいだね」
「あの、これって誘拐ですよね。学園長として問題になるのでは?」
「この程度で問題になっていたら私は学園長を辞めさせられているよ。もちろん、始末書と賠償はあるけどね」
この学園長は本当に問題だらけだな。
そう思いつつ、嫌だったが話を聞く事にする。
「ハルヤ君に来て貰ったのはテスト前半に現れたグレンイーグルの事と、後半のダンジョンの転移トラップの事だ」
まぁ、そうだよな。
俺もアレはおかしいと思ったからな。
「それで前半の方は生徒とメーネ先生から細かい事は聞いたけどよくわかってない。後半の事は昨日君たちが帰って来たばかりだから情報がない」
「それで俺を無理矢理ここに連れて来たのですね」
本当に迷惑な話だが理屈はわかった。
だが、そう感じながら話が続くのでいつ帰れるかが心配になる。