ボストレント
そして、時計を見ると朝の起きる時間だったので生徒達を起こす。
「朝か……。ダンジョンの中でもこんなに寝れるとは思ってなかった」
俺は毛布から出て周りを見ると生徒達はまだ寝ていたので
「とりあえず、周りには魔物はいないからまだゆっくり出来るか」
俺は起き上がって朝ご飯の支度を始める。
「しかし、転移トラップがこんな所にあるのもアレなような気がする」
スープの味付けをしていると
「ハルヤ先生、美味しそうな匂いがしますね」
ネージュが起きたみたいなので俺は
「もうすぐご飯が出来るからみんなを起こしてくれないか?」
そうやって指示を出す。
「わかりました。みんなを起こして来ますね」
前よりはガクガク震えていないみたいなので良かった。
少ししてみんなが起きて来て朝ご飯を食べた後
「さて、これから奥に進もうと思うが大丈夫か?」
「そうですよね。ただ、私達は戦力にならないですが大丈夫ですか?」
「こうなったら俺がメインで戦うのは仕方ないな」
正直戦うのはあまり得意では無いのか辛い。
そう思いながら野営セットと結界魔道具を片付けて
「ここからどう進めばいいのですか?」
「ここは真っ直ぐ進むべきでしょ」
なんか生徒達が言い合っているのから
「まぁ、前に進むしか無いな」
俺達はそう言って進んでいると
「黒い煙が出て来たような気がするのは気のせいですか?」
うん、気のせいではないぞ。
俺は何か起きるような気がしたので天銀の弓を召喚して待機する。
「これは、強敵が出て来ると思います」
……言われなくてもわかる!
このパターンは絶対ヤバイ
そう思っていると木が倒される音がしたので、その方向を見ると
「なんだアレ……」
目の前にはトレントの数倍の大きさの魔物がこちらに向かって来た。
「どう見てもこの辺の主のですね!」
「それよりも戦闘準備」
いや待て、俺が天銀の弓を召喚しているのにお前らは何をやっていた。
突っ込みを入れたかったが、さすがにこの状況では無理なので
「とりあえず、攻撃してみますか」
俺は天銀の弓に魔力を込めて矢を出現させて撃つが、カキンという音がして弾かれた。
「まぁ、こうなるよな」
おおきなトレント……、名称はデカトレントとする。
そのデカトレントが種みたいな物を飛ばして来たので矢で撃ち抜くが
「マズイ、アレは爆発するぞ」
矢で撃ち抜いた種は一定範囲内を爆発したのでこれは
「じゃあ、僕達はどうすればいいのですか!」
「どうにもならないですよ」
生徒達はパニックになっているので
「まぁ、どうにもならないよな」
俺は矢を撃ち続けながらそう喋る。
だが、トレントの種攻撃はどんどん増えて来て対処が難しくなって来た為
「こうなったら天銀の弓に魔力をかなり込めて撃ってみるか」
俺はかなりの魔力を込めてやってみた。
すると、かなり光った矢がトレントの真ん中を撃ち抜き
「えぇ……。ハルヤ先生、こんな強力な攻撃があるのですか?」
生徒達はなんか引いていたので
「色々あるんだよ。それよりも、トレントが黒い煙になって消えたぞ」
ついでに魔法陣も現れたので魔石だけ回収して魔法陣に乗ると光り輝く。
そして、光が収まると
「ここは元いた場所です」
なんとか帰ってこれたようだな。
俺達はへたり込んでのんびりして学園に帰る事にしたが
「今回、負担がかなり多かったからかなり疲れた」
正直、テストの教科が間違っているような気がするので、帰ったら抗議したい。
その他にもテストの課題の魔石を揃える為に、このダンジョンのジェル達を倒さないといけないのは大変なのはアレだ。
「ハルヤ先生は戦闘科の講師ではないのになんでこんなに戦えるのですか?」
「それは、いろんな面倒ごとに巻き込まれて来たから結果的にこうなっただけだ」
俺はそう思いながら、課題をこなして学園にみんなで帰ろうと思う。