見張りのチーム分け
そして、夜ご飯を食べて見張りの順番を決める事にしたが
「見張りの順番はどうする?」
「私達十六組チームが前半をやって、ハルヤ先生達二十組チームが後半でどうだ?」
「別にそれで大丈夫だぞ」
後半の方が見張りは慣れているからな。
次の日
「さて、朝になったけど特に何も無かったな」
正直、テストじゃなくて野外訓練のような気がするのは気のせいか?
「襲撃がなかった事はよかった。ただ、今日までに学園に帰らないといけないのが大変だな」
そういえばそうだよな。
「とりあえず、ここから移動しますか」
俺達は片付けをして学園に向かう。
そして、試練の森を歩いていると
「ハルヤ先生、アレはなんですか?」
遠くを見ると黒い煙が上がっていたので
「俺も分からないが、見に行かない方がいいと思う」
このパターンはいつもの事だと感じる。
「それなら、さっさと避難しよう」
メーネ先生がそう言ったので、その場から離れる。
その後、魔物と何回か戦闘になったが俺の出番はなかった。
なので、夕方頃には学園に到着して報告した後
「ここからは自由行動になるな。お前達は帰って大丈夫だぞ」
『はい、お世話になりました』
生徒達は打ち上げに行くみたいだが、俺はメーネ先生に捕まる。
「ハルヤ先生、済まないが私の愚痴に付き合ってくれ」
なんか断れない雰囲気なのでついて行くとそこそこ高そうな居酒屋に入った。
「そういえば酒は飲めるのか?」
「俺はあんまり飲んだ事はないから分からん」
レイナ達に無理矢理飲まされそうになった事はあるが、実際にはほとんど飲んだ事はない。
「まぁ、愚痴を聞いてくれるだけで大丈夫だ」
そう言ってメーネ先生は食事と酒を頼む。
「ハルヤ先生は生徒達ならどうやって接しているんだ?」
「俺は普通に接しているだけだ。別に特別な事はやってないぞ」
この学園に来てからの事を思い出しても、戦闘科の生徒には何もやってない。
「正直、私は厳しく接しているな。甘くすると弱い生徒が生まれるからな。実際に私が学園の生徒の時は先生が怖かった」
食事とお酒が運ばれて来てからメーネ先生はヒートアップし始めた。
「今年で二十六歳なのにまだ結婚出来てないんですか? と後輩に言われた時はどれだけ悔しかったか……。私のタイプの男性がいないだけだと言い返した時がかなり虚しかったぞ」
「そうなんですね。俺は特にその辺は気にしないですよ」
その話を聞いているとアレだなと思う。
「ハルヤ先生はモテそうだからいいよな。私みたいな遅れている人には見向きもしないのか!」
ヤバイ、ウザ絡みして来た。
「それは知りませんよ。俺はまだ結婚とか考えていないですからね」
正直、結婚は墓場と言われているのを知っているからな。
俺はまだ人生を終わらせたくない。
そう思っているが、メーネ先生の愚痴は続く。
そして、夜遅くなった時に解放されて職員寮に帰ると
「家主〜」
フラウが出迎えてくれた。
「フラウ、こっちは大丈夫だったか?」
「フィリスが二日酔いで寝込んでいる以外は大丈夫なのじゃ」
アイツ……大丈夫なのか?
「しかし、家主はしんどそうじゃ。それほどテストは大変だったかのう」
「テストもそうなんだが、他の事でも色々あってしんどかっただけだ」
それに後半もあるから更にしんどいな。
「家主、今日はどうするのじゃ?」
「とりあえず、風呂入って寝る」
正直かなり眠たい。
「明日は何かあるのかのう?」
「午後から後半の四十組の生徒とテストの事で話し合うみたいだ」
前半の生徒よりも作戦を考える時間が少ないのはアレだな。
「なら、今日はいっぱい甘えるのじゃ」
俺は風呂を入って寝ようとした時に、フラウがベッドに入って来て抱きついて来る。
「家主は暖かいのじゃ」
フラウの状況を見て寂しい思いをさせていたみたいだ。