グレンイーグル
そして、あれからメーネ先生の班と一緒に動く事になったのだが
「二十組の生徒も悪くない動きだな」
「まぁ、そうだろ」
俺は年上のメーネ先生にもタメ口を使っているが、向こうは大丈夫みたいだ。
「それに、ハルヤ先生が回復魔法と弓で援護しているからみんな上手く戦えるんだな」
他には回復ポーションを大量に用意しましたよ。
「私の生徒は戦闘力はともかく連携が上手くいかないからな」
十六組の生徒はエクス達より少し強いが連携はまだまだみたいだ。
「前衛は盾使い、斧使い、両手剣使い、後衛は槍使いと弓使いか。メーネ先生は盾と剣だから前衛でバリバリ戦うタイプであっているか?」
「えぇ、合っている」
そうなると回復役がいないのはキツイな。
「あの、ハルヤ先生の回復魔法でこちらも傷は治りますが魔力は大丈夫なんですか?」
十六組の生徒が質問してくるが
「別に気にしなくてもいいよ。魔力ポーションも大量に用意してあるからな」
実際は飲まなくても平気なのだが、そう言った方が楽なのは間違いない。
「それはともかく、この辺は素材が結構あるな」
薬草系や果物などが沢山あるので片っ端から集める。
「拠点の方も完成したぜ」
エクス達がそう言って来たので拠点に向かうと
「ほう、中々上手く出来ているな。ただ、食料とかはどうする?」
確かに、お昼ご飯くらいの時間だな。
「それなら適当に何か作る」
俺はアイテムバックから調理器具一式と食料を出す。
「もしかしてここで作るのですか?」
「フレイ、別にいいじゃん」
「ハルヤ先生から借りた結界魔道具も発動しているし、そう簡単には襲われないと思いますわ」
なんかエクス達は言っているが
「食材も新鮮だな。それに調味料も色々あるな」
「お前達、普通は野外では豪華な食事は取れないんだぞ」
十六組の生徒達はこちらに興味があるみたいだ。
それから約一時間後、アイツらに作っていたように大皿にのった料理をテーブルに置いてパンなどを取り出す。
「ハルヤ先生は料理も出来るんだな」
「家事スキルが全くないメーネ先生より凄いです」
あっ、メーネ先生ら家事スキル無いのか……。
「私よりも若いのになんでこんなに作れるんだ?」
なんか落ち込んでいるみたいなので何も言えない。
それは置いておいて、全員席についたので
『いただきます』
そう言って食べ始める。
「肉野菜炒めに、コーンスープ、フワフワのパン、サラダ、デザートまで凄いです」
「しかも、このデザートは高級品ですよね」
プリンは確かに素材費はかかるがアレンジすればそこまで高くはならない。
まぁ、コイツらに振る舞うのはいいか。
そして、みんなは満足しているみたいだが
「さて、午後からはどうする?」
「私達は魔物を討伐したいと思っているが大丈夫か?」
「別にいいと思うぞ。それに、拠点は完成しているからある程度は大丈夫だと思うぞ」
まぁ、魔物が襲って来たら大変だけ……
「ハルヤ先生どうかしたのか?」
「メーネ先生、あれはなんだ?」
俺は大きな鳥みたいな魔物が数匹こちらに飛んで来ているのを見る。
「なっ、あれはグレンイーグルだ!?」
なんか、名前からして嫌な予感がする。
「ハルヤ先生マズイですよ。あの魔物のランクはA -ですよ」
ヤバイ、結界は持つかな。
「オレ達では絶対勝てない魔物がこちらに来るのか……」
生徒達は絶望しているが
「何を言っている、お前達は早く逃げろ!? ここは私とハルヤ先生が食い止める」
そうか、じゃあ俺も……!?
「ちょっと待て、俺も居残り!?」
「そうだ。先生は生徒を守る事を優先する」
「お断りする、それならアイツらを撃ち落とす」
俺は天銀の弓を召喚して、魔力をそこそこ込める。
「ハルヤ先生、弓で勝てる相手ではないぞ!」
「それよりも結界魔道具を止めてくれ!」
こうなったらヤケだ。
「ハ、ハルヤ先生、結界魔道具を止めました」
生徒達は逃げる気満々みたいだが、それよりも早くグレンイーグルが襲って来た。
「よし、これで……どうだ!?」
俺は矢に追尾機能をつけて襲ってくるグレンイーグル×八匹に向けて分散させる。
「だから、ハルヤせ……」
まぁ、そうなるよな。
俺達の目の前には頭を吹っ飛ばされたグレンイーグル×八匹が墜落して来る。
そして、ある事を思う。
天銀の弓の性能凄すぎるだろ
そう思って振り向くとメーネ先生と生徒達が固まっていた。