教頭の嫌味
参加する事は確定みたいなので、頭を抱えながら歩いていると
「戦闘科はクラスは多いから前半と後半に分かれるが、教員はどちら共に参加して貰う事になっているよ」
「高等部なら二十クラスの三学年あるんですよね」
「そうだ。ちなみに前半は一から二十組で後半は二十一から四十組だ」
なんか、テストは大変だな。
「テストは一泊二日の野外訓練だ。さっきも言った通り、先生と生徒は評価対処になるぞ」
監督官が誰か分からないのもアレだ。
「色々話したが、君には戦闘科の職員会議に参加して貰うよ」
「はい、わかりました」
そうやったらやるしかない。
そして、職員室に到着して中に入ると先生達が一斉にこちらを見て来た
「君が学園長が雇った臨時教師か。ただの若造じゃないか」
髪の毛が薄くなったオッサンにそう言われたが
「エイナス教頭、ハルヤ君は若いながら強力な回復魔法と高性能ポーションの作成など色々能力はあるぞ」
「ほう、それなら証拠を見せて貰おうか?」
「ハルヤ君、すまないがポーションを一本借りていいかい?」
「大丈夫ですよ」
俺はアイテムバックからポーションを取り出して渡す。
「なる程、かなりの魔力が溜まっているのが分かる。ただ、ヒョロヒョロの体をしているのに戦闘は出来るのか?」
この教頭は性格悪いな。
「すみませんが、手札を見せる気は無いですね」
竜魔法や天銀の弓を使ってもアレだからな。
「はん、口だけのカスに取れる時間はない。せいぜい、端で震えて聞いているんだな」
教頭はそう言って離れて行ったが
「ハルヤ君、教頭はいつもこんな感じだから気にしなくていいよ」
「別に、あのハゲにはあんまり思う事が無いですね」
俺は言われた通り端にあった椅子に座ってミラナさんは前に向かう。
そして、説明が始まる。
「今回は、戦闘科の生徒達と野外訓練をして貰う。チームはすでに分けてあるから冊子を配布する」
なので、俺の方にも冊子が回って来て見ると
「俺の担当のクラスは一年二十組の五人の生徒か」
まぁ、そうだよな。ミラナさんは能力の低い生徒を当てると言っていたので予想通りだ。
「それから、試験場所は東西南北で分かれているから、そこも確認してくれ」
俺のチームの試験場所は試練の森と書かれていた。
「ふむ。ここは前行った事があるな」
チームメイトを見ると、試練の森で助けたメンバーであるエクス達と一緒だ。
「さて、今日の目的は魔物のランクと数で評価される。先生が倒してもいいが、生徒にも出番は用意しておけよ」
まぁ、そこは当たり前だよな。
「それと、今日の放課後にチームの生徒達と話し合いをして、来週に向けて頑張ってくれ。私からは以上だ」
意外と短かったな。
「それでは、先生方は生徒の所に向かってください」
『はい!』
そう言って先生達は立ち上がったので俺も立ち上がり、一年二十組に向かう。
そして、地図を見ながら他の担当の先生と一緒に二十組の前に到着して中には入る。
「では、名前を呼ぶから呼ばれた生徒は担当の先生のところまだ来てくれ」
他の先生は生徒の名前を呼んで教室から出て行ったので
「さて、残りの生徒は俺が受け持つ事になった」
「おぉ! ハルヤ先生がオレ達の担当なのか」
「これは当たりですわ」
エクスたちは盛り上がっているが知らない生徒もいるので自己紹介すると
「なる程、貴方がエクス達が自慢していた臨時講師なのね。アタシはルーザ、このクラスでは普通位の強さよ」
茶髪の女生徒がそう言った。
「あぁ、よろしく。それと俺は初めてだから、テスト対策は何かあるのか?」
正直、ここが問題なんだよな。
「それはぶつかってから考える方がいいな」
「エクス、作戦は大事だよ」
なんか、色々話しているみたいだが、俺はその内容を聞く事にする。