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下位クラスの生徒

 ユーナ先生に引っ張られて錬金術の授業をする事になったが


「やる事を知らないので何をやりたいですか?」

 

 こうなったらストレートに話す。


「ハルヤ先生の知っている事を教えてください」


「別にいいが、教科書関係無くなるぞ」


 パラパラ教科書を借りて読んだが、逆にあんまり意味が分からなかった。


「ユーナ先生、それでも大丈夫ですか?」


「授業の余裕はあるのでいいですよ。それよりもわたしも色々聞きたいです!」


 先生と生徒と同じ目線になっている。


「さて、何から話せばいいんだ? 例えば美味しい飲み物を作りたくてやってみたらジュースが完成したとか? ポーションを作って売っていたら、実はカモられていた事か?」


 正直言って色々あるぞ。


「ハルヤ先生は色々やっているのですね……」


 他の奴らに巻き込まれていたんだよ。


「それと、ハルヤ先生は来週の月一テストに臨時講師として参加する事は聞きましたが大丈夫ですか?」


「そこは護衛を雇えばいいんじゃ無いか?」


 俺は素材の回収はするが、戦闘はしたく無いからな。


 そうやって話していると時間が過ぎて行って、一時間終わってしまったので


「ユーナ先生、こんな感じでも良かったのですか?」


「もちろんですよ。ハルヤ先生は有名なので、みんなも質問は沢山あったみたいですよ」


 俺は目立ちたく無いんだよ。


 それはともかく


「ハルヤ先生は今日の放課後は何をするのですか?」


「俺は雑貨屋の商品のポーションの生産をしようと思っているぞ」


 九等級ポーション三百本が完売したので生産しないといけないからな。


「それでは、六時間目はユーナ先生お願いします」


 これ以上は場がもたない。


「それではハルヤ様、移動しましょう」


「やっとなのかのう」


 フラウは欠伸をしているので


「失礼しました」


 俺達3人は錬金術室から出る。


「さて、これからはどうする?」


「それでしたら戦闘科の実技の授業を見に行きますか?」


「前みたいに人が飛んで来なかったらいいのじゃ」


 学園長と見に行った時は生徒が観客席まで飛んで来たからな。


「それは大丈夫だと思いますよ。今回は高等部一年の中では最弱の四クラスが授業していますから」


 フィリスが携帯通信魔道具の時間割表を見ながら喋る。


「最弱か、この学園では肩身が狭そうだ」


「そうじゃな。いじめとか沢山ありそうなのじゃ」


 それは言わない方がいいぞ。


 そう思って訓練場に到着して中に入る。


「なんか、生徒の殆どが倒れて無いか?」


 割合的には男女はほぼ同じくらいだが、先生がかなりのスパルタ教育をしているみたいだ。


 特に銀髪の少女にはかなり強く当たっているみたいだ。


「ペンタグラム大公家の血筋なのになんでそんなに弱いのかしら?」


 教官は男女三人ずつの計六人がいるみたいだが、目つきの悪い女性がさっきのボロボロの少女の背中を踏みつけている。


「フィリス、あれは問題にはならないのか?」


「多少問題にはなるかもしれないですが、実力が無いのが悪いと言われて終わりです」


 実力が無い奴はこの学園ではかなり厳しい。


 ただ、一つ思ったのは


「あの女教師の見下した視線がイラつく。それに他の教師も生徒を見下してストレス発散相手にしかしてない」


 生徒のほとんどはボロボロで倒れているのに、それに追い討ちをかけている教師も見られる。


「家主、これはただの虐待だと妾は思うのじゃ」


「ただ、俺達が邪魔をする訳にはいかないからな」


 そして、チャイムが鳴って教師が出て行くが生徒は倒れたままだ。


「ハルヤ様、フラウ様、ここから離れますよ」


「いや、俺はやる事がある」


「そうじゃな。妾も手伝うのじゃ!」

 

 俺とフラウは観覧席から降りて倒れている生徒達に近づく。


「ハルヤ様、貴重な回復魔法は落ちこぼれには使わなくてもいいですよ」


「フィリス、俺の回復魔法の練習だ」


 そう言っておけば黙らせるので


「回復魔法第三階〈ヒーリング・サークル〉」


 俺は闘技場のステージの端から端まで包み込むように回復魔法を発動する。


「なんて魔力量と質なんですか!?」


 フィリスはかなり驚いているみたいだが


「家主の力はこんな物では無いのじゃ!」


 フラウは薄い胸を張って自慢しているみたいだ。


 そして、生徒の怪我の殆どが治ったのを確認して〈ヒーリング・サークル〉を解除する。


「あれ? ウチらの怪我が治っている!」


 生徒達は立ち上がって来たので


「さて、この場から離れるぞ」


「了解じゃ!」


 俺とフラウはダッシュでこの場から離れる。


「えっ? ちょっと待ってくださいー」


 フィリスは少し固まっていたが、なんとか追いかけて来た。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ハルヤの回復魔法使いとしての能力が また一つあらわになって盛り上がってまいりました [気になる点] 範囲回復魔法ともなると 魔力の消耗も激しそうですが 割と平気そうなところですね [一言]…
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