鍛治師部門
そして、俺達は生産科の鍛治師部門がある場所に到着する。
「しかし、色々な武器や防具があるのじゃ」
俺達は生徒の作品を見ているが
「値段はそこまで高くないな」
値段は長剣が十万フロンくらいなので
「ハルヤ。オレにも売っている武器を買ってくれるのか?」
「確かに武器は買うが、防具はオーダーメイドだぞ」
俺はアイテムバックに入っているミスリルを使うことにしている。
「ハルヤ様、何か素材を持っているのですか?」
「まぁ色々あるのさ。それよりも、スミスは何処にいるんだ?」
俺は周りを見るが、スミスの姿は見つからなかった。
「お昼ご飯を食べに行っているのかもしれないのじゃ」
「そういえば、私達はご飯を食べていないですよね」
「オレは購買で買って食べたからそこまで腹は減ってないぞ」
「クラナはズルイのじゃ!」
なんか、いつもの雰囲気になっていると
「あの、生産科の鍛治師部門に何か用ですか?」
鍛治師の生徒がこちらに声をかけて来たので
「俺達はスミス・ルーソングに装備を作って貰う約束をしていた者たが、本人はいるか?」
俺はそう話すが
「別にいますが、貴方達は本当に依頼したのですか?」
まぁ、朝みたいな奴がいると疑り深くなるよな。
「なら、確認してくれ。ちなみに俺の名前はハルヤだ」
「わかりました」
鍛治師部門の生徒はそう言ってスミスの所に向かったようだ。
そして、少し待っているとスミス本人が来た。
「ハルヤ先生お待たせしました。ちょうど手が空いたので迎えに来ました」
若干汗だくになっているので
「水分を取らなくてもいいのか?」
「大丈夫ですよ。水分はちゃんと取っています」
と聞くと答えてくれる。
「まぁそこは置いておいて、本当にクラナ・ブレイブ本人を連れて来るとは思ってもいなかったです」
「オレがここに来たのは悪かったのか?」
「いえいえ、ハルヤ先生の人脈にビックリしているだけです」
なんかアレだが、話を進める。
「それよりも、素材の事とかを話したいから移動出来るか?」
「それなら、ボク個人の鍛治場に来てください」
「個人が持っておるのかのう」
「フラウ様、ここは腕のいい鍛治師の生徒には個人の鍛治場を持つ事が出来ますよ」
まぁ、実力主義は大変に見えて仕方ない。
「では、案内しますね」
スミスがそう言って歩いて行くので、俺達をついて行く。
そして、結構広い部屋に到着する。
「この部屋は結構広いのじゃ」
「それに、ちゃんと設備は整っていますね」
周りを見ると使い込まれた鍛治道具もある。
「さて、何もない部屋ですが、依頼の細かい内容を聞いてもいいですか?」
「それは簡単だ、クラナの装備を作って欲しい。素材はコレで頼む」
俺はアイテムバックからミスリルを取り出して見せた。
「えっ!? それってミスリルですよね! なんでハルヤ先生が持っているのですか?」
「それは色々あって、鉱山に取りに行ったからな」
「ハルヤ様はなんでそんなにビックリする事があるのですか!」
「家主だから仕方ないのじゃ」
フラウ、それを言ったら終わりだぞ。
「おぉ! オレの装備はミスリルなのか?」
クラナがテンションがかなり上がっているので
「ボクも殆どミスリルの加工はした事が無いですが、頑張らせていただきます」
スミスもかなりやる気になっているみたいだ。
なので、先払いで報酬のお金とミスリルを渡して、女子生徒にクラナの採寸をしてもらった後、鍛治場から外に出た。
「オレの装備が出来るのは楽しみだぜ」
「ただ、二週間程かかるらしいな。それと、武器を見て行くか?」
「あぁ!」
俺達は武器を見て、中々いい長剣があったので購入してクラナに渡す。
「ハルヤ様、そんなにお金を使って大丈夫なんですか?」
「さっきポーションを売って稼いだから大丈夫だ」
そう言って会計をした後、予鈴のチャイムが鳴ったので
「俺達は錬金術室に向かうが、クラナは戦闘科に行くのか?」
「そうだぞ。ただ、午後は座学だから眠くなるぜ」
なる程な。
俺達は分かれた後、錬金術室に向かうと
「ハルヤ先生、やっと来てくれましたか」
ユーナ先生が部屋の前で立っていた。
「あの、なんで部屋の外で立っているのですか?」
「そんな事はどうでもいいので、授業をお願いします」
俺は腕を掴まれて教室に引っ張られ行く。
「家主は人気なのじゃ」
「そうですね」
フラウとフィリスは俺の状況をゆっくり観察していたので
「お前らも手伝え!」
と突っ込む。