寝る場所
なんとか帰ってきた俺達が見たのは、木の板で簡易的なドアが設置された我が店だった。
俺はそれを見た後、三人(特にレイナ)を見てなんでこいつらはドアを何回壊せば気がすむんだと、思いため息を吐く。
「ハルヤ、なんでため息を吐いているんだ? ドアを破壊されたくらいで、そんな暗くなるんだよ」
壊した本人であろう、レイナにそう言われて俺はこいつの頭を叩きたくなった時、エルとソルが拳で思いっきりレイナの頭を殴り地面に沈めた。
「レイナ、貴女は何をしたのか、本当にわかっているのかしら? というか、ドアを壊しているのは殆ど貴女で、わたしはいつもハルヤに謝っているわよね。いい加減にしてくれないかしら」
とソルはレイナを睨む。
「そうだよ、ボクは止めたのに無理矢理ドアを破壊して結果はこれだよ。君には反省という言葉はないのかな?」
とエルもソルと同じくレイナを睨み付ける。
それを聞いてレイナは埋まっていた顔を上げ、タンコブが出来た頭をさすりながら反論してきた。
「いきなり酷くないか!? 確かに殆どは私がハルヤの店のドアを破壊しているが、大体は緊急事態だから仕方がないんだよ」
「その緊急事態の半分くらいが、全く緊急事態では無いと思っているのはわたしだけかしら?」
その言葉を聞いて俺は頷く。
エルも
「まさか、何回もドアを破壊して迷惑かけているなんてね。確かにハルヤ君は巻き込まれ体質かもしれないけど、それを理由に迷惑をかけたらダメだと思うよ」
まさに、その通りである。
だがレイナよりマシだが、お前らもかなり俺を巻き込んでいるよな。そう考えてしまう。
でも、外でこれ以上話すのは通行人の邪魔になりそうなので中に入ろうと思う。
なので、言い合っている三人を一旦止めることにする。
「とりあえず、中に入らないか? ここじゃあ通行人の邪魔になるならな」
俺は、そう話して三人と一緒に店の中には入った。
そして、店の中にある商品はドアから少し離れた場所に陳列されている商品は、何個か破壊されている奴や地面に落ちているのはあったが、殆どが無事だったのでよかったと思う。
それで、なんとか店が無事なのを確認したあと、俺達はリビングに移動した。
「でも、ドアを破壊されて破片が飛び散って大変なことになると思うのに、この程度で被害がするでいるのはすごいとボクは思うね」
「最初は大変なことになっていたけどな。だが破壊されることがわかっていたら対策は出来るから、結果どうにかなった」
ほんと、最初の時は大変だったなと昔の事を思い出してしまう。
まぁ、それはさておき。女子三人の部屋を案内する事にしたが、よくよく考えると二階には俺の部屋と客室、物置部屋と爺さんの部屋しかない事を思い出した。
「そういえば、お前ら部屋はどうするんだ? この店&家には客室が一つしかないけど大丈夫なのか?」
その事に三人は顔を合わせた後、どうするか話し合いを始めた。
「とりあえず、ハルヤの部屋で寝るのはわたしでいいわね。貴女達二人は客室で寝なさい。さっきの件で迷惑かけられたからこれくらいはいいわよね」
「いやいや、ボクがハルヤ君の部屋で寝るべきだよ。何故なら用心棒だからね、近くにいないと守れないじゃないか」
「私こそ、ハル『ドアを破壊した貴女に発言権はない』ハイ……」
レイナが何かを言おうとしたが、二人に声を合わされて発言を止められる。
俺は、お茶の用意をしながら、どこで寝ればいいんだと考えてしまう。
少しして、レイナが半泣きになったいて、ソルとエルが言い合っている所を、俺は人数分のお茶が入ったコップを置いたあとイスに座った。
そして、三人は座った俺の方をガン見してくる。
何が起きたんだと思っていると、まずソルが口を開く。
「ハルヤは誰を自分の部屋に護衛に入れたいのかしら? もちろんわたしよね、今日は問題を起こしてないから決まりでいいかしら」
とソル。
「いやいや、ボクだよね。多分この中ではボクの方が戦闘力が高いと思うし、君との相性は良さそうだからね」
とエル。
「私こそハルヤの『だから、貴女に決定権は無い』……グスン」
うん、確かにレイナが悪いとはいえ、なんか可愛そうになってくるのは気のせいだろうか?
そして、話し合いでは決着がつかなかったのでソルとエル(レイナは除外)の一回で決着がつくジャンケン対決となった。
俺は長くなりそうだと思い、風呂を入れてくる事にした。
そして、イスから立って風呂を入れて来た後、崩れ落ちているソルと、ガッツポーズをしているエルがいた。
「決着はついたようだな。レイナとソルは客室に荷物を置いてこい。エルは部屋を案内するな。後、俺はリビングのソファーで寝るから、そのための毛布を持ってこないとな」
俺は、当たり前のようにそう言うが、その言葉にエルが衝撃的な事を言ってくる。
「何言っているのさ、君もボクと同じ部屋で寝るんだよ。護衛だから当たり前じゃないか?」
あの、護衛の意味をわかっているのか?
「いやいや、おかしいだろ。なんでそうなるんだ!?」
「なるほど、説明してなかったね。実は君を部屋の中まで護衛するのは誰がいいかを、ボク達三人は話し合っていなんだよ」
「俺はてっきりリビングのソファーで寝て、お前らが俺の部屋と客室を使うと思っていだから意味がわからないんだよ!?」
俺は、若干焦りながらそう言った。
「別にハルヤの身を守るだけで困らせることはしないよ。着替える時もボクは部屋の外に出て、ソルやレイナが居る客室で着替えるから大丈夫だよ」
「確かに俺が一番懸念しているのは、ラッキースケベで殺されないかを心配している所だからな」
その事にソルが答える
「別にわたし達は見られてもいいわよ。暴力とか制裁はしないし、今回はこちらが強引にきたから大丈夫よ」
「それなら安心だ。後、別にわざと見ることはしないからな。」
ある意味こいつらはズレているからそう言っておく。(ちなみにレイナは部屋の片隅で三角座りしていて何かブツブツ言っているので、ソルがゲンコツを落とした)
その後、全員風呂を入って各々の寝巻きに着替えて、リビングのイスに座り雑談している。
「そういえば、改めてボクの自己紹介するね。ボクはエルティアナという本名でみんなにはエルと呼んでもらっているよ。歳は今年で十七で修行中の旅人だよ。武器は片手剣を主に使っている。みんなよろしく」
エルが最初に自己紹介した。
次に、ソルが始める。
「わたしはソル、歳は今年で十八歳で冒険者よ。武器は片手剣と丸盾よ。後、ハルヤとレイナは幼馴染で、なんだかんだ仲良くしているわ。エルさんよろしく。」
ソルの自己紹介が終わったが、エルは
「さん付け入らないよ」
と言ったので結果的にソルはエルを呼び捨てになった。
そして、レイナが始めた
「私はレイナ、歳は今年で十八歳で冒険者で武器は片手剣とサブでナイフを使っている。後、ソルが言った通り私達三人は幼馴染だ。エル改めてよろしくな」
レイナは、そう言いエルと握手した。
最後に俺の番になったので、自己紹介を始める
「俺はハルヤ、歳はすでに十八歳を迎えている。仕事はこの雑貨屋で商売をしている。決して回復魔法使いが本業ではないからな。ソルとレイナとは面倒ごとに巻き込んで来る幼馴染だ。今まで大変な目に何回も合わされてきたが、なんだかんだここまで関係が続いた。エル改めてよろしく頼むな」
これで自己紹介が終わったので、各々色々な質問をして寝たのは夜遅くになった。
俺は自分の部屋に入りベットに寝転がって、明日は面倒な事にならなければいいなと思い就寝した。
すみません、明日からは夕方ごろに投稿します