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ポーションの問題

 お昼時、俺は〈九等級回復ポーション〉を大量に作ったので休憩してると


「ここですか、一昨日の高性能回復ポーションのお店は?」


「そうだが、なんで怪我をした生徒達が大量に来ているんだ?」


 俺は扉を開けると高等部の戦闘科の生徒が列を作って並んでいた。


 そして、一番前に並んでいる生徒が


「あの、ポーションを売ってくれますか?」


「別にいいが、三百本しか無いから一人一本の制限付きだ。それと値段は十万フロンだな」


「わかりました」


 そう言った前の生徒は十万フロンを渡して来たので


「クロト、ナイン、すまないが手伝ってくれるか?」


「「了解です」」


 俺はクロトとナイン手伝って貰う事にした。


 そして、順調に売っていると問題が起こる。


「おいお前! 横入りしているんじゃねぇ」


「なんだと! お前が見えて無かっただけだろ」


 血の気の多い生徒の取っ組み合いの喧嘩が発生するが


「お前達のせいでポーションが買えなかったらどうするんだ!」


「そうよ、どう責任取るのかしら?」


 さらに生徒が乱闘をはじめたので


「ハ、ハルヤ先生。この状況どうしますか?」


「別に放置でいいだろ」


「そうよね。喧嘩している人達が悪いわ」


 そうやって並んでいる生徒に売っていると


「ハルヤーオレが来たぜ!」


 このタイミングでクラナが来るか……。


「ほい、用意しておいた回復ポーションだ」


「サンキューな。あと、オレの装備はいつ買いに行くんだ?」


「それは目処が立ったから、その時に買いに行く」


「了解だ!」


 クラナはそう言ってお店の中に入って椅子に腰を下ろした。


 そして、三百本あった回復ポーションが売り切れたので


「午前の分は終了しました」


 と伝えるが


「おい待て、おれ達の分がないじゃねーか!」


 さっきから乱闘していた生徒が文句を言って来たが


「それはお前らが喧嘩していたのが悪い!」


 職員室から騒ぎを聞きつけた戦闘科の先生が数名来て、喧嘩をしていた生徒達は連れて行かれた。


「ハルヤ、今日はかなり儲けたんじゃないのか?」


「あぁ、単純計算でも三千万フロンは稼いだ。しかし、学園都市はかなり儲けられるな」


「あのスピードでポーションを作れるハルヤ先生が凄いのですが……」


「いつものスピードだぞ」


 俺は錬金釜を片付けながら話す。


「それよりも、オレの装備を作ってくれる相手を見たいぞ。ただ、来週に月一のテストまでには間に合わないよな」


「テスト、一体何をやるんだ?」


 俺は気になったので聞いてみると


「今回は山籠りだな。それで、魔物の魔石と野外生活力を判定するらしいぞ」


「それ、僕達も言われました。ただ、ハルヤ先生と関わっているのでどうなるのでしょうか?」


「なんか、俺も連れて行かれそうだな」


 俺は不安になっていると


「家主、やっと帰って来たのじゃ!」


「疲れました……」


 テンションが上がっているフラウと、少し疲れた表情をしているフィリスが帰って来た。


「この学園色々あったのじゃ! あと家主に伝える事があるのじゃ!」


「なんだフラウ? 凄い嫌な予感がするのは気のせいか?」


「気のせいでは無いのじゃ。さっき学園長に出会ったが、家主にも来週のテストに臨時講師として参加して貰うらしいのじゃ」


 ……やっぱり、こうなったか。


 俺は巻き込まれる事はわかっていたので、今回のショックはそこまで大きくはなかった。


「詳細の書類もついでにもらって来ました」


 フィリスがアイテムポーチから数枚の紙を取り出して来たので見ると


「えっと、ハルヤ先生は成績が悪い生徒の面倒を見てほしいだと?」


 他にも色々書いてあったが、一番はこの文字が目に入った。


「多分、ハルヤ先生は怪我をしやすい生徒の場所に割り振られたと思います。後、私もある程度戦闘は出来るので安心してください」


「全く安心出来ないのだが」


「何故に!?」


 フィリスはショックを受けているようだが知らん。


「なぁハルヤ。オレは護衛には行けないがいいのか?」


「別に大丈夫だ。フラウの結界があるからなんとかなるだろ」

 

 フラウは頷いているのでそう話す。


「了解だ。それと、依頼する鍛治師の所に行こうぜ!」


「わかった。ただ、他のみんなはどうする?」


「妾とフィリスは付いて行くのじゃ!」


「僕とナインはユーナ先生の所に行って来ます」


 なる程、バラバラになるな。


「了解だ。クロトとナインはまた後で合流するか?」


「それでお願いするわ」


 俺達は一旦分かれて目的地に向かう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 野外訓練、なかなか厳しそうですが 魔物がいるこの世界では当たり前に 出来ないと生きていけ無さそうなところが 良いですね [気になる点] やっぱり装備の依頼をするとなると 本人に寸法合わせて…
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