表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
123/181

商業科の見学

 エクスとグレイズはミラナさんに捕まって、グレーウルフとの戦闘の事を聞いている。


「つまりは、私が前に見た事がある銀色の弓でグレーウルフを圧倒して倒したであっているか?」


「はいそうです。見た限りでは相手は何も出来ずに倒されていきました」


 また、秘密がバレた様な気がする。


「確かに、クラナ・ブレイブの剣を矢で撃ち抜いて破壊したのは見たが、そこまで戦えるとは思っても無かったぞ」


「あの、グレーウルフはそんなに強いのですか?」


 そこが気になったので聞いてみると


「グレーウルフはEランクの魔物ですが、群れだとDランクに上がって一般の冒険者だと、かなり苦戦する相手ですね」


「それを家主は圧倒したから、こんな事になっておるのじゃな」


「あのな、俺は戦闘が嫌いだからあんまり戦いたく無い」


 とりあえず、この事を伝えると


「でも、かなり戦えるのですよね。それなら、戦闘科の講師も出来そうですね」


 待て待て、流石にそれはマズイ。


「やめておいた方がいいのじゃ。家主は近接戦闘は全く出来ないから、講師になっても無駄じゃ」


 なんか、言い方にトゲがあるように感じるが、事実なので頷く。


「他にも何かありそうだな。戦闘科の講師の事は一旦置いておいて、野外に行く時に連れて行くのもアリだな」

 

 どうしよう、このままだと本気で戦闘をする事になりそうだ。


 俺が頭を抱えていると


「ハルヤさんの顔色が悪くなっているのは気のせいですか?」


「確かに、そう見えるわね。それと、授業が始まる時間ですのでそろそろ行きますわ」


 アイツら、逃げたな。


「さて、私達も移動するか」


 ミラナさんが立ち上がったので、俺達も立ち上がる。


「お昼からは、商業科の見学ですよね」


「そうだ。商業科は実際にギルドとかで働いている生徒もいるから、そこでも何か言いたい事があったら言ってくれ」


 授業の邪魔をしたく無いので静かにしたいが、また余計な事をしそうだな。


 そう考えながら、商業科の教室に向かう。


 そして、チャイムが鳴って高等部一年一組のクラスの前に到着する。


「私はアポを取ってないから、今から取りに行って来るな」


 今回はまともだなと感じていると


「エタン先生、マーシュ先生、見学いいか?」


 ドアをバーンと開けてそう言い放つミラナさん。


 この光景を見たフィリスを除く四人〈俺も入っている〉は思わず固まってしまう。


「学園長、見学はいいですが、ドアを思いっきり開けないでください!」


 怒っている男女二人の先生を俺達はただ傍観する。


「これだがら、学園長として問題があると言われるのですよ」


 フィリスが何かを呟いているが


「ハルヤ君達、許可は取ったから中に入るぞ」


 このバカ学園長に言われるのは何か腹が立つ!


「学園長、後で職員会議でこの事に追求するので、覚悟しておいてくださいね」


 マーシュと呼ばれた先生が言い放つが


「別に、また文句を言われるだけだから問題無いぞ」


 ダメだなこりゃ……。


「家主、この学園長はかなり問題があるのじゃないか?」


「フラウ、それを言ったらおしまいだ」


 俺達は目立たないように、後ろの席を確保して授業を聞く事にする。


「ハルヤ先生、僕達ここにいても大丈夫なのでしょうか? 凄い目立ってますよ」


「ハッキリ言うが、大丈夫では無いと思うぞ」


 俺はたまに振り向いて来る、商業科の生徒話を観ながら答えた。


 それから少しして、授業が始まる。


「それでは、今回はポーション系の市場の話をしますね」


 まさか、ポーション系の事を聞けるのはラッキーだな。


 俺は、メモをする為に懐から手帳とペンを取り出す。


「まず、基本的に出回っている十等級回復&魔力ポーションですが、基本的には市場の相場は三万から五万フロンですね。ただ、この学園都市ては消費が激しいので、高くなる傾向がありますね」


 まぁ、普通だな。品物はは安く仕入れて高く売るのが基本だからな。


「質問いいですか? この学園都市で十等級のポーションの値段の相場最高はいくらになったのですか?」


 一人の生徒が手を上げて質問したので


「それは、数年前に一本七万フロンしたよ。その時は大型討伐作戦が決行された年だ」


 大体、相場よりもかなり高くなっているな。


 まぁ、俺のポーションも緊急事態の時にはかなり高値で売れた事を思い出す。


 それから、授業を聞いていたが大体知っている事だったので、メモを取るだけにした。


「ハルヤ君、今回は静かだったね」


「えぇ、特に感想は無いですね」


 やはり、ここでのビジネスは難しいなと思い、このクラスから出て行く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ハルヤにとって商売が大事なのだなと、 興味関心の度合いでなんとなく 分かるところが良いですね [気になる点] ポーションの即効性を考えたら この相場は安いほうな気もしますね [一言] ポー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ