話し合い
俺がブチギレていて、ソルの叔父さんことギルド長が頭を下げている状態を見ているさっききた騎士達。
さて、この状況を見ている第三者はどう思うのだろう。
少し冷静になり考えていると、エルナ少尉が口を開く。
「一体、何故ハルヤ殿が怒っていてギルド長が頭を下げているんだ?」
やっぱりそう聞いてきたな。
その返答は想定内だったので、俺は今まであった事を包み隠さず言おうとしたが、他のギルド職員に止めらる。
レイナ、ソル、エルの三人は俺を助けようとギルド職員をどかそうとしているが、他の職員に何かを言われている状態で全く動いていない。
するとギルド長が頭を上げてエルナ少尉と話す。
「実は、冒険者ギルドと国軍が合同で調査しているゴブリンの大量発生の件で、ハルヤ君にも相談して手を貸してもらおうとしたのですが、あまりいい返事がもらえなかったので頭を下げて頼んでいたのですよ」
待て待て、そんな事は聞いてねーよ!?
俺は、全く身に覚えがない事で固まってしまう。
するとエルナ少尉が
「先程、街人からハルヤ殿がギルド長に担がれていたという報告があったのは何故だ。この話は本人から聞きたいからギルド職員は離れてもらおう」
その言葉で、俺を止めていたギルド職員が離れていったので俺は自由になる。
そして、俺はギルド長を見るとさっきの話はやめてくれという顔をしていたので、俺はどうしようかと考えいた時、ソルの叔父さんという事で今回は百歩譲ってこいつらに貸し+ドアの弁償で、我慢してやることにすることにした。
(やっぱり俺は甘いなとも思ってしまう)
「その件はとりあえず置いておいて、俺が冒険者ギルドに連れてこられた理由は重傷者がいるので治療してくれた言われただけで、ゴブリンのことは全く知らないです」
俺がそういうとエルナ少尉がギルド長を見た。
「なるほど、若干話が食い違っているかと何故かな?」
「それは少し話がこじれているだけです。ゴブリンのことは伝えようとしましたがまだ伝えてないです」
「さっきはゴブリンのことで頭を下げたと言っていたけど実際は別のことで頭を下げていたんだね。つまりはギルド長は私達に嘘を言ったことになるね」
その言葉を聞いた、他の騎士はギルド長を取り囲もうとした。
ここまできたら、俺は放置するかと思い離れた場所に移動しようとするが、ギルド職員は騎士達を止めようとしているのでこれ以上面倒は嫌ならと思い、今回も止めることにする。
「ギルド長の件はまた後でいいじゃないですか。それよりもゴブリンの大量発生はなんですか?」
その言葉で、ギルド長を取り押さえようとしていた騎士が止まる。
俺は、なんかこいつらメンドーだなと思う。
その言葉に対してギルド長が答え始める。
「実はな、さっき大怪我していた冒険者は、このギルドでも上の下に入るそこそこの実力者だったんだよ」
なるほど、そこそこの実力者だったのか。
俺がそう考えているとギルド長は話を続ける
「それで、今日はゴブリンが増えた事を数日前に他の冒険者から報告されていたから、街の近くのゴブリン掃討を頼んだか数が多すぎたのと、上位種も大量にいて囲まれた時にたまたま演習で騎士達が訓練していた時に助けられて、今に至るという事らしい」
「ちなみに、その時は騎士と兵士は何人いたのですか?」
俺はそこが気になったので聞いてみる。
「もともと、この街に滞在している騎士と兵士は約五百人いて、演習には東西南北四方向に百人ずつ、配置されて残りの百人は支部で待機していたよ。ちなみに冒険者を助けたのは北の部隊で私も訓練に参加していたよ」
なんか、大変なことになっているなと思いつつ、スルーしているとギルド長の話を思い出す。
そういえば、俺を討伐戦に参加させようとしていた趣旨があったよな。
そう思いギルド長に聞いてみる
「そういえばギルド長、今回もしゴブリンの大群がいたら、どうしようとしているのですか?」
「それは、この街にの冒険者と国軍が総力を挙げて討伐戦になるな。ちなみに衛兵は街の守りのためにお留守番だな」
「なら、ただの雑貨屋店員の俺は街で待機していればいいのですね。それなら今回は面倒な事にならなくて済みますからね」
俺はそう言って安心していると、エルナ少尉がとんでもない事を言ってくる。
「いや、ハルヤ殿には私達と共に来てもらい、負傷した冒険者や騎士達の治療をして欲しいのだが」
やっぱりそうだと思ったよちくしょう、だが俺は現実逃避したいんだよと思ったので、もちろん断らせて貰うがな。
「もちろん、お断りしますよ。さすがに休みをください。あと回復魔法使いなら治療院の人から雇えばいいではないですか、他にはポーションもある程度品薄状態から回復したのですからまた買い込んで下さい」
よし、言ってやったぞ、これで今回は巻き込まれないはずだ。
俺がここの中でそう思っていると、また現実を見せられる……。
「申し訳ないが、ハルヤ殿は今回強制参加と支部長から聞いていますので拒否権はないそうですよ。あと、ポーションは買い揃えましたし、治療院の回復魔法使い達も雇いました」
「それでも前のイレギュラー魔物(赤オーガ)の時と同じ五人だからな。ちなみにハルヤ、お前の報酬はかなり高くなっているから参加した方が身のためだ」
そして、俺の討伐戦参加が決まりました。
そのあと、俺は帰ろうと思いギルドから出ると、レイナ達三人はも付いてきた。
俺は、さっきギルド職員と何かを話している所を見ていたので、なんの話をしていたのか聞いてみることにした。
「そういえば、お前らさっきギルド職員と何かを話していたんだ?」
その問いにソルが答える
「それは、今回ゴブリンと戦う事になったら、わたし達はどう戦えば良いのかを聞いていたわ」
「それで、なんて言われたんだ?」
「とりあえず、ハルヤの護衛を三人でしていればいいと言われたわ。ちなみに今日からハルヤの家に泊まり込むからそのつもりで頼むわね」
何故そうなるんだ? と俺が悩んでいるとエルが答えて来る。
「それは簡単だよ。ボク達がそうしたいだけだよ。特にボクはお金が無くて、止まる泊まる所が無いので居候と言う名の用心棒をすることになったからね」
いや、まずお前を用心棒と認めた覚えは無いのだが……。
そう思っていると最後にレイナが話してくる
「別にいいじゃないか。昔みたいに一緒の部屋で寝るのもいいと思うが。あと費用は私とソルが持つから安心してくれ」
「だったらさっき壊した扉の弁償をしろ。お前らは何回、俺の店の扉を壊せば気がすむんだよ!」
俺がそう言うとエルとレイナは目をそらす。
「ちなみに今回はわたしは関係ないわね。貴女達が来るまで、ハルヤに膝枕してもらっていたからね」
ソルが二人にドヤ顔しながら自慢していて、何故か二人が悔しがっている。
だけど、君の叔父さんが思いっきり迷惑かけて来たけどなと俺は思う。
そう考えながら放置しようと思ったら、いきなりエルのお腹が鳴った。
「ごめん、お腹が空いたからどっか食べに行きたいのだけどいいかな?」
「なら前、行った食べ放題の店に行くか?」
俺がそう言うと三人が頷いた後、行った事のある食べ放題(一人三千パル)の店に行くことになった。
そして、食べ放題の店に着き、店は結構混んでいたが席は空いていたのでそこに座ると、俺を除く三人はまたテーブルに乗り切らないほど頼んだ。
レイナ達は、料理をガツガツ食べまた他のテーブルに皿が大量に置かれて他のお客さんが唖然としている。
こいつら、よくこんなに食べれるなと思いながら見ていると時間が来てオーダーがストップしたが残った料理を綺麗に食べ切った。
もう、ここまできたら何も言えないなと俺は思ってしまう。
そして、レイナとソルが止まっている宿まで行き、部屋を引き払ってエルと合わせた三人は、本当に俺の店に泊まり込まれる。(扉は、いつのまにか応急処置されていた)
ここから共同生活が始まった事に俺は、何故こうなったと頭を抱えることになった。