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メイド、フィリス

 ミラナさんとキャルさんと話した後、俺はなんかトントン拍子に話が進んでいるのは、気のせいかと思ってしまう。


「家主は、運がいいのか悪いのかわからないのじゃ」


「それは、俺にもわからないが、着実に外堀を埋められているような気がする」


 俺はソファーに横になりながら話す。


「まぁ、この事は置いておいて、夜ご飯はどうするのじゃ」


「それは、この職員寮の中の食堂で食べるか、外に食べに行くかの二択だな。どっちにしてもお金はかかるな」


 俺はベッドから起き上がって、〈ポーション〉を売って稼いだお金を見る。


「とりあえず、地図は貰っているから外に出てみるか?」


「そうじゃな。でも、妾達は学園の事をよく知らないから、遠出はしないほうがいいじゃろ」


 しかし、本当にこの学園は広いなと思っていると、ドアをノックする音が聞こえる。


「誰じゃ? 学園長は報告に帰ったから寮長の女性かの?」


「そこはわからないが、開けてみるぞ」


 俺は玄関に立ってドア開けてみると、メイド服を着た二十代前半くらいの女性が立っていた。


「失礼します、私の名前はフィリスといいます。ハルヤ様とフラウ様で合っていますか?」


「はい、自分がハルヤで部屋の中にいるのがフラウです」


 俺は、とりあえずそう答える。


「合っていて良かったです。私は学園長であるミラナ様指名されて、ハルヤ様とフラウ様のお世話係に就任したフィリスです」

 

 はっ……? 何故に、それに学園長と分かれて二時間くらいしか経ってないのに色々早過ぎないか!?


 俺は流石に辻褄が合わないと思っていると


「確かに疑われますよね。ただ、こっちもいきなり通信水晶でメイド長宛に、ミラナ様からのいきなり連絡があって、メイドを一人を彼達の元に派遣してくれと言われて新人の私が指名されました」


 なんか、かなり突っ込みたくなるが


「君達、ドアを開けて何を話し合っているの、それにフィリスはなんでここにいるのかしら?」


 キャルさんがそう言って近づいて来る。


「キャル様こんにちは。私は今日からハルヤ様とフラウ様のお世話係を、ミラナ様とメイド長に言いつけられました」


「新人なのに大変ね。まぁ、それは置いておいて、ハルヤ君とフラウちゃんは夜ご飯はどうするの?」


 いや、置いておけない事だと思うのですが……。


 そう考えているとフラウが近づいて来て


「家主、話は聞いていたのじゃ。とりあえず、今回は外に食べに行くのはどうかの」


「いや、夜ご飯の問題では無くて、メイド派遣の事で色々言いたいのだが……」


 なんか、話が進み過ぎて混乱しているのだが


 それに、俺達を監視をする為に、ここに来ているのでは、と思う。


「ハルヤ様、確かに私達は知り合ったばかりですが、末長くよろしくお願いします」


 なんが、凄い引っかかる挨拶をして来たので、どう返そうか悩んでいると


「ハルヤ君は何故固まっているのかしら?」


「それは、妾もわからないのじゃ」


 キャルさんとフラウに何か言われて


「ハルヤ様、もしかして私に見惚れているのですか?」


 ヤバイ、なんか勘違いされている。


「そうでは無くて、夜ご飯は何処に向かうのかが、わからないので悩んでいました」


 とりあえず、誤魔化す事にする。


「なんですか……。せっかくイケメンを捕まえるチャンスだったのに」


 フィリスさんは何故か凹んでいる。


「ハルヤ君は女性に耐性があるのかしら。まぁ、それは置いておいて、夜ご飯を食べに行くならフィリスに案内して貰うといいわよ。この寮の食堂もあるけど、せっかくだからゆっくり食べに行くといいわ」


 それじゃあ、と言ってキャルさんは離れて行って、この状況をどうするかをフィリスさんとフラウを見ながら考える。


 そして、フィリスさんがなんとか復活したので、俺達は部屋に入って俺達は話し合いを始める。


「とりあえず、ハルヤ様とフラウ様は私に何を聞きたいですか?」


「まずは何者なのかを聞きたいですね。正直言いますが、貴女は自分達を監視する為に来たのですよね」


 最初からこの事を話すと


「流石ですね。確かにハルヤさんの言っている事は当たっていますが、私は監視と他にも命令されました」


 普通に監視と言ったなこのメイド。


 向こうも言われる事は予想していたみたいだな。


 なら他の事を聞こうかなと思った時


「家主、妾はお腹が空いたから何か食べたいのじゃ」


 とフラウが言って来たので


「それなら、美味しいお店を知っているのでどうですか?」


「いえ、監視者相手に頼むのは怖いので辞めておきます」


 俺はキッキンに行って魔法具が使えるか確認して、アイテムバックから調理器具と食材を取り出して調理を始める。


「えっと、ハルヤ様は料理を作れるのですか?」


「家主の料理は美味しいから、ついつい食べ過ぎてしまうのじゃ」


 最初から飲食店を探しに行くより、こうすればよかったな。


 そして、料理を作り終わってテーブルに置くと


「この、肉野菜炒め凄い美味しいですし、こっちのスープも格別です」


 フィリスさんが勢いよく食べているので、レイナ達を思い出すな。


 そう考えつつ食べていると


「そういえば、ハルヤ様。私には別に敬語じゃ無くてもいいですよ」


 と言われたのでこれからは普通に話して行こうと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新キャラがまたしても! 名前が覚えられないっ(>人<;) [一言] そしてまたハルヤの料理の虜が増えてしまうのですね。 罪なやっちゃ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
[良い点] メイドさんに戸惑うあたりが初々しい感じがする。 [気になる点] いやまて、メイドさんはほかにも見てきたはずだ、ということはこのメイドさんが特別そういう雰囲気を醸し出していたということになっ…
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