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勇者の子孫

 すみません、遅れました。

 それから、言い合いが面倒になったので、〔貸し〕を作り、その条件として〈ポーション〉を渡すと


「これが、お前が作った〈ポーション〉なんだな」

 

 と言ってポーション瓶に入っている〈九等級回復ポーション〉を飲む。


 すると


「すげぇ、アイツらの言った通りすぐに傷が治るな」

 

 そう言ってさっきの不機嫌だったのが一転、かなり機嫌が良くなっているみたいだ。


 それと、無理矢理授業を伸ばしてしまった感が凄いのでどうしようかと悩んでいると


「ハルヤ君、フラウちゃんありがとう。ここまで準備しているとは思っていなかったよ」


 何故か、ミラナさんにそう言われる。


「すみません、いきなりこんな事をしてしまって」


 俺は頭を下げてそう話す。


「頭を上げてくれ。確かに時間は伸びたけど、みんなの怪我が治ったからプラスだ」


 少しして、俺は頭を上げる。


「それはよかったです。それよりも他の生徒は帰ったのに、何故オレッ娘だけは残っているのですか?」


「オレの名前はオレッ娘じゃない、ちゃんとクラナ・ブレイブという名前はあるぞ!」


 そう言って来たので


「そうか、でもあんまり会わないと思うぞ」


「何故だ? この学園に入る為に見学に来たのでは無いのか?」


 ゴドス先生がそう話すが


「自分は学園長の客人です。それに自分は雑貨屋の店員なのでこの学園には入学しないです。それよりも、建物を建てる土地を探したいですね」


「そうじゃな。妾達は家主の言う通り雑貨屋の店員じゃからな」


 『お前の正体は付喪神だけどな』と突っ込みたいが、それをするとさらに面倒なので黙っておく。


 その後、少し話して戦闘科の見学が終わり、また三人で闘技場を出る。


 そして、放課後になので、ミラナさんとフラウと歩いていると、よくわからない乗り物があった。


「あの、上にある乗り物は何ですか?」


「あれはモノレールだ。この学園都市はかなり広いから無かったら不便過ぎるよ」


 モノレールか、聞いた事が無いな。


 そう思っていると


「家主、そろそろ帰りたいのだが、いいかのう」


「確かに、これ以上ミラナさんの邪魔をすると悪いかなら」


 俺とフラウはそう話し合って、ミラナさんにその事を伝えようとすると


「それなら、寮の空いている部屋を使えばいい。確か従兄妹なら同じ部屋でも大丈夫だろ」


 本当は違うが、設定上そうだから頷いておく。


 ……んっ? ちょっと待て、寮の空いている部屋を使えばいい?


「あの、その言葉の意味が分からないので説明をお願いしても良いですか?」


「わかった、もう一度説明するな。お前達の〈ポーション〉の性能を見たのと、他にも色々ありそうだから改めて言う、お前達を雇わせてくれ」


「いや、自分達は雑貨屋の店員なので無理だと、さっき言いましたが……」


「そうじゃな。家主にも出来ない事はあるのじゃ」


 これで引いてくれたらいいのだが。


「悪いが、私も引けないんだ!」


 何故か思いっきり頭を下げられたので


「なら、こうしてもいいですか? この学園の空いているスペースで、雑貨屋店舗〔仮〕を営業しても大丈夫ですか? あと、手が空いた時には何か手伝いますよ。ただ、無理な事は無理ですからね」


「了解した、場所は何とかするよ。あと、売り上げは全部君が持って行って貰って大丈夫だぞ」


「いいのですか? 流石に場所代だけでも払いますが……」


「それはいらないが、たまにでいいから生徒に授業してくれるか?」


 それは、やった事が無いから無理。


「まぁ、本職の先生もいるから大丈夫だ」


 まず、その先生と話した事が無いからかなり心配なのだが。


 まぁ、この事は一旦保留となって、俺とフラウはミラナさんに案内されてモノレールに乗って職員用の寮に向かう。


 そして、降りたあと、少し歩いて職員寮に着いたので寮長に挨拶しようとするが、先に挨拶される。


「君達がいきなり来る事になった新人さんね。わたしはキャル、よろしくね。でもミラナ、こんな事をしても大丈夫なの?」


 普通の女性の方が出て来た安心したので、俺達も軽く自己紹介した後、よくよく考えたら学園長の事を呼び捨てにしているので、何かあるなと思う。


「キャル、確かに今回は私の一存で決めたが、彼らはかなり有能だぞ。とりあえず、これを見てくれるか?」


 ミラナさんは俺がさっき渡した〈十等級回復ポーション〉を取り出す。


「これってただの〈ポーション〉よね。それがどうしたの?」

 

「実はこの〈ポーション〉は絶妙に魔力が込められていて、性能がほぼ最大限引き出されているんだ」


「なる程、それなら戦闘科の生徒が欲しがりそうね」


 なんか、色々話し合いをしているなと、思いながら聞いていると


「でも、それだけだと理由が弱く無いかしら?」


「それはそうなんだが、他にもかなりの能力があると私は感じているから無理矢理勧誘しただけだ」


 それよりも、キャルさんにいつ連絡したのかが気になるのだが


 そう思っていると、フラウが目を擦っているので


「すみませんが、部屋に案内して貰って大丈夫ですか?」


 流石に、玄関近くで話していると迷惑になりそうだからな。


 そして、部屋に案内して貰った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 断っているはずなのに、相手に都合の良い方向に流れてしまうハルヤ。 根が素直だからなんでしょうね。 [一言] モノレールが出てきた! これは驚いた!
[良い点] なんだかんだハルヤも結構ぐいぐい行きますね、まあ他にあてが無いからこうもなるか。
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