新たな商売?
俺は〈九等級回復ポーション〉を渡すと男子生徒はグイッと飲んだ。
すると、体が光って少しした後、傷がキレイに治る。
「えぇ!? 僕の怪我がキレイに治ってる」
「嘘だろ!?」「本当なの!?」
なんかうるさくなって来たので
「これが、我が雑貨屋〔エルガリオン〕で売り出される〈回復ポーション〉です。もし良ければ買ってくださいね」
とりあえず、掴みは成功かなと思っていると
「おい、オレにも一本寄越せ」
先ほど、こちらに女子生徒を吹き飛ばしていた女の子がそう言って来る。
というか自分の事を〔オレ〕という、女性はあんまり見た事が無いなと考えていると、睨んで来たので
「一つ聞きます。貴女はお金を持っているのですか?
無かったらお渡し出来ないですね」
「なんだと、じゃあなんでソイツにタダで渡した!」
なんか凄い喧嘩腰なので
「それは宣伝で渡しただけですよ。それなのにそちらは無料で貰えると勘違いしているのですか? それならこちらの商売は成り立たないですね」
さて、この事を言われてどう出る。
「お前は、勇者の血筋のオレを馬鹿にしているのか」
そう言って訓練に使う木剣で攻撃されそうになったので
「サモン・天銀の弓!」
俺は天銀の弓を召喚して、相手の攻撃を避けて矢を引いて木剣を撃ち抜く。
「はっ? 一体何が起きたんだ!」
すると、周りはキョトンとしているので
「とりあえず、これは正当防衛で大丈夫ですよね学園長」
と聞いてみる。
「確かにそうだが……。ハルヤ君、その弓は何処から取り出したんだい?」
「それは、自分の情報になるので言えないですね」
さっさとこの場から離れようとするが
「お前、一体何者なんだ?」
「あの、さっきも言いましたよね、『自分は雑貨屋店員ですよ』とね。それでは、雑貨屋〔エルガリオン〕をよろしくお願いします」
俺とフラウは一礼した後、ミラナさんと離れようとした時
「なら、オレはお前に決闘を申し込む! さっきは油断したけど、次はそうはいかないからな」
やはりこのタイプは面倒だが、答えは決まっているけどな
「お断りします。自分は雑貨屋〔エルガリオン〕の店員なので、戦闘力は高く無いですよ」
俺は天銀の弓をリターンして腕輪に戻した後、そう喋るが
「ふざけるな!」
このままだと、ガチの喧嘩になりそうなので
「無理と言っているのに、話を聞かないのですか?」
なんか煽っているように思えて来たが、周りを見てみると『アイツ終わったな』みたいな表情をされている。
「あの、こちらは間違った事は言っていないですよね」
とりあえず、この事を話すしてみると
「知るかそんな事、それよりオレに〈ポーション〉を寄越せ」
「だから、お金が無いのに渡せないです。自分はもう少しここにいるので、財布を取りに行っても大丈夫ですよ」
俺は商売人なので、宣伝も欠かさない。
「家主は性格が悪いのう。ただ、向こうの方が悪いのはわかるのじゃ」
「フラウ、お前も中々だな」
俺達は、急いで財布を取りに行く連中を見ながらそう話す。
だが、
「オレはお前と戦うまでここに残るぞ!」
「ご勝手にどうぞ」
別にお前が何処にいようが俺には関係ない。
「ハルヤ君、君は凄いね」
ミラナさんにそう言われたので
「商売は時に山あり時に谷ありなので、これくらいは経験しています」
レイナ達に散々連れ回されたから、変な度胸がついたなと思っていると
「学園長に許可を取ったとはいえ、何をしている!」
さっきゴドスと呼ばれた先生が怒りながら口を開く。
「ゴドス先生、彼は悪く無いですよ」
ミラナさんが喋るが
「学園長、こんな不審者さっさと追い出した方が良いですよ」
「それは無理だな。ゴドス先生は彼が作った〈ポーション〉と弓の腕を見て何も思わないのか?」
「確かに腕利きなのは分かりますが、我が優秀な生徒にここまで言うのは問題だと感じます」
この人もエリート主義者なのか。
そう思っていると、他の生徒がお金を持って来たので
「すみませんが、一列になって並んで貰えますか? 値段は貴方達がこの〈ポーション〉に出せる額で良いですよ。あと、一人一本まででお願いします」
とりあえず、最初はこう話す事にする。
「家主、さっきミラナさんが言っておったが、四クラス合同で百六十人くらいじゃぞ」
「了解した。〈ポーション〉は在庫は沢山あるから余裕で足りるな」
そして、前の人から〈ポーション〉がどんどん売れて行く。
「すげぇ!? 痛みがなくなって行く」
「今までの〈ポーション〉よりも格段に性能は良いわね!」
良い雰囲気になっているな。
そして、ほぼ全員に〈ポーション〉が行き渡って、アイテムバックを担ぐと
「ちょっと待て、オレの分は無いのか?」
なんか、半泣きになったオレッ娘がそう言って来たので
「さっきも言いましたが、貴女は自分に何も渡して無いですよね。それでは〈ポーション〉は渡せないです」
自分でもかなり性格が悪いなと思うが、このキャラで通す事にする。
「オレは実家からの仕送りが制限されているから、お金があんまり無いんだ!」
「ハッキリ言うが、それは知らん」
俺は話が長くなりそうだなと思いながら天井を見る。