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食堂とくつろぎ

 なんとか、冒険者ギルドから出て、まずは装備屋ではなく女性用の服屋によることになる。

 

 でも、俺は入りたくなかったので、外で待ちたかったが普通に断られてしまう。


 俺が凄く外に出たいと思っている中、ソルは手に色々な服を持ちながら、どれが似合うか聞いてくる。


 でも、俺は服にはあまり興味がないから、曖昧な返事しかできない。


「そういえばハルヤは服には興味がなかったわね。ならこれだけ買って外に出るわ」


「わかった。とりあえず他の視線が怖いから支払いカウンターに行くぞ」


 入ってから、あんまり時間は経っていないが、他の客の目線が怖いので早急に脱出する。


 後、もうここにはあまりきたくないと思う。


 少しして、次はさっきエルも行った大型の装備屋の方に向かうことにしようと思ったが、ソルのお腹が鳴ったのを聞いて若干早いが昼ご飯を食べる事にする。


 なので、たまに行く食堂に向かう。


 でも、他の本当にここでいいのかと一応聞く事にする。


 「本当にいつもの食堂でいいのか? 他にも色々あるぞ」


「いや、わたしはいつもの食堂で、ご飯を食べたいと思ったから別に気を使わなくてもいいわよ」


「なら、そうさせてもらう」

 

 俺は、心の中で高級なお店じゃなくてよかったと思ってしまう。


 流石にそういうお店はしんどくなるからな。


 そう考えつつ、俺達は雑談しながら歩いて、目的地の大羽食堂に着く。

 

 そして、中に入るとお昼には少し早い時間なのだが、席は満員に近かった。


「やはり、かなり混んでいるな。他の場所に食べに行くか?」

 

「いえ、待ちましょう。わたしは大羽食堂の唐揚げ定食を食べたいと思ったからここにきたのよ」


「確かに大羽食堂の唐揚げ定食は美味しいが、俺はハンバーグ定食だな。あの出てくる肉汁が凄いからな」


 メニューを思い出しながら話していると、見知った店員がこちらに振り向く。


 薄紫色のロングヘアーで、目の色は紫でウエイトドレス姿の少女だ。


「あら、ソルこんにちは。今回は、レイナとじゃなくてハルヤと来たのね。もしかしてデートなのかしら?」

 

「いや、デートじゃないぞ。色々あって二人で買い物をしているだけだ」


 俺がそう言うと、何故かソルがショボンとしている。


 そんなソルを見て頭を傾けていると、店員ことリムがなるほどと頷いてくる。


 でも、さらに意味が分からなくなったので考える事にするが、答えは出ない。


 すると、リムとソルが何かを話している。

 

「ハルヤとソルで何か認識の違いがあるのね。これは大変だね」

 

「そうよ。すごい大変よ」


 二人はそうやって頷いているが、俺には全く意味がわからん。


 だが、何か嫌な予感がするので強引に話を変えることにする。

 

「それより、席は空いたのか? 俺達はここの定食を食べにきたのだけど」


「それよりって酷いわね……。確かに席は空いたから呼びに来たけど、この状況で案内するとは思ってもいなかったわ」

 

 リムは、ソルを横目で見ながら言う。


「多分原因を作った人にそれを言われたくないのだが」 

 

 俺はそう突っ込む。


「ハルヤの方が原因のような気がするけど、仕方ないわね。それじゃあ案内するわね」

 

 なんか、渋々している感がハンパないんだが……。


 俺がそう考えていると、ソルがこっちを見てきた後、何故かため息をつく。


 そして席に座り俺はハンバーグ定食を、ソルはさっき言っていた通り唐揚げ定食を頼んだ。


 注文のメモを取ったリムは


「少し待っていてね」


 と言い厨房の方に向かって歩いて行く。


 俺はソルを見ながら、ある事を思い出したので聞く事にする。


「そういえばソル、お前らダンジョンに潜ったりしなくていいのか?」


「レイナは知らないけど、わたしは貯金があるから当分は入らなくても大丈夫よ」


 そうか、それは良かっと思う。

 

 そういえば、俺は昔コイツらに結構な頻度で奢らされた事をを思い出す。


「本当に良かった。あの時みたいにかなりの頻度で奢らされたら、たまったもんではないからな」


 そう言ってソルを見ると、サッと目をそらされてお冷を飲んでいる。

 

 あの時は金欠寸前になって、冒険者ギルド長でソルの叔父さんのドンガスさんと、どうしようか悩んでいたからな。

 

 その事を思い出して、少しの間無言になっていると、リムが俺のハンバーグ定食とソルの唐揚げ定食を運んできた。


「はい、お待ちどうさん。ハルヤのハンバーグ定食とソルの唐揚げ定食だよ。ゆっくり味わって食べてね」

 

 そう言って、リムは他の所の注文を取りに行く。


 俺とソルは手を合わせた後、頼んだ料理に口をつける。


「やっぱり、ここの料理は美味しいな。このハンバーグは肉汁が詰まっていてナイフで切ると溢れてくるのがすごいな」


「こっちの唐揚げもジューシーで美味しいわよ。そうよいい事思いついたわ。唐揚げとハンバーグを一口ずつ交換しましょう」

 

 そう言い、唐揚げをナイフで切って一口サイズにしてフォークで刺した後、俺の方に差し出してくる。


「いやいや、皿の上に置いてくれたらいいから」

 

「だが、断るわ」

 

 おい、そこでこのセリフを使うなよ。


 そう考えるが、このままだと進まなそうなので、仕方なく食べると、ソルがニコニコしている。


 そして今度は口を開けてきてこちらをを見てくる。


 俺はそうなるよなと思い、ハンバーグを切ってソルの口に入れる。


 すると


「ハルヤが頼んだハンバーグも美味しいわね。次来た時は唐揚げを単品で頼んでハンバーグ定食を頼むのもいいかもしれないわね」


 そう言いつつ、自分の唐揚げ定食を美味しそうに食べている。


 それを見ながらエルほどではないにしても、レイナとソルも結構食べるからなと思う。


 そして、そう考えながら自分の頼んだ物を食べ終わってゆっくりした後、店を出ることにする。


 リムはいなかったので、他の店員さんに会計してもらってお金を払い外に出た後、ソルがこちらを見て何か言いたそうにしているので聞いてみる。


「俺の顔に何か付いているか?」


 そう聞いてみるとある事を切り出される。


「ハルヤは、わたしとレイナを嫌ってないかしら?」


 なる程、その事か。そう思い俺はストレートに話す。


「別に嫌ってはないが、面倒ごとを持ってくる事と、ダンジョンに誘うのは止めて欲しいくらいかな」


「それなら良かったわ。いつもわたしやレイナが面倒ごとを持ち込んで、ハルヤを困らせることが沢山あったから、もしかしたら嫌われたかもしれないと思って聞いてみたわ」


「もし嫌っているなら、店から無理矢理追い出しているし、あと話も聞かないからそこは安心してくれ。ただ、前の開発の事は本気で焦ったからあれは辞めてくれ」


 俺がそう言うとソルが


「どうしようかな」

 

 と言い、真正面から抱きつきいてきたので、俺は外では流石に恥ずかしいから少ししたら離れるようにし促す。


 だが、断られても普通の男性は惚れそうな顔をしている。

 

 そして、少ししてソルが離れてまた、俺の左手を掴んできて、手を繋ぐことになる。


「あのさ幼馴染とはいえ、流石に通行人からチラチラ見られるのは恥ずかしいのだが」


「そこは我慢しなさい。わたしはこの時間を大切にしたいと思っているわ」


 なんか、若干的外れな事を言われているような気がするが、まぁ仕方ないかと思いながら歩いていく。


 そして、次の行く場所は俺の店になったがなんか怖い視線も感じながら俺とソルは店に帰ってくると、中はいつも通り商品が並んでいる事にホッとする。


 (ドアはいつのまにか修理されていた)


 一応商品の確認をしようとしたがソルが手を離さず、一階のリビングに連れて行こうとしたので、俺はある事を言う。


「ちょっと待ってくれ。商品の陳列を見たいから少しだけここにいてもいいか?」

 

 そう言ったがソルはスルーされる。


 結局リビングに連れていかれて俺はソファーに座らされ膝にソルの頭が乗って、膝枕状態になってしまう。


「本当は抱きついて寝たかったけど、レイナにバレたら何されるかわかったもんではないからこれで我慢するわ」

 

 十分、ワガママを言われているような気がするがなんとか納得する。


 すると、ソルがある事を話す。


「ハルヤ、わたしの頭を撫でてもらってもいいかしら?」


 と聞かれたので


「別にいいが」

 

 と答え手を頭に乗る


「うん、久しぶりにやって貰ったけどやっぱり気持ちいいわね。ついでに耳掃除もお願いしてもいいかしら?」


「わかった。耳かきを持ってくるから少しだけ離れるな」


 そう言って俺は耳かきを取りに行く。


 棚の前に着き、耳かきを取ってきてソルに耳かきをする。


「そこ、そこが痒かったのよ」


 と行った後、静かになったので顔を見ると完璧に熟睡していた。

 

 それを見た俺もソファーの上で寝てしまう。









明日から一日一話の更新になります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほど、ヒロインそれぞれに付き合うとなると、雑貨屋さんの本業がますます疎かになってしまい、自然と廃業に追い込まれ、冒険者になるという、いや、考え過ぎか。 [気になる点] ソルさんは彼女ポ…
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