魔石と出会った勇者·マコト
絵本風な話の進み方になります。
最初の1話は、幼稚園児ですけど笑
「あれなんだぁ?」
お友達を泣かした事で先生に怒られた誠は、お昼のお弁当を食べている時にキラキラしたウサギを見た。
「なんか言ったか、誠」
「んぅ、あそこにうさぎがいるんだよ。ほらパンダ水道のとこに···」
そう言って誠は、キラキラウサギがいるパンダ水道を指差した。
「どこ? なんもねーじゃん」
おにぎりを頬張ってる明くんは、口をモグモグ動かしながらそう言います。
「だって、あそこにいるじゃん! ウサギ!」
の大きな声に周りにいた女の子達が、
「うさぎ?」
「どこ? どこ?」
周りをキョロキョロしますが、どこにもいません。
「誠の嘘つきー」
「嘘つきー」
とうとう嘘つき呼ばわりされて、誠くんはお弁当を放り出して、そのグループを飛び出しました。
(いたもん! 絶対にアレは、キラキラしたウサギだった!)
怒りながら森の中に入った誠くん。
ふと気付いた時には、森の奥まで来ていました。
「うっ···。おしっこしたくなっちゃった」
誠くんは、周りをキョロキョロして誰もいないのを確認すると木の影で···
「はぁぁぁっ···」
スッキリした誠くんは、来た道を戻ろうとしましたが、辺りは薄暗くどこから来たのかすら思い出せず···
「せんせー? 明ー? どこー?」
呼びながら歩きますが、声は段々と小さくなるばかり。
ガサッ···ガサガサッ···
茂みから音がして、誠くんは立ち止まります。
「誰? 誰かいるの?」
恐る恐る近付いた誠くんは、茂みに手を伸ばすと···
「ウサギだ! やっぱいたんだ!」
キラキラしたウサギが、誠くんをジッと見て、ピョンピョン跳ねて立ち止まりました。
『こっちだよ、こっち』
「喋ってる! すげー」
『早くおいでよ』
誠くんは、小さく頷くとウサギのあとを追っていきます。
ウサギは、誠くんと少し離れた先を跳ねて進みます。
『ここだよ』
ウサギは、立ち止まると誠くんを見上げ笑いました。
『きみ、ボクが見えるの?』
「うん。他の子には見えないみたいだけど」
『そう。きみ、名前は?』
「誠。小林誠」
『そう。ボクが見えるんだ』
誠くんは、そう話すウサギを触ろうとするとウサギは、一歩遠ざかります。
『ごめんね。この世界じゃボクには、触れないんだ』
「? おばけ?」
『そうじゃないけど···。あ、誰かきた! 近い内にまた会えるから! じゃーね!』
ウサギは、そう言うとパッと消えました。
「もぉ、ここにいたのね! 駄目じゃないの、みんなと離れちゃ」
誠くんのクラスの先生が、どうやら誠くんがいない事に気付いて探しに来てくれたみたいです。
「先生? うさぎ···」
「うさぎ? いたの? それで追っかけたのかな?」
「うん···」
先生は、誠くんが転んでないか?手足やズボンをみてくれます。
「あら? これ誠くんの? お尻のポッケから落ちたのかな?」
水色でしずくの形をした不思議な石。
でも、それは誠くんのものではありません。
『それ、ボクからのプレゼント。きっと役にたつから···』
誠くんの耳に、消えてしまったウサギの声が届きました。
「うん。朝遊んでたから···」
先生は、それを誠くんに返すと、
「さ、みんなのとこに帰ろ。これからムカデ競走するからね」
手を繋ぎ、誠くんと先生は、森の入り口まで辿り着きました。
「おせーぞ、誠」
「先生、誠くん、迷子になったのー?」
グループのお友達が、こぞって先生と誠くんの周りに集まります。
『道と道を繫ぐ石。大切なものだから、なくさないで···』
「うん···」
ウサギにもお友達にも聞こえる言葉···
誠くんは、リュックのポケットに、拾った石をソッと入れました。
「さくら組のみんなー、集まってー!」
拡声器を使って、園長先生がこちらに向かって手を振ります。
「さぁ、先生と競争よぉ!」
誠くんも他のお友達に混じって、園長先生のところまで先生と競争しました。
「やったー! ぼく、1番だ!」
誠くんは、ガッツポーズをして先生の前に立ちました。
広い芝生の上で、クラスごと裸足になってのムカデ競走は、負けちゃったけど、みんなと一緒に大きな青い空の下で笑ったり、おやつを食べたり···
帰りのバスでは、みんなでお昼寝。
楽しい遠足は、おうちに続いても終わりませんでした。
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なまえ/マコト
ぞくせい/勇者
せいべつ/おとこ
レベル/1
ちから/7
すばやさ/10
たいりょく/10
かしこさ/5
うんのよさ/7
さいだいHP/3
さいだいMP/3
こうげき/8
しゅび/6
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『ま、こんなもんね』
『でも、どんな子?』
『見た感じ弱いかも? クスッ』
『俺に勝とうなんて、百万年はえーし!』
クックックッ···ハッハッハッ···アーッハッハッ···
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ブルッ···
「おかぁさーん、おしっこーっ!」