第七部 登場人物・用語
読む上で必要なことは、作中で説明しています。
この項は世界観の補完や、あのキャラ誰だっけ? というのを簡易に振り返る為のものです。
読まなくても問題ありませんので、飛ばして頂いても構わないです。
以前のモノと重複箇所があるかも知れません。
※先に読むとネタバレの可能性あり。適時更新予定。砕けた文章もあるのでご注意ください。
キャラは概ね登場順に記載。
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◆ベイリル・モーガニト
本作の主人公、黒灰銀の髪と碧眼を持つハーフエルフの天空魔導士。
鍛え上げた身体能力と研ぎ澄ませた強化感覚と、魔術・魔導を使い分ける。
100年近い昏睡を経て多くを失い、さらに数百年と掛けて歴史を歩んだ。
そして後悔と渇望の果てに魔法"第三視点"へと至り、新たな未来を紡ぐ為に一歩を踏み出した。
◆ヤナギ
魔族と吸血種のハーフであるダークヴァンパイア。ベイリルが昏睡していた100年の間に、少女は大人へと成長していた。
ベイリルと契約魔術を結んでいた元孤児は、"烈風連"を率いて各地で多大なる功績を挙げ続け、父であり主人の目覚めを待っていた。
その後もアッシュと共に誰よりも長くベイリルと共に生き続けた。
◆灰竜アッシュ
立派に成長し、ヤナギと共に多くの戦場の空を駆けた、白と黒の子供。
赤竜のように竜のまま人語は話せないが、解すことはできている。"人化の秘法"は使えない。
◆サルヴァ
"紫竜の加護"を得た元神族の定向進化魔族の男性。
100年後でも科学研究者、医療従事者、相談役など様々な顔で財団に務めている。
◆オックス
学苑は魔術部魔術学科時代の旧友でのクラゲ族の男。
内海の民の"海帝"であり、現在は財団内で要職に就いている。
◆スィリクス
学苑の元自治会長にして、神族とエルフの間に生まれたハイエルフ。
ベイリルが昏睡している間も立派にモーガニト領を治めつつ、財団の為に身を粉にして働いていた。
結果的に、最も古き友となった。
◆プラタ・インメル
サイジック領の当主であった人族の少女は、老齢となっても財団の中心で組織を支え続けた。
多くの人間と関わり、そしてその多くを看取ってきた。
◆レド・プラマバ
新たに"美食魔王"の二つ名を轟かせる、魔導"存在の足し引き"でもって自らの寿命を延ばした魔族の女。
いささか華奢にも見えた小柄な体躯も、魔王らしく豊満かつ妖艶にしてみせ、誰に対しても遠慮なく本音をぶつける。
その忌憚のなさによってベイリルは少なくなく救われた。
◆エイル・ゴウン
かつて魔神と呼ばれた神器にして、大監獄に封印されていた"傀儡"の魔導師。100年後も健在で、財団に貢献し様々なと実績を残した。
彼女の機転によってフラウは一時的に蘇生することができ、昏睡から目覚めたベイリルへの多大な恩返しをした。
◆フラウ
ベイリルの幼馴染にして、英傑として名を挙げた重力魔導師の半人半吸血種。
ベイリルが消息不明となって以降、探索の為に世界中を巡って様々なトラブルを解決していく内に、実力と名声を得た。
魔力を常に体内の隅々まで循環させ続けることで貯蓄量を超幅に増やす魔力並列循環を使い過ぎて、早くに寿命を迎えることとなってしまった。
最期はエイルの魔導によってわずかな時間だけ蘇り、再会を果たしたベイリルの胸の中で死去した。
◆ロスタン
帝国王族レーヴェンタールの落とし子らしい黒髪の男。
かつては"断絶壁"でチンピラ幹部をやっていた暴れん坊だったが、財団の研究職にまで就くようになった。
◆クラウミア
目覚める前に血文字によって殺されてしまい、その顔を見ることもできなかったベイリルとハルミアの娘。
◆イェレナ・アルトマー
共和国の大商人エルメル・アルトマーの孫娘にして、代々継がれたアンブラティ結社の"幇助家"。
魔法具"深き鉄の白冠"によって不老不死に近い肉体を得て、本来の寿命を越えて生き延びていた。
財団の壊滅に手を貸し、最期は魔法具をベイリルへと預けた。
◆血文字
地球よりの転生者にして殺人鬼。ハルミアと娘クラウミアを含めた多くの仇でもあった。
魔法具"変成の鎧"であらゆる生物に変身し、"透過"の魔導であらゆる場所をすり抜ける凶人。
最期はベイリルの手によって、太陽へと叩き込まれ完全消滅した。
◆"烈風連"ヤマブキ、ユスラ
ヤナギが首領を務める、ベイリル直下の子飼い部隊"烈風連"の一員。
◆青竜ブリース
魔領に住まう、氷雪を司りし七色竜の一柱。かつて一人の魔族に加護を与えて、裏切られてからは隠居生活に入っている。
氷の彫像などを作る芸術肌であり、ベイリルと出会ってからはちょくちょく人間社会とも関わっていた。
他の竜と同じく圧倒的な出力でもって、当たり前のように絶対零度すらも扱う。
◆"生命研究所"
かつて"女王屍"と読んだ寄生体キマイラの、クローン体。
魔獣の苗床を利用して世界中にクローンを作り、研究の行きつく果てに世界を終末に導かねないほど危険な存在となった。
最終的に何百年と掛かってベイリルらにしらみ潰しに殲滅された。
◆"運び屋"フェナス
結社員にしてベイリルの実姉。生命研究所の初期実験体でもあり、暴走の果てにベイリルの手によって眠りについた。
◆"亡霊"
アンブラティ結社の創始者にして首魁。生物・無生物を問わず命を与える魔王具"命脈の指環"そのものが、自らに命を与えられた存在。
大魔技師の手によって命を得て、神域の聖女の遺体を乗っ取ることで肉体を得た。以降も定期的に器を入れ替える必要がある。
最期には人類の競争と発展の望みをベイリルに託し、魔王具もろとも破壊されて死亡した。
◆"仲介人"
亡霊が乗っ取った神域の聖女の肉体を、魔王具"遍在の耳飾り"によって遍在した存在。
仲介人は自らの遍在同体を作り出し、耳飾りの片一方を渡してバックアップとし、さらに劣化遍在を使って己自身を使った情報網を構築していた。
情報に触れすぎて変質し、元である亡霊とは違う思想を持つようになり、アンブラティ結社を実効支配して利用し始め、最期は亡霊に手引きされた血文字に殺された。
◆大魔技師
転生者にして芸術家の偉人。
ベイリルが"文明回華"をするにあたって、度量衡をはじめとした地盤を固め、先んじて革命を起こした先人。
◆"神域の聖女"
魔法具"命脈の指環"と同調し、回復や蘇生といった奇跡を成した、準神器級の魔力を持つ女性。
◆"竜越貴人"アイトエル
魔空にアクセスする魔導を習得した英傑。神話の時代に獣の王である"頂竜"の血を分け与えられ、唯一生き残った適合体。
自身の魔力を最大限に通す竜血を固めて武具にし、年季を経てなお躍動する肉体は世界有数の強度を誇る。
第三視点によってベイリルの導き手となって、世界を見守った。
◆"無二たる"カエジウス
ワームを討伐し英傑となり、何百年とワーム迷宮を改築・運営し続けている"簒奪"の魔導師。
魔法具"虹の染色"と"切なる呼声"を保有していた。
◆"黄竜"イェーリッツ
ワーム迷宮の最下層にてラスボスの役割を与えられた、雷霆を司りし七色竜の一柱。
実のところカエジウスとの仲はそれほど悪くもなく、ダンジョンの主も板について気に入り始めていた。
◆"Blue Whisper / Blick Winkel
第三視点と呼ばれる四次元存在にして、ベイリルが様々な障害をクリアして発現させた"魔法"であり本人。
縦・横・高さの三次元よりさらに上──時間軸を移動することで、連続した空間を観測することができる。
結果として時間遡行ができるが、アイトエルという被憑依体がいないと干渉することはできない。
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■魔蟲ウツルカ
腐敗と汚染を撒き散らす、十六ツ足の醜悪な巨大蜘蛛。本物は魔領にて既に討伐されており、死体が周辺を汚染していた。
血文字が魔王具"変成の鎧"を使用して変身した。
■ワーム
"翼なき竜"と言われた極大災害の一つ、惑星から惑星を渡って星を喰う寄生獣。
休眠と暴食を繰り返し際限なく巨大化し続け、産まれた幼体は宇宙へと放出される。
母星のワームはカエジウスの手によって葬られてダンジョンに。片割れ星のワームはアイトエルとベイリルによって跡形も無く滅却された。
■海魔獣オルアテク
大陸と極東とを挟む海域に棲息する、イカのような巨大タコ。
他の海域にも出没し、海にも魔物・魔獣は数いれど"海魔獣"と言ったら真っ先に頭に浮かべられるのはコイツだけ。
さながら無人島のように構築された外皮で擬態もおこない、深海から急浮上して無数の触手が生えた101本の足+7本の巨大触腕で差別なく沈めて食す。
大きさは2kmを越え、巨大化し続ける原因は、魔王具"無限抱擁"の増幅器を飲み込んだ為であった。
相手の行動を看破し対応する頭脳、さらに他生物の動きを真似たり、透明にもなれるステルス能力、毒墨に発光器官まで備えている。
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◆烈風連
ベイリルが選別し鍛え上げた24人の孤児からなる、子飼いの武力集団。ヤナギが筆頭の首領。
二十四番花信風の名をそれぞれ与えられ、3人一組、8色の専門部隊。
無手を基本信条として、どこにでも潜入可能な総合力を持ち、TEK装備の試験・運用などもおこなう。
■TEK装備
TEK装備。魔導科学に連なる騎士の為に、最先端技術の粋を凝らした装備。
技術的にも秘匿性が高いもので、極一部の選ばれた人間だけが使用できる。"烈風連"もTEK装備に身を固めている。
■HiTEK装備
ハイテクノロジーエンチャントナイト装備。TEK装備をリーティア、ゼノ、ティータが魔改造を施したもの。
個々人の特性に合わせた専用装備であり、12の設計、8の製作が成されたピーキーな逸品。
ベイリル用の真・特効兵装、ヤナギが使う複製永劫魔刃などが該当する。
●応急活性魔薬
スライムカプセルをさらに進化させ、血中へと注入する形を取ったもの。
赤の"活性"、青の"治癒"、黄の"栄養"、緑の"仙薬"、紫の"病毒"、白の"中和"、黒の"魔力"と七色の効用を持つ。
★魔導"存在の足し引き"
自分の能力をパラメータとして見立てることで、自由に足したり引いたりするレド・プラマバの魔導。
それは寿命も例外ではなく、レドは不老を実現させていた。
★"死者傀儡"の魔導
エイル・ゴウンが使う、死者を自在に操れる魔導。
本来は死した息子ともう一度会いたいという渇望からきたもので、肉親のみという限定的なものだった。
しかし長年の研鑽で、死者であれば他人であっても操ることが可能となった。
★魔方刻印
魔術刻印と魔術方陣、さらに数学的な論理式をリーティア流に組み合わせ、アレンジ強化したものに調整を重ねた新規格。
これまでのものとは比較にならないほど強力ではあるが、現在のところリーティアしか使いこなせていない。
★異世界転生
地球から何らかの情報体エネルギーという形で流出・漂流したものが、生命の肉体へと流入・定着してしまう現象。
その法則性は判然とせず、また転生として成立する為には胎児という形を取る必要があり、精神のみの転移者は確認されていない。
宿った際に母体にも負担が掛かる為、出産時ないし妊娠中にも情報流入負荷により死亡する危険性が非常に高い為に転生者は珍しい。
★魔法"第三視点"
2つの眼で捉える三次元の世界から、3つの眼によって四次元の世界へと到達する魔法。
四次元は時間軸を移動することで三次元を俯瞰することができ、時空移動と肉体を借り受けての歴史改変を可能とする。
未知なる"未来を視たい"という渇望。"白竜の加護"による光輝と自身の速度を加えて、光速を超えることで因果を逆転させて過去へと赴く。
発動の為にはいくつもの要素、そして介入の為に憑依する器が必要だったが、ベイリルは全ての条件を満たすことができた。
★黒色の魔力
魔力を色として捉えた場合に、特定の能力を持っている者には黒く視えるので便宜的にそう呼ばれる。
黒竜が備えていた魔力でもあり、枯渇という魔力災禍があってなお"大空隙"の底にて澱のように濃縮・残留していた。
それをベイリルは各種魔王具を用いて、不死身となって苦痛のサイクルを繰り返し、魔法を発動させるための魔力を変換・貯留した。




