第一部 登場人物・用語
適宜更新予定。
読む上で必要なことは、作中で説明しています。
この項は世界観の補完や、あのキャラ誰だっけ? というのを簡易に振り返る為のものです。
読まなくても問題ありませんので、飛ばして頂いても構いません。
※先に読むとネタバレの可能性。また砕けた文章もあるのでご注意ください。
◆ベイリル
本作の主人公、帝国出身。黒灰銀の髪と碧眼のハーフエルフ。現代日本からの転生者。
空属魔術とその派生、地球の創作作品から着想を得た技を使う。
長命種なのをいいことに、現代知識を利用して異世界で『Civilization』しようとする。
なるべく冷静でいようとはするが、楽観主義的で割とテンション任せに行動しがち。
◆フラウ・リーネ
青みがかった銀髪をサイドテールに、紫の瞳と片犬歯が特徴的なハーフヴァンパイアの幼馴染。
親同士が仲良く、ベイリルとは赤ん坊の頃からの付き合いで色々と影響を受けた。母の名前はフルオラ・リーネ。
◆ラディーア
暗い桃色髪でそばかすの残る鬼人族の少女。
ベイリル、フラウと絡むようになり、少しだけ心を開くようになっていった。
◆スィリクス
ハイエルフと呼ばれる、神族とエルフのハイブリッド。種族としては不老で能力も高い。
夢を抱いてガキ大将から始めようとしていたが、早々に挫折を味わってしまった。
◆ヴェリリア
主人公ベイリルの母、金髪碧眼の純粋なエルフ種。
◆仮面の男
故郷を焼いた一人と思しき男。
◆ジェーン
育ちの姉、皇国出身。薄藍色の長髪と銀目を持つ人間。水属魔術を使う、氷派生が得意。
みんなのお姉ちゃん、歌ったり踊ったりするのが好き。誠実で融通が利かない部分がある。
人当たりがよく分け隔てないが、一定の親密ラインを無遠慮に踏み越えていくのは得意ではない。
◆ヘリオ
肉体年齢的には育ちの兄、連邦東部出身。白髪に赤メッシュ、薄紅の瞳の鬼人族。火属魔術を使う。
歌うのが大好き。粗暴さが目立つが、大概のことは器用にこなす。
戦闘狂な一面も持っていて、短絡的な部分がある。
◆リーティア
育ちの妹、出身不明。長い金髪と鮮やかな赤色の眼な狐人族。地属魔術を使う。
天真爛漫、現代知識をほどよく吸収し応用する想像力がある。
年上はおおむね兄や姉呼びするが、ヘリオには呼び捨て。
◆セイマール
イアモン宗道団の先生、魔術具の制作・使用に関してはかなりの熟達していた。死亡。
◆アーセン
イアモン宗道団の信徒、セイマールに育てられた1期生で、潜入任務などをこなす。居所不明。
◆道士
イアモン宗道団の教祖、下半身が元気な爺さんで信仰心は本物だった。死亡。
◆ゲイル・オーラム
金髪七三なおっさん、35歳くらい。連邦東部出身。完璧超人な部分があり、世に飽いていたが現代知識に触れてやる気だす。強い。
◆クロアーネ
茶髪の犬耳従者。王国出身、ちょっと年上。工作員として過酷に育てられた過去を持つ。
◆生贄の少女
助けられた後は、とりあえずゲイルのところに預けられる。
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■魔術
ファンタジーおなじみな物理的な現象を引き起こす能力。
初代魔王が体系化した魔力とイメージを認識し発露させる万能の力とされている。
実のところ知的生命体ならほぼ誰もが使えるが、適性の差があるので実際には1~2割ほどに留まる。
日常用の魔術具が多く存在している為、個人で覚える必要がないことも多く、生活に不自由はない。
せっかく自転車があるのにわざわざ持久力鍛えてマラソンする必要ない、みたいな認識。
また適性と練度が中途半端な魔術を使うくらいなら、魔力強化した肉体の方が強いことも多い。
主人公は現代知識によって一定のプロセスを無視することができたり、違う想像から似たような現象を実現できる。
しかし同時に知識が阻害して、自由な想像を妨げる場合もあり一長一短である。
使う者は魔術士と呼ばれる。
■魔導
魔術の凄いバージョン。魔術が物理的な現象であれば、魔導は超常的な現象を起こす。
必要な魔力消費も多く適性はさらに限られ、固有能力と言えるほど昇華されたもの。
その強固な想像の為に、魔導は一人につき一つしか使えない。下手すると普通の魔術が使えなくなってしまうほどの異能。
使う者は魔導師と呼ばれる。
■魔法
魔力に由来する現象効果の原型にして拡大解釈した全能に近い力。現実と妄想の区別がつかない想像力で世界の法則を無視・改変する。
大昔はありふれていたが、現在ではほぼほぼ失伝している。
使う者は魔法使と呼ばれた。
■魔術具 / 魔導具 / 魔法具
魔術を道具として扱えるようにしたもの。魔術が使えない人間でも魔力を込めて使える。
例外なく消耗品であり、どんなに高性能な魔術具でも耐久には必ず限界がくる。
魔導並の能力を持つ物は魔導具と呼ばれ、その上には魔法具も存在している。
使い手の少なさと作製難度が非常に高い為、実数としては魔導具も魔法具も極端に少ない。
■魔鋼
一定の割合で魔力を均一に混ぜ込むことで、魔力を通いやすいよう作られた鋼。
製法は色々あり、鉄が素材としては最もポピュラー。
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●人族
世界人口の大半を占めている人間さん。弱者ゆえの社会性と数の暴力と潜在性を秘めている。
神族が魔力を枯渇していった結果、人族と呼ばれるようになった。
現在では魔力も戻りつつあり、相対的に魔力が少ないというだけで魔術も普通に使える。
何の特筆もないからこそ貪欲であり、想像力にも拍車をかける。
長い年月の中で、今ではあらゆる種族の中と比しても単一で強い個体が増えてきている。
●エルフ種 / ヴァンパイア種
魔力枯渇に見舞われた神族の中から、魔力を抱擁するように循環させることで留めた種族。
不老ではないが長い寿命と高い魔力特性、美容代謝のおかげで平均的に見目麗しい。
良いことづくめなので種族単位で嫉妬されがち。一方で繁殖力が低い傾向にあり、数も少ないのが欠点。
人族との子がハーフエルフ、神族との子がハイエルフ、魔族との子はダークエルフと呼ばれる。
ヴァンパイアは魔力暴走中に同じように進化した種族であり、見た目は違うが近い種族。
●神族
ほぼ全ての人型種の起源となる種族。端的に言うと、魔法が使えるくらい魔力のある人間。
膨大な魔力はその肉体を不老にし、魔力によって活性された肉体も強靭。繁殖力も高い。
力が衰えていても単一では最強種族であるが、魔力の枯渇や暴走という爆弾を常に抱えている。
●獣人種
神族から派生し、特定の進化に見舞われた獣人種。
人族以外だと、魔族に次いで獣人が多い、種類もいっぱいいる。
獣人は獣と交尾したわけではなく、単に憧れや自然に適応しようとした結果、魔力と想像力でそういう見た目と特性を得ただけ。
虎のように強くなりたいと思ったら、猫耳と尻尾が生えて毛深くなり筋肉が増えた。
鳥のように空を飛びたいから、翼をくださいと願ってたら……背中から羽毛が生えた。そんな感じ。
身体的特徴は遺伝するが、必ずしも発現するわけではない。多産ではなく、あくまで人間と一緒。
直接の両親ではなく、祖父母などの特徴が隔世遺伝として出る場合もある。
●鬼人族
神族から暴走を経て派生した亜人種の一系統。魔力なしでも素の筋力が非常に強い。
ヴァンパイアが魔力に特化した存在なら、鬼は魔力へと素の肉体へと振った存在。
男は1本、女は2本の角があるのが特徴。
●馬
動物も普通にいる、魔力のせいか地球のそれよりも平均して能力が高い。
●陸竜
でかいトカゲ、荷馬車ならぬ荷竜車として使われることもある。
●竜種
大昔の神話の時代に大陸全土を支配していた、地上最強だった種族。
大半は神族の魔法によって駆逐され、また竜の王たる頂竜ともども何処かへと消え去ったという。
しかし残されたドラゴンが存在し、魔法も失われた現在では種族単位で見ると上位種に属する。
さらに一部残る強力な純血種は、地上最強に数えられるような個体。
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▲神王教
歴代で4人存在する神族の王を信仰する宗教。初代神王ケイルヴ本人が創ったもの。
他の人族などは、神王だけでなく神族という種そのものを信仰の対象にする場合もある。
各代の神王ごとに派閥が分かれていて、同じ神王教でも過激派同士で衝突することもある。
ケイルヴ派──竜の時代より誰よりも長く座についていた初代神王、規律を司る。
グラーフ派──世界の安定期にをふるった二代神王、創造・調和・秩序を重んじる。
ディアマ派──最も短命だが最も苛烈な三代神王、戦争を象徴する。
フーラー派──滅多に姿を見せない第四代の現神王、自然の成り行きを旨とする。
▲魔王崇拝
神王に倣って自らを魔王と名乗り、現在の魔術体系を確立させた存在と思想に対する宗教。
魔王そのものというよりは、魔術・魔導・魔法と、魔力に対する探究・信仰も多分に含まれる。むしろそっちのが多い。
魔術士が非魔術士を支配・管理すべきという過激な差別思想もある。
▲竜教団
叡智ある獣の王。遥か昔に神族に敗れ、多く姿を消したドラゴンを奉る宗教。
数少ない竜種は超自然的・超神秘的な存在として、力の具現そのものとして信仰される。
▲イアモン宗道団
ベイリル達が買われた、神王教ディアマ派閥の急進的なカルト宗教団体。
教義を"道"と称し、教祖である道士の下に教徒である道員で構成されている。
魔法具"永劫魔剣"を象徴として崇め奉り、その修復と利用を目的としていた。
連邦西部を拠点とし、本部の規模は小さいながら工作員は相当数存在したが、ベイリルに潰されてしまった。




