表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/33

八:聖女と学校


(聖女様は闘神……。だが、まさかこれほどまでに酷いとは……)


 髭モジャの目は、これまでで一番優しいものだった。


(いやいや、私は何をそこまで高望みしていたのか……。相手は知能が最低のFランク……。『算式』というものを理解できるだけでも儲けもの……っ!)


 髭は何も言わなかった。

 ただただ無言で頷いていた。


(それに……一応学習意欲は人並みにあられる模様……。ここは適度におだて、今後の伸びに期待するしかありませんな……)


 そうして長い長い沈黙を守り続けた髭は、ついに口を開いた。


「いや、見事な点数でございます! さすがは聖女様!」


「ほ、本当ですかっ!? 何点でした!?」


「はい! これならばどこの学校であろうと入学できることでしょう! 他のテストについてももうこれ以上は必要ありません!」


「や、やったっ! それじゃユフィと同じ学校に行きたいです! あと、何点だったか教えてくれませんか!?」


「もちろん、陛下と同じ学校でございますとも! それにしても、さすがは聖女様! 素晴らしい回答でございました!」


 結局、髭モジャはテストの結果を教えてくれることは無かった。


 でも、多分あの手応えからして、そこまで酷いものじゃなかったはず。


「とにかく、これでユフィと一緒に学校に行けるね!」


「はい、ティアと一緒ならばとても心強いです」


 二人で手を取っていると髭モジャが戸棚から一枚の紙を取り出し、サラサラと何かを書き始めた。


「ふむ……それでは私は急ぎ制服の手配をして参ります。聖サンタクルス女学院の説明は、陛下にお任せしても問題ないでしょうか?」


「はい、大丈夫です」


「では、私はこれにて失礼いたします」


 そう言って髭モジャは足早にどこかへと行ってしまった。


(そう言えば……ここに来てから、髭モジャが休んでいるところを一度も見たことがない気がする)


 髭はいつも忙しそうにあちこちを行き来しており、いろんな人に指示を出していた。


(やっぱりアレだけ立派な髭を持っているだけあって、凄い人なんだなぁ。……危ない人ではあるけど)


 私は心の中で髭モジャへの評価を少しだけ高めた。



 その数日後。

 私は今日届いたばかりの制服に身を包んでいた。


「うん、サイズもばっちりですね! とっても似合っていますよ、ティア!」


「あ、ありがと……っ」


 私は気恥しい思いをしながら、控え目にお礼を言った。

 友達に服を褒められるのは……お父さんやお母さんに褒められるのと違ってかなり照れ臭かった。


(それにしても……凄く高そうだなぁ)


 聖サンタクルス女学院の制服はまさに純白。

 施された刺繍はまるで芸術品のように美しく、糸のほつれ一つない。


 ちなみに私だけでなく、ユフィも制服に着替えている。


 何といっても今日は、聖サンタクルス女学院の入学式なのだ。


※次回更新:1月18日(金)お昼12時!


15000ポイントまであと少し! ありがとうございます!


※読者のみなさまへ


作者のモチベーションが跳ね上がりますので

『面白いかも!』

『続き期待!』

『陰ながら応援してるよ!』

と思われた方は、ぜひ下のポイント評価からポイントを評価をお願いいたします!


読了報告代わりにもなって、ちゃんと読んでくれてる人がいるんだ……っ!

と、作者のやる気も跳ね上がりますので、ぜひぜひお願いしますっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ