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相棒はハムスターの錬金術師  作者: tanuki
8/15

8・旅立

いつもの日常が戻ってきた私たちは何時もの広場の隅で屋台を出している。ギルドの報奨金は意外と高く白金貨1枚、今回参加した冒険者全員だと相当な金額になるはずだギルドは大丈夫だろうか、解体費用とポーション代で白金貨1枚と金貨3枚もらった、エメリオの遺産とか薬の代金で、しばらく働かなくてもいいかと思ったが、エルフの寿命は長くいずれ貯金も無くなるかもしれないと思うと屋台を休むわけにはいかない。

「そうかソフィアのお母さんはシルフィリアさんて言うのか」

「ん、とても優しい」

「おう!母ちゃんも錬金術師だろ使い魔はどんなやつだった?」

「リベル、リスの使い魔、いつも一緒に遊んだ」

そうかラスクと母親の使い魔を重ねているからラスクのそばを離れないんだな。

それにしてもソフィアの成長は早い、もうラスク型のゴ-レムを作って遊んでいる。

「今度は、リベルを作ってごらん」

「ん、作る!」

ソフィアはそう言うと土のラスクを元の土に戻した、そしてリベルを作ろうとするので、あわてて

「ソフィア、それは壊れないように、これで作ってごらん」

そう言ってステンレスの塊を出した

「それで作れば壊れないし何時でも遊べるよ」

ソフィアの魔力では長い時間は無理かもしれないが少しは動かせるだろう

「ん、わかった」

コクンと頷くと魔力を流し始めるやがて地面に魔方陣が広がり光りだす、ステンレスが地面に吸い込まれ一層魔法陣の光が強くなると銀色のリスがせり出してきた

「へぇ、可愛い使い魔だな」

「ああ!可愛いな、俺はかっこいいけどな」

ラスクがゴーレムと張り合っている。

「ん、可愛い、ラスクもかっこいい」

そんなほのぼのした一日だった。


しばらくして冒険者ギルドに呼ばれた、ギルドに入るとすぐにサクヤさんが話しかけてきた。

「こんにちはユートさん、お呼びたてしてすみません」

「こんにちはサクヤさん、どうかしましたか?」

冒険者登録したのに、ぜんぜん依頼を受けていないので、怒られると思っていると。

「この間の大規模氾濫討伐の功労者として、ユートさんが国から、叙勲されることになりまして」

いらねーーーー、純日本人としての性格でとても目立ちたくないし、何よりめんどくさそうだ。

「あのー、こと「断れません」わ・・・」

かぶせられた

「国からの叙勲を断る人はいません」

「なぜ、私なのでしょうか?冒険者ランクも一番下で依頼も一度も受けていないのに」

「今回の討伐でユートさんはDランクに上がりました、2階級とびは滅多に無いんですよ」

いやいや私は冒険者にはなりませんから、討伐参加する為に仮ですから。

「いや、私、屋台が有るので」

「いえ、決定事項です、身分証を出してください」

「おお!いいじゃないか、ただで上げてくれるんだぜ」

ラスク、余計なことを言うんじゃありません。

逃さないぞと言う目力を込めてサクヤさんが手を出している。

「はぁ、身分証です」

目にも留まらない速さで受け取ると残像を残して奥へと引っ込んでいった。

「はい、これでユートさんはDランクですこれからも頑張って下さい」

いや無理矢理なんですけど

「それでユートさんには王都に向かって欲しいんです」

「え、王都ですか?」

いきなり王都って、いや、何時かは行こうと思っていたけど

「お!王都かいいね、他の使い魔にあえるかな?」

「ええ、王都には錬金術師が集まっていますから、それでギルドから護衛を付けられますが、どうしましょう」

いやあのキャンピングカーで行くから

「護衛はいりません、王都までの旅費なんかはどうしたら」

「それは国が支払ってくれるはずです、では出発の前に一度お立ち寄りください」


半分あきらめた私は王都行きの準備をはじめた。

「リッツさん、こんにちは」

「こんにちはユートさん、今日はどうされました」

まずは商業ギルドにやってきた

「ええ、実は王都に向かうことになりまして」

「王都ですか、ではしばらくお戻りになられませんね」

そう、この辺境の町から王都まで馬車で二十日から二十五日かかる往復になると2ヶ月弱になる。

「ええ、屋台も順調なってきまして、それで薬をある程度、卸して行こうと思います、それと借地の解約をお願いします」

「わかりました、それでは薬をギルドで買取いたしまして、町の薬屋に委託販売してもらいましょう」

ある程度、顔なじみも増えて、よく出る薬も解ってきた、劣化ポーション、風邪薬、腰痛の薬、肌荒れの薬、あと意外とよく出るのが水虫の薬だ、それらを卸してギルドを後にした。

「後は、市場や薬屋で食料と薬の素材を仕入れていくか」

「おう!香辛料も買っとかないとな」

市場で買い物をして孤児院に向かった

「ミュー先生、こんにちは」

孤児院に入るとソフィアがトテトテ駆けてきてラスクを抱える、そして子供たちが一斉にラスクに群がる。

「よう!ちびたち元気か」

子供たちをラスクにまかせ、先生に王都行きの話をする。

「そうですか叙勲ですかすごいですね」

「いえ本当は要らないんですけど、半分強制で、それで旅にソフィアを連れて行こうかと思いまして」

「そうですねぇ、ソフィアも懐いておりますし、本人に確認してみましょう」

ラスクと遊ぶソフィアを呼んでみる

「ソフィア、私たちはこれから王都に向かう、一緒にくるかい?」

王都に向かうの所で一瞬固まったが一緒にの所で復活したソフィアが笑みを浮かべ頷いている

「ん、行く」

すると子供たちが

「おうと?」「遠い?」「おれも行く」「いいなぁ」

「はいはい、みんな静かに」

その日は夕食でソフィアのお別れ会をしてソフィアを連れ孤児院を後にした。

翌朝、朝練を終えた私たちは冒険者ギルドへと向かった。

「おはようございます、サクヤさん、今日、王都に出発します」

少し諦めた雰囲気を醸し出しながらサクヤさんに声をかけた

「おはようございますユートさん、それでは冒険者移動の手続きをしますので、身分証をお願いします」

素直にカードを渡すと横の木の箱にカードを差し込んだ

「はい、これで完了です、王都に到着したら冒険者ギルドで到着の報告をお願いします、そうすれば国から使者が派遣されますので」

「わかりました、それじゃ行って来ます。」


町の外で早速キャンピングカーを出し土の馬ゴーレムをつなぐ、馬ゴーレムの上にラスクのメタルゴーレムを乗せ、私たちは運転席へと乗り込んだ。

運転席には私、助手席にソフィア、ソフィアのひざの上にラスクという配置だ。

途中ソフィアは暇になったのか、後部のソファーに移動して、リス型のリベルゴーレムで遊んでいる。

「ラスク、魔獣だ」

大きなワイルドボアだ猪のような魔獣で足も速い厄介なやつだ。

「氾濫で打ち洩らしたやつがまだ多いな、ラスクたのむ」

「OK!行け旋風」

どうやら赤い旋風と言う渾名は気に入ったようだ、あっという間にかたずけた。

その後もう一度襲われたが私が気づく前にラスクがかたずけていた。

「今日はここまでにしよう」

ヘッドライトを点けないと見づらくなってきたのでここで野宿することにした。

馬を土に戻し簡単な衝立兼簡易柵を錬金する、柵のなかに以前作ったトイレと風呂桶を出しみんなで入浴をすませる。

「ソフィアは何が食べたい?」

「ん、はんばぐとぷりん」

以前、孤児院で出したハンバーグが気に入ったようで偶に頼んでくる、プリンはおやつに出したら一口食べて目を見開き固まったかと思ったらその後物凄い勢いでたべていた、それ以来ソフィアのお気に入りだ。

キャンピングカーのソファーで横並びで食事をした後、ソファーの前のテーブルを壁側に折畳みソファーをスライドさせればベッドの完成だ、後ろの荷台部分がすべてベッドになっている為、小柄な私とソフィアには十分すぎる広さになる。

「さあ、寝ようかおやすみ」「おう!おやすみ」「ん、おやすみ」




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