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相棒はハムスターの錬金術師  作者: tanuki
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5・孤児院


カイ達と一緒に孤児院に行くことにした私は話しながら町のはずれに向かっている。

「それにしてもユートの師匠ってあのエメリオさんだったのか、それならあの強さも納得だぜ」

カイが鼻息も荒く話しかけてきた。

エメリオがSランク冒険者だったなんてはじめて聞いたし実際は会ったことも無いんだよな、でも知識はラスクが受け継いだから弟子なのは確かなんだけど

「冒険者のSランクって凄いのかい?」

「Sランクはこの国でも10人もいない、Sランクになると一人で竜をたおせるぐらいだ凄いなんてものじゃないさ、俺たち冒険者の憧れで英雄さ」

竜なんて本で見ただけで身震いしてしまった、私には絶対無理だな、何度でも言うけど私はバーサクベアも倒せません。

「カイたちのランクは?」

秘技話題そらし。

「俺たちは一人々は一番下のFランクだ、だけどパーティーとしてはEランクだぜ」

なるほどFから順に上がっていってSが一番上なんだな

そんな話をしているとようやく孤児院についた。

「ヤッホー、みんな元気にやってる」

マーヤが開口一番みんなに声をかけると子供たちが一斉に声をかけてきた。

「あ、マーヤねーちゃん」

「ギルにーちゃん」

「カイ」

なんかカイだけ呼び捨てだったような

「おまえらカイお兄様だろ」

「えー、カイはカイだよ」

「おまえらなぁ」

「わーい」

カイが追いかけるとみんな一斉に逃げていく。その様子を見てカイたちが慕われているのがよくわかった。

「あらあら、いらっしゃいカイ、マーヤ、ギルみんな元気そうね。」

奥からシスターぽい服をきた耳の長い金髪の美しい女の人が現れた。本物のエルフさんだ。

「ミュー先生久しぶり今日は肉持ってきたぜ」

「それはご馳走ね、ところでそちらのお子さんは?」

エルフさんと目が合う

「ああ、この人はユート、ハーフエルフで子供じゃなく30才らしい」

「はじめまして優斗といいます、そしてこれが相棒の」

「ラスクだ!よろしくな、ねずみじゃなくてハムスターだ」

軽く会釈をしながらあいさつをする。

「これはご丁寧に、喋る動物という事は錬金術師ですね、はじめましてミューラトと申します皆からはミューと呼ばれています」

「うぉねずみがしゃべった」「ねずみじゃないっていってるよ」「はむすた、だって」「はむすたなんてしらね」

みんな一斉にラスクを見ている、するとシスターの後ろに隠れていた5,6才くらいの女の子がひょっこり顔をだしてジーとラスクを見ている、耳の形からこの子もエルフのようだ

「さわって見るかい?」

「いいの?」

「ああ!やさしくしてくれよな」

こくんと頷くと女の子は近寄ってきて恐る恐る手を伸ばしてきた。

「やわらかい、もふもふ」

ラスクがおとなしく女の子に抱かれると子供たちがよってきた、しばらくカイ達とラスクに任せておこう。

「えーとミュー先生、肉や毛皮があるのですが何処に出しましょうか?」

「ではこちらに来てください」

食料庫に来た私はバーサクベアの肉以外にも山小屋の周りで狩った肉を出しておいた。

毛皮を別の部屋に出しているとミューさんが

「先ほどのエルフ女の子、名前はソフィアと申します、あの子の母親がエルフで父親が人族でしたが両親同時に病にたおれ半年前に亡くなりました。あの子の母親がこの町で唯一の錬金術師でしたのであの子もその才能を受け継いでいるかもしれません、どうか少し見てもらえないでしょうか?大抵の錬金術師は王都で国に雇われていて、ここにお見えになら無いのでお願いします。もし才能があれば王都の学校に入学できるかもしれないので」

師匠と同じ時期に亡くなったのか、それにしても才能があるかどうか私にわかるかな、もしかしてラスクなら。


その日はここで夕食を摂ることにした、帰るといったらラスクと遊んでいた小さい子たちが一生懸命に引き止めたからだ、とくにソフィアはラスクから片時も離れようとしなかった。

「すみません何時もは聞き分けのいい子達なんですけど」

「ああ!かまわないぜ、優斗が小さいころも一日中一緒に遊んでたからな」

「じゃあ今日は私が錬金で料理を作りますよ」

そういってその日は私が作ることにした、このごろ魔力操作も上達してきたし、へその下の魔力の塊みたいなものも、少しだけ大きくなってきたしな、20人分位なら問題なしだ。

カイ達も一緒に食べるように誘う。

「バーサクベアの肉か少し硬いからシチューがいいぜ」

「いや私の故郷の調理法で錬金してみるよ、三人は出来た料理を盛り付けていってくれ」

「わかったわ、みんなー、席について」

ミュー先生が野菜のスープを作ってくれるので、今回はハンバーグとナポリタンにしよう。

食堂のテーブルの上に錬金で大皿を出しその上に大量のハンバーグを出す、皿をもう一枚出し今度はナポリタンを作る。

なにか飲み物と思い樽に入ったぶどうジュースを出したところでどっと疲れがでた結構魔力を使ったみたいだラスクに手伝ってもらえばよかったのだが、

子供たちがラスクを離そうとしない。

「それでは、恵みに感謝して頂きましょう」

ミュー先生がそう言うとみんな一斉に食べ始めた

「うめ!」「なんだこれ、うま」「お肉、やわらかい」「この細長いのもおいしい」「ジュース甘い、すき」

おおむね好評のようだやっぱり屋台で食事を出すのはまだ控えよう、先に調味料を広めないとな、まあ地道に行こう。

「ユートの故郷ってどこ、私そこに住むわ」

マーヤが目をきらきらさせながら尋ねて来る

「ここからものすごく遠い、海に浮かぶ小さな島国だよ、日本て言うんだ」

「聞いたことないな」

カイが答える横でギルが頷きながらナポリタンをかき込んでいる、食べるか頷くかどっちかにしろ。

食事も終わり子供たちはよく遊んでたくさん食べた為、眠くなったようで小さな寝息を立てていた。

カイ達も疲れたみたいで一緒に寝ている、まあ今日は熊に追いかけられてたから無理もないか。

「ラスクお疲れ様、ありがとう」

「ああ!問題ない昔の優斗の記憶の中でも俺とよく遊んでいたからな」

「ラスクさんありがとうございました、ソフィアのあんな嬉しそうな寝顔はここに来て半年、初めて見ましたやはり寂しいのでしょうね」

「ソフィアは何才ですか?」

エルフは見た目じゃわかりにくいので聞いてみた。

「あの子は5才です、エルフは10才ぐらいまでは人族と同じですがそこから90年ぐらいかけて人族の二十歳になりますね」

そうかまだ幼いな、同じエルフと言うことはミューさんは何さ、とそこまで考えたらなにやら身の危険を感じ考えるのをやめた。

「そ、そうですかまだ幼いですね、ところでラスク、ソフィアに錬金術の素質のある無しなんかわかるかい?」

秘技話題そらし発動。

「ああ!ソフィアは錬金術師の素質が有る、魔力の塊が体の中にあるからな」

そうかあの一円玉はやっぱり魔力の塊なんだな

「塊が無いと錬金は出来ないのかい?」

「そう!普通の人は体内を流れている魔素をエネルギーにして魔術を発動するんだけど、錬金術を使うにはその魔素が体内に巡らず塊まりになっていて自分の魔力を自在に操れることが重要だどんなに魔力の高い人でも塊じゃないと魔力に干渉できないからな」

「そうですか、やっぱりあの子には素質が、明日あの子が起きたら本人の希望を聞いてみます。錬金術師なら将来安泰ですからね」

「そうですね本人の希望が一番ですね、それじゃ宿に帰ります」

「今日はありがとうございました、いつでもいらして下さいね」



翌朝、日課の筋トレを終わらし朝食を食べ早速広場に向かった。

「もう屋台で一杯だ」

「まあ!俺たちは隅っこでいいじゃないか」

「そうだな、一番目立たない端にしよう」

奥の開いているスペースに昨日作った屋台を出し薬を並べていく、さあ開店だ。

「・」

「・」

「・」

「暇だな、誰も来ない」

「一番奥の隅だし何の店かわからないんじゃないか」

は!そうかもしれないお店といえば看板が基本じゃないか。

「そうだね、急いで看板を作るよ」

店の裏で木材を出し早速錬金する。

「これでよし」

看板を設置ししばらくするとお客さんが来た。

「ここは薬やかい?」

「はい、今日からはじめました」

「そうかい、前に町にいた錬金術師が亡くなって薬を王都から取り寄せることになったから値段が上がって大変だったんだ、腰痛に効くのはあるかい?」

そうかソフィアの両親が亡くなったためこんな影響が、そういえば商業ギルドのリッツさんも普通ポーション買い取るって言っていたな。

「これを腰に塗れば痛みがやわらぎますよ」

すすめたのは日本製塗り薬だ効果は保障済みだ。

「いくらだい」

「銀貨1枚と大銅貨5枚です」

あまり安くすると同業者に反感をかうので日本の値段を参考にした。

「それをもらうよ」

「はい、ありがとうございました」

お婆さんが行った後もちらほらお客さんが来てくれて、意外にも1本大銅貨5枚の劣化ポーションがよく売れた、どうも日本で言う置き薬代わりに一家に一本という感じらしい

「今日はここまでだな」

「おう!初日にしては上出来じゃないか」

ホクホク顔で宿へと戻っていった。

夕食を済ませ部屋でくつろぐ

「今日劣化ポーションがすごく売れたからまた作らないと、最初は劣化ポーションしか出来なくて、でもすぐに普通を作れるようになったから」

「半年間、普通ポーションばかり作てからな優斗は!」

「だって効き目の高いほうがいいと思って、薬草はまだあるかい?」

「もう少ないな!明日冒険者ギルドに依頼を出してみようぜ、カイ達も薬草採取してるって言ってたからな」

「そうだねそうしよう、じゃあ明日はギルドに行ってから屋台だね」

翌日早速冒険者ギルドへ向かう

この間のお姉さんが居たのでそこへと向かった

「あ!えーと、エメリオ様のお弟子さんたしかユートさんとラスクさん」

この前はちゃんと名乗っていないのにさすがプロだな

「はい、優斗といいますよろしくお願いします」

「私はサクヤと申します、受付の主任をやっております。本日は登録ですか?」

この人はどうしても登録させたいみたいだな、それにしても主任さんだったのか、だからカイはこの人に報告したんだな。

「いえいえ、登録はしません、今日は依頼に来ました」

「そうですか残念です、でもあきらめません!で、どのような依頼に?」

まったく、さっさとあきらめてくれ。

「薬草を入手してほしくてですね」

「薬草は常時依頼ととして常に依頼されています、ギルドで買い取ったやくそうは薬師のお店に直に卸しています屋台には卸していないですね、なので余った分や古くて廃棄する分ぐらいしか無いですね」

錬金して使うから廃棄品でもいいかな

「ラスク、廃棄品でもいいかな」

「おう!劣化に使うのなら問題ないな」

「じゃあ廃棄品を買い取ります」

「それではこの札をもって裏の倉庫受付に渡してください」

ギルドの裏に回ると大きな倉庫になっていた、受付で札を渡すと大きな麻袋を小さいおっさんが軽々と担いできた

「おう、これが廃棄品だ、袋込みで銀貨1枚だ」

安い、あの量で?

「安いですね」

「ああ、これはもう薬師には売れないから、家畜の餌か焼却処分品だ、前は錬金術師が引き取っていたんだが」

「そうですか、では、もらって行きますね」

お金を払い背負い袋にしまう

「ずいぶん入るなそのアイテム袋」

「ええ師匠の特別製です」


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[気になる点] 街に居た錬金術師が亡くなって薬を王都から取り寄せることになって薬の代金が高騰している街に薬師が居るんだ?
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