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作者: 師走

自分は、もう既に、人を殺したことがあるのではないか、と疑うことがある。

その考えに至るのに、むつかしい手順は必要としない。ただ、ぽっと思うだけである。


意識していない間に誰かに刺殺するということ。寝ている時なんかが例として分かりやすいが、無意識、という時間は案外多い。


また、人を殺した後、記憶をすっぽり手放してしまうということ。過去のことは案外覚えていないものだ。そのような内容が含まれているかも分からないだろう。


理屈をこねると、さらに間接的な殺人なんて事象も浮かび上がる。私が生きていることで、多くの水を消費していく。それは浄水場を通って来たものだろう。さらに遡ると、源流に突き当たる。コンコンと溢れる地下水は、雨から水を補給しているのだろう。雨雲。そのルートを辿れば、いつかは水不足の国にも行き着きそうなものだ。


だが、そうは思っても、まだ私は慌てない。これは、実際そのような事実は存在しない、と、どこかで思い込んでいるからなのだろうか。


では、はっきりと、肉塊の感触をその手に感じながら、それでもまだ殺人にとりつかれざるを得ない状況に陥った時、人は、どのように思うのだろうか。………






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