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竜の胎教  作者: 獅兜舞桂
4/10

* 4 *


(あ、サナさん……)

 竜国史の先生と共に母屋の書庫で資料を集め、離れに戻る途中の廊下で、モネは、サナの姿を見つけた。

 サナは、庭園への出入口手前で、ムタと何やら話している最中だった。

 サナもモネに気付き、微笑んでくれた。

 モネは、その微笑を、しっかり受け止めて胸に仕舞い、自分も少々照れつつ、そして少し切なくなりながら会釈で返して、サナとムタの前を通り、出入口から庭園へ出て、離れへ。

(本当は、ちょっとくらい話をしたいんだけど……)

 モネは、サナと、城の中で、よく会う。だが、会うだけ。お互い、誰か他の人と一緒にいたり、何かしている最中だったりして、話をするどころか、2人ともが足を止めて向かい合うことすら無い。

(…でも、今日は笑顔を見れたしっ……! )

その笑顔を励みに、離れに戻ってから、本日最後の授業である竜国史の残り時間に取り組んだ。


 竜国でのモネの毎日は、朝、起床し、着替え、朝食を食べ、午前中は平均3つの授業を受け、昼食を挟んで、午後は平均2つの授業。その後、夕食を食べてから風呂を済ませ、疲れきって眠る、の繰り返し。

 自由に過ごす時間が全く無いがための錯覚であると、モネ自身気付いているが、そのほうが楽なため、気付いていないことにして、竜国での生活に、すっかり慣れた気分で、モネは、日々を過ごしている。


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