神様の正体
触らぬ神に祟りなし、という言葉がある。
俺は、その言葉意味を身を以て知ることになった。
誰が想像出来ただろうか。
神様が、現役女子高校生だと。
お陰で「神係り」である俺はこの春高校を卒業したばかりなのに、もう一度高校に入り直すことになった。
まさに、触らぬ神に祟りなし。
「ユメミ」
「はふっ!?いきなり呼び捨てですか!?ハードル高すぎです!桜ちゃん!」
こいつ、いきなり地雷を踏みぬきあがった。
"さくらちゃん"
俺の最も嫌いな呼び名だ。
「俺をその名で呼ぶな!」
「ひゃぁっ、じゃあなんて呼べばいいんですか!?」
彼女は飛び上がった。
ここは街中。人目が突き刺さった。マジか。
自分の顔はどっちかというとキツイ顔に分類されるらしく、注目を集めていた。
俺と彼女と間に身長差がある事も誤解を加速させているようだ。
「・・・・・何でもいい、それ以外なら」
「・・・・・じゃあ、先輩で!」
「・・・・・先輩って何だ」
俺たちは、同じ高校でクラスメイトだ。おかげさまで。
だいたい同級生同士で先輩呼びは、どうなのか。
どう見ても、高校一年生には見えない俺に対する嫌がらせか何かか。
「まぁ、いいじゃないですか!先輩!」
ユメミは、笑顔で俺の背中を押した。
おいっ、話を聞いているのか!?
「さぁ、今日も一緒に、頑張りましょう!」