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カミガカリ
俺に拒否権は無い。
それは、俺が陰陽寮の「神係」に配属された時点でわかっている。
…………笑い物だ。
神を憎んでいる俺が、神である現人神の面倒をみる事になるなんて。
少女の差し出した手を無視し、俺は反対側へと歩く。
「ちょっと、待ってくださいっ!!」
ーーーー言葉には意味がある、言葉には霊が宿る。
言霊は、陰陽師を縛る。しかも、それが神様の言葉だとしたら、尚更。
「あ。」
やからした、と顔に書いてあった。
気がつくと、俺はどこからか現れた縄で空中に拘束されていた。
「・・・・・」
「・・・・・・」
しまった、と少女は俺を見上げていた。
俺も少女を見返す。
『・・・・怒ってます?』
顔にそう書いてあった。
返事の代わりに、解呪の文を唱える。
空気が帯電する音。
「きゃあっ!?」
バリバリバリバリ、という音とともに、少女は地面に膝をつく。