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鬼の瞳  作者: 市
16/25

哀愁に満ちた瞳の中で

「うっ……ぐ!」


二の腕に突き刺さっていた短刀を抜き取る。取った瞬間に風が腕の中を通り抜ける感触がして、酷く痛む。


塞がっていた穴から血が吹き出す。激痛を走らせる事になるとわかりつつ、辛うじて生き残る神経を意識し、腕の筋肉にありったけの力を入れた。圧迫で一時的に流血を止める。

その間に裾を破いて、傷口をぐるぐる巻きにしてきつく結ぶ。


肩からは、もう血は流れていない。だが傷はまだ塞がっていない為、一応に此方にも再度破いた裾を巻き付けた。

母親に習った応急処置がこんな場面で役に立った事を、阿夜は感謝と同時に、悲しく思う。


よろよろと歩く。奈津の傍まで来て、膝をついて様子を確かめた。


「奈津様……、奈津様?」


肩を揺するも、返事は無い。不安になったが、耳を澄ませば小さな寝息が聞こえてくる。

いつの間にか気を失ってしまったようだ。悲哀に耐えきれなかったのだろうか。頬を触れてみれば、一筋の濡れた跡。……途端に怒りがこみ上げてきて、後ろを振り返り、閉じた瞼で睨みつけた。


――――そこには、


死んだ空間があった――――。


変な話だが、いつもの変わらぬ風景に挟まれて、間の風景が死に絶えていた。

その部分だけの、命在りしモノ全てが、それぞれに絶命していた。


彼女が視た花畑……枯れて黒ずんでいる。

彼女が視た木々……朽ちて折れている。

彼女が視た鬼……果てて倒れている。


――切狐によって憤慨した阿夜は、禁じられていた眼を開いた。

どんなに慕っていた母親の言い付けでも、友達を傷付けられた事に我慢できず破ってしまった。無意識だった。本人が一番驚いて、急ぎ瞼をきつく閉め直したのだから。

その眼に視られたモノ……即ち彼女の視界に映り込んだモノは、まだ余生が残っているのに死んだ。まるで時間を早回しにしたみたいに、独りでに尽きていった。


が。切狐は違う。

彼は時間など関係無しに、阿夜の眼を視て疑問に思った瞬間――戦慄して白目を向き、そのまま命を亡くした。

ただ視られただけの行為で、真祖を追い詰めた鬼の魂はこの世から去る。


「――……、焦げた臭い…?」


睨んでいたら、微かにそんな臭いが漂ってきた。方角は……村。

気付いた阿夜は眉を顰め、周囲の気配が安全かどうかの探りを入れた後、奈津に申し訳御座いません、と断ってから急ぎ森の中へ消えていく。










――――――――――――――。










「――――!」


驚愕して、泣くように息を呑む。もし眼が見えていたのなら、彼女は泣き崩れていた事だろう。


……燃え盛る家屋。畑。木々。バチバチと木が燃える音と、とても不快な煙の臭いが、そこら中に充満する。熱気でむせかえる程に暑い、この一帯。

……横たわる村人。男も女も子供も、皆同じく赤い水溜まりに寝そべっている。生気など、疾うに無し。


見るからに、死んだ村。

生き物の気配がする筈もなく、終末を迎えた世界を眺めるよう。思い出も想いも、喰らい尽くすかの如く炎は紅い荒波を広げていく。燃え盛るその音はまるで、消されゆく村の断末魔。


……阿夜は力無く座り込んだ。


村がどんな状態か想像もできないが、ただ一つ、殺された事がわかった。着々と消えていく――生から死へと移っていく感覚が嫌でも伝わってくる。

覚悟はしていた……けれどこんなにも辛いものだとは思わなかった。

自分の我が儘は自分で始末をつける、そう刻み込んだのに、何なのだこの様は。自分は何をやっていた自分は何ができた自分は何をしようとした。……結果は此れ、絶望だ。


あまりの無力さ、あまりの軽率さに打ちひしがれ後悔して、何も考えられなかった。ただ呆と、泪する事も叶わず、見えない世界を視つめる事しか出来なかった。


「……阿夜……さん……、」


弱々しく掠れた声に、幽鬼は反応した。呆けた表情のまま横を向くと、声の主は目の前で倒れてしまう。暫く眺めた後、鼻を動かすと、とても見知った匂いがした。あの夜に泣きじゃくった時、借りた胸と同じその――。


「久野様!!」


気を取り戻して飛び付いた。抱き寄せて、正座した太腿の上に頭を置く。その過程での手の濡れ具合から、相当の深手を負っているとわかった。


「…………申し訳御座いません……申し訳御座いません、申し訳御座いません申し訳御座いません申し訳御座いません申し訳……御座いません……っ!」


阿夜は噛み締めて謝り続けた。深く後悔する表情は酷く歪んでいた。お世辞にも、この時ばかりは美しいなどと言えない。


「――良かったぁ、無事だったんですね……」


久野は、和らいで言う。


「――――――――え」


彼女は耳を疑った。


今、彼は何と言ったのか。故郷を煉獄と成され、息も絶え絶えの怪我を負いながら、笑みなんか浮かべて何を。


「心配してたんですよ……急に居なくなるから。……村の様子がおかしかったから、ボクだけ戻ってしまったけど、ああ、よかった……」


ふぅ、なんて息を吐く。自分がどんな状態か、忘れているのではないかと思えてしまう。

それほどまでに、怪我をしているようでも彼女が生きていたとわかった彼は、安堵に満ちたいつもの微笑みを浮かべていた。まるで母の帰りに安心した幼子の様に。


……ぽろぽろ……。


彼は何故、こんな事を言う。

彼は何故、こんな事を思う。

彼は何故、こんな事を行う。

到底理解できない、できる筈もない。

どこまでも相手を考え、どこまでも他人を愛で、どこまでも自分を捨てる。そんな歪んだ思考回路、最早生き物として矛盾している。だがそれを確かに、久野という、ましてや人間なんかが持ち得ていた。


……ぽろぽろ……。


なんて滑稽で愚かな男。所詮、腐敗するしかないこの世に何を求める。

日々動乱を極めていく、日々侮蔑を究めていく、世界の終焉に向かって丹念に上り詰めようとする浮き世。穢れをわかろうとしない故に荒んでゆく人の世。……終わりなど、既に見えていると云うのに。


……ぽろぽろ……。


そんなトコロに産み落とされた身であり、さして変わった能力も才能も無い彼を蔑む事のどこが悪い。普通じゃない普通の人間を否定して何が可笑しい。

命とは二つとして存在せず、生とは己の身で守るもの。それが生き物の生きる上での心理。刻み込まれた絶対的な呪い。

生命とは脆く、かけがえ無く、失ったら同じものは永劫産まれないのだから。それを守り抜くは必然――なのに。


……ぽろぽろ……。


……久野は自分よりも相手を思いやる。……自身の尊さを見捨てて阿夜の事を気にする。


異常にも程がある。最早尽き果てるのを待つのみでしかない身体を持って、相手の無事を心から祝う。

それはやってはいけない事。それは生き物全体に対する愚弄でしかない。己の身を蔑ろにする行為は、生を貰った者としてとんでもなく間違いであり、許されるとしたら死者になってからの話。

だが今の彼はまだ生き物だ。歴として命を灯している。故に、彼の言動は異常で軽蔑に値する。それを罪とし処罰されたとしても、まず持って弁解の余地はない。


……ぽろぽろ……。


――――……なのに、なのにだ。彼を、彼の事を、罵倒できない。


彼を生き物として罪を犯している。だが、その生き様を蔑む事は出来れど、言葉で罵る事は出来ない。

何故か――そんなものは始めから決まっている。わからない者は、実物と直面でもしてしまえ。

なんて無様で不格好。なんて恐ろしく馬鹿な……けれど優しさ。誰にも真似できない、行おうとさえ思えない心思。


阿夜が涙を零すのも、仕方の無い事だった。


「……恐れながら、久野様。あなた様は……鬼で御座います……」


彼女は言う。人が人に対して放つ罵りの言葉。実在する鬼を批判する上で象って生まれた罵倒。

しかし彼女のその言葉は、意味合いが違う。


「何故それ程までも優しくするので御座いますか……。確かにその気持ちは嬉しく思います。……しかし、時として、それは暴力になる場合も御座います」


「…………」


「わかりませんか。この騒動の発端はワタクシ。ワタクシがこの村に留まったせいで、皆様を死に追いやってしまったのです。

なのに、……それなのに久野様は、こんなワタクシに向かって微笑みかける――。これでは此方の気が変になります!いっそのこと激しく罵り、殴り付けてくれた方が、幾分も楽で御座います!」


歯噛みしては嗚咽。綺麗に整った眉毛は困ったように八の字。目尻も垂れた瞼の隙間から、止め処なく涙は零れる。何故、と投げかけるような。どうして、と疑問を浮かべるような。泣き顔。


久野はぼんやりとした眼差しで、その顔を眺めていた。


「……はは。何で、阿夜さんを罵倒しなきゃ、ならないんですか……。そんな事、しませんよ……」


「――っ、まだそんな事を――!」


「だって……阿夜さんは何も、悪い事なんてしていないじゃないですか……」


微笑んで言う。ぼんやりとした眼差しで、阿夜を待たずに続ける。


「阿夜さんはただ。ボク達と畑仕事をして……、山菜を採って……、ご飯を食べて……、会話をして……、一緒に暮らしてた……だけじゃないですか」


微笑んで言う。楽しかった日々を思い起こして、とても和やかな声で辿る。


「……何が言いたいのかは、こんなボクでもわかりますよ。でも……阿夜さんは何もしちゃいない。ただ有りの儘、この村の一員として、みんなと笑い合っていた、だけ……じゃないですか……」


微笑んで言う。心から、自分の思いを告げる。彼には後悔も憎悪も、微塵もありはしない。


「ボクは楽しかったです……。あなたと過ごした日々が、とても楽しかった。あなたが傍に居て、本当に……良かった」


「――――」


涙は、止まっていた。閉じた瞼で、微笑む久野を見つめて、言葉が出なかった。


村の中で、人間みたいに人間と同じ暮らしをしていた彼女本人に、非は無い。

想像も出来ない程に絶世の美女で、目を閉じているのに生活できて、鬼の禁忌である彼女に、非など無い。


彼女はただ、みんなと暮らしていただけ。

朝起きて、働いて、食べて、遊んで、夜に眠る。……何が違う。


人と何が違う。

みんなと何が違う。

同じ事をする事の何が違う。

彼女はただ、満足していただけではないか。皆と共に生きる事に納得して、皆と共に一日を過ごしていただけではないか。


何が悪い。何が非道い。何が……許してはならない。


存在を否定しなければならないのか。――一緒なのに。

存在を抹消しなければならないのか。――一緒なのに。

死ににくい体と殺しやすい力を持つ事は重罪なのか。共に生活を送れるのに処刑なのか。

彼女が何をした?何を行った?


――――生きていただけ。


ただそれだけの、ただそうするだけの、ただの、鬼。

故に久野は、阿夜を責める事はしない。頭を過ぎりさえしない。


だって彼女は本当に悪い事などしていない。生きる事が罪な生き物など、この世に居る筈が無い。でなければ始めから、世界に生き物などいらないのだから。


「……誠に久野様は、優しいにも程が御座います」


頬に赤い筋を作って、彼女は笑った。困ったような、でもそれも仕方ないか、と言いたげな、そんな笑顔。


「ははは……ほんと、困ったものです」


一緒になって笑う。ほとほと自分に呆れているような、そんな微笑み。

その表情は次の瞬間には、血を吐いて苦しみ出す。


「久野様!」


「……ぁ……あ、阿夜さん……」


口から血を流しながら、久野は阿夜を見つめる。


「一つ、お願いしても、いいですか……?」


「はい、構いません!ワタクシに出来る事ならばなんなりと……っ!」


「……眼を、あなたの眼を、見せてくれませんか……?」


「えっ………………」


言葉に詰まる。出来る限りは二つ返事で了承する覚悟だったが、流石にこの願いには躊躇った。


「わかってます……。阿夜さんの眼が、どんなものなのかは、前に聞きました。でも、それでも、どうせ死ぬのなら、最期に一度だけでも見てみたいんです……」


「ですが……いや、それでも……!」


「お願いします、阿夜さん。こんなに綺麗なんだ……その眼はさぞかし美しいに決まってる……」


独り言みたいに、ぼんやりと呟く。普段、こんな恥ずかしい言葉を言う彼ではない。初な久野なら途端に顔を真っ赤にしてしまうだろう、しかし。

……彼に残された時間はもう少ない。口内は血まみれ、傷の痛みも薄れていく始末。変わらぬ思考をしろと言う方が、無理な話だ。


「…………嫌で、御座います」


首を振って拒否。余命すら無い友の願い、瞼を開けるだけの行為を彼女は断った。

当然だ。阿夜の眼は真祖の眼、視たものを死に至らしめる邪眼。

そんなもので久野を見てしまえば、当たり前に彼は死んでしまう。故に最期の切なる懇願だとしても、それだけは聞き入れられない。


「阿夜さん……」


「っ!?」


なのに……堅い筈の決心が揺らいでしまう。

彼の、あまりにも優しい声。まるで呪文の様な、けれどただの戯言が、何故か彼女にとって狂おしい程に何かを駆り立てる。


――花園の時と似ている。

摘み取った、甘くて安らぐ香りがする花。それを持ち帰ったならばと考え、久野の喜ぶ顔が一番に浮かんできた、あの時。

不意に、無意識に、独りでに微笑んでしまったあの時。理由は、わからない。


似ている。この願いを叶えたらどんなに喜んでくれるだろう。この願いを叶えたら彼の――……、笑顔は、どんな顔だろう?


行き着いた葛藤の原因。


見せてくれ、見てみたい。今まで言われた事の無い言葉から生まれた自身の欲求。色を知らない少女の忘れていた願望。

切狐の時は、正直に言うと自分の中では何も見ていない。と言うより、覚えていない。あまりにも怒りに頭が煮えくり返っていた為に、見たという自覚が無かった。


でも、それでも普段の彼女ならば、そんな言葉を聞いてもさして気にしなかっただろう。己に架した規律はそんなもの如きで瓦解しない――させない。邪悪な眼だと、自分が一番よくわかってるから。


だが、


「…………本当に」


彼を前にすると何故か、


「宜しいのですか……久野様……?」


願望が極限にまで高まる。見せたいではなく見たい。彼の顔がとても気になる。何故か胸の鼓動も昂る。

でも理由が、わからない。


「――はい」


……優しい、本当に優しい声。

空気を一新させる様な、どこか救われる様な声。心の淀みを取り除くみたいに、彼の声は透き通って響く。


思えば、初めて出逢った時もそうだった。

彼の何気ない、しかし純粋な提案を、全く何も考えずに受け入れてしまったあの夜。素直に甘える事を選んでしまったあの時の自分。

鬼と知った人間が、どんな行動に及ぶかは背中の切れ目がよく教えてくれたのに、何故か信じてしまったあの言葉。

とても和やかで安らぐ優しい声を思い出しながら、知らぬ間に、瞼は上がっていた。彼女の意志に関係無く、彼女の意思で。


「――――」


「……如何、で……御座いますか……?」


遅い罪悪を抱えて、今更後悔してしまう阿夜は、泣き出しそうに問う。


「――綺麗です。とても」


だが、それさえも拭い去るように、久野は思った事を口にした。


仏の様に開かれた瞼から、爛と輝く彼女の眼。人と同じ白目の中に、朱と翠が入り混じった小さな瞳。


一見して、二色の泥が螺旋を描いているよう。奥行きのある中心に向かって渦巻く、朱と翠の奇怪な瞳は、畏怖と云う形容がよく似合う。命を吸い込む地獄の窯を思わせた。

命在りし者が恐怖しない筈がない、なんて禍々しく毒々しい双眸。まるで“死”そのものに見つめられる様な嫌悪と悪寒。こんな眼を所持するならば、忌み嫌われる事が当然と言える。


未来永劫、決して好かれる事の無い邪の眼。その力を知れば尚も迫害されるそれを――久野は綺麗、と答える。

青ざめていく顔と苦しくなってくる五体に気付かず、彼は阿夜の瞳をしかと見続けた。


「本当で、御座いますか?」


「ええ。とても、そう思います……。ははっ……綺麗ですよ、阿夜さん」


血を吐いて笑う。怪我とは違う苦しみが駆け巡ろうとも、久野は笑い続ける。


「……ふふ。お恥ずかしゅう御座います。そんなに見つめられては、顔が赤くなってしまいます」


涙を流して笑う。顔など赤くはならない。そこにあるのは、悲しみで一杯の泣き顔だけだ。


「…………慕っているのかな、ボクは、貴方を……」


独り言。虚ろな瞳は、もう何も見えない。


阿夜はその言葉に対して、微笑みながら首を傾げた。

だってその言葉の意味を知らない。母親からも教わってはいない。両親の馴れ初めを聞いた事はあるが、なぜそうなるのかがわかる筈も無く。暗い洞窟の中だけで育った少女には、知る術も無かった。


「あっ、そう言えば。久野様、ワタクシ、森の中に心地良い野原を見つけたので御座います。花が一面に咲き誇っていて、それはもう美しいの一言」


「…………」


「香りもまた良いので御座います。楽園といいましょうか。落ち着いたら奈津様も連れて、またワタクシ達で………久野様?」


「…………」


「久野様?……久野様?」


「…………」


「眠ってしまわれたのでしょうか……。ふふ、久野様の寝顔は可愛らしゅう御座います」


慈愛に満ちて、阿夜はそっと、久野の頭を撫でた。さらさらとした手触り。それはとても、心地よかった。


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