彼女の側は何故か落ち着く(波月)、私はあなたを助けたい(春風)
――ドカン!
――ガシャン…
爆発して
燃えて
崩れ
俺はあの光景から目が離せなかった
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崩れていく家から目を離し
吉川さんに話しかける
「吉川さん、ここに居続けてもなにも始まりません
行きましょう…」
先に数歩ほど歩いたが
動こうとしない吉川さんに
厳しく言った
「吉川さん、ビックリしてるのは分かりますが
早くここから離れないと
あなたを追っている人達が来ちゃいます
さっきは仕掛けのお陰で難を逃れましたが
次はそう簡単にはいきません!」
私は吉川さんが好きだから
守りたいだから
「私があなたを守りますから
信じて着いて来て!」
そう言ってから私は吉川さんに手を差し出した
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「私があなたを守りますから
信じて着いて来て!」
春風の言葉にドキッとした
(ドクンッ…ドクンッ…
このドキドキは何だ…春風といると
ふとこうなっちまう…分かんねぇ
でもなんか落ち着く…)
俺は差し出された手を無意識に握った
すると春風が「ポッ」と顔を頬を赤く染めて
「あっ…!よく考えたら
こうやって手を繋いでると何かデート行くみたいだね…」
それを聞いて俺も真っ赤になって
「へっ…変なこと言うなよ!
そっそれより
どこに逃げるんだ?」
春風は「ふふっ」と笑い
「逃げませんよ、戦います!」
「ヘ…?」
俺はビックリして、間抜けた声を出した