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最果てに天深く  作者: 高原 景
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第一章 多加羅

 多加羅(たから)とは象徴的な名だ、と峰瀬(みなせ)は思う。

 かつては神の中でも偉大とされたものの御名であり、やがては聖地として畏敬の対象となった。ある時は覇権を求める者達の一軍として名を馳せ、唯一神を奉じ絶大な勢力を有する白沙那に屈して後は、異端の神を祀っていた地として蔑視された。

 今は――今となってはこの名にいかほどの意味があるというのか。あるのは落ちぶれた一族がしがみつく僅かな所領ばかりか。いや、それほどまでに卑下する必要もあるまい。多加羅とは、広大な白沙那帝国内に十七存在する惣領家の一つ、東の国境を守る要害であるとともに、帝国にとって厄介な要だ。積み重なる時の澱に撓み、封じられ語られることのない歴史の影に半ば没してはいても、少なくともまだ存在はしている。

 夏の日差しは硝子窓を通して容赦なく照りつける。無防備にそれを浴びていた峰瀬は不意に頭痛を覚えて影へと身をひいた。

 惣領家の屋敷は古い時代の威容を今に残す壮麗なものであり、峰瀬がいる惣領の執務室はその中でも最も立派なものの一つだ。現在そこには部屋の主である峰瀬と、年老いた男が一人いるだけだ。

 峰瀬はすでに日常の一部となっている全身のけだるさを押し隠して、辛抱強く言葉を待っている男へと視線を向けた。実直なその男は峰瀬が自分の進言に対して真剣に考えていると信じているのだろう。よもや多加羅の象徴性についてとりとめもなく思考を巡らせていたなどとは思うまい。

白玄(はくげん)、もうその話は何度もしたと思うが」

 峰瀬より三十は年上であろう男は、白いものが大半を占める眉をぐい、と吊り上げる。

「ええ、いたしましたとも。ただし、このことを私が知ったのは惣領がすべてをお決めになり、手筈を整えられた後でしたな」

 背筋をこれ以上ないほどぴんと張ったその小柄な姿は記憶にある限り変わらない。彼は峰瀬が物心ついたころから惣領家に仕えている。時とともに官位が変わり、家臣の筆頭としての地位を名に冠するようになっても、貫く信念は揺るがない。すなわち、惣領家の威信に害あるものは、例え主の決定であろうとも看過しない、ということだ。

「せめて一言なりとご相談いただければ、このようなことには決してならなかったのです。仮にも玄士(げんし)である私に何も仰せにならずに、この微妙な時期にそのようなことをなさるとは……」

 嘆かわしげに溜息をつく様子は、峰瀬がすでに三十も半ばを超えた男ではなく、いまだに十代の若造だとでも思っているようだ。玄士は惣領の側近くに仕え補佐するのが役目だが、白玄の物言いには聞き分けのない子供に対するような響きがある。 

 峰瀬は苛立たしさを笑顔の下に押し隠し、つとめて穏やかに言う。

「しかしな白玄、幼子を一人、いや、二人放り出すのは人として恥ずべきことではないか?」

「多加羅惣領家は孤児の引き受け所ではございません!」

「そうは言っても柳角翁(りゅうかくおう)が亡くなられたのだから、誰かが引き取らねばならんだろうが」

「引き取る、それは大いに結構でございます。ただし、この惣領家の所領に入れず、どことなりと孤児を世話する施設にお入れになればよろしい。今は裕福な子弟が入るにふさわしい孤児院とてあるのですからな」

 笑顔も無限ではない――峰瀬はそろそろひきつりだした口元をさりげなく手のひらで隠す。昼前だというのに全身の倦怠は立っているのが辛いほどだ。衣の上から首にかけた宝珠(ほうじゅ)に触れれば、それが弱々しく鳴動する。その地位に相応しくふんだんに布を使った長い袖が、いつになく重く思えた。

「過ちを犯したのは私の父だ。(かい)には何の罪もないだろう」

「その少年には確かに罪はございません。しかし先代がご存命のころをいまだ覚えている者も多いのです。少年が多加羅へ来れば、それだけでいらぬ憶測と混乱が起こりましょう。それに聞けば、少年は父親が誰かもわからないと言うではありませんか!」

 なおも言い募ろうとした白玄は扉を叩く音に口を噤む。扉を開けて恭しく頭を下げた男を見て白玄の渋面がさらに苦々しく歪められた。

「惣領、お呼びとのことで参上いたしました」

秋連(しゅうれん)、足労だったな」

 峰瀬はほっとした心地が声に出ないよう気をつけながら白玄に笑顔を向ける。なけなしの気力を総動員しての笑顔だった。

「とにかくこの話は終わりだ。さがれ」

 不満げな表情で退室する白玄を見送り、秋連は疲れた表情で椅子に座る相手、己の主であり、幼いころからの友でもある男に向き合った。

「どうやら私は白玄老に嫌われてしまったようです」

 峰瀬はにやりと笑う。

「何の相談もなくお前を使者として送ったのが相当に気に食わんらしい。頭の固い爺だ。もっとも他の二人の玄士に比べればましだがな」

 秋連は相変わらずの物言いに苦笑を浮かべた。豪奢な部屋の中は、夏の暑さから切り離されたようにひんやりとしている。若衆(わかしゅう)が剣の訓練をしているのだろうか、屋敷の近くにある鍛錬所(たんれんじょ)からのいさましい掛け声も、ここでは遠く、どこか現実離れして聞こえる。

 秋連は峰瀬の青白い顔に気付かないふりをしながらも、以前よりもさらにやつれたその様子に苦いものがこみ上げるのをこらえることができなかった。もっとも的確な判断力と知性、そして何事にも動じない泰然とした態度で人望を得る多加羅惣領の変貌に、どれほどの人が気づいているだろうか。

「少しお前に頼みたいことがあってな」

 秋連は大仰に顔を顰めてみせた。

「また厄介なことを押し付けようというのですか? この前みたいに問答無用で旅に出すようなことはやめていただきたい」

「たまにはいい経験になっただろう。日がな一日暗い書庫にこもっているよりは、よほどいい」

「私は暗い書庫が何よりも落ち着くのです。高尚な知識に触れることは人生を豊かにいたしますので」

「低俗な駆け引きは惣領家と阿呆の古参どもに任せておく……か」

 峰瀬は呟く。

「相変わらずの皮肉屋でいらっしゃる」

「ああ、皮肉を言う相手もお前しかおらんのだから、我慢しろ」

 どこか疲れた表情で峰瀬は腕を組んだ。それが言い出しづらいことを言おうとしている時の彼の癖であることを秋連は知っていた。惣領という責任ある立場についてからは、そのようなしぐさも影を潜めていたが、友の前でふと気が緩んだのか、それともそれすら構えないほどに精神が疲弊しているのか、秋連にも定かにはわからなかった。

「お前は灰のことをどう思った」

 唐突な質問に秋連は驚く。一月ほど前、当の峰瀬の使者として対面した少年の面影が鮮やかに脳裏に浮かぶ。

「戻った時にも申し上げましたが、少しの間会ったくらいでは大したことはわかりません」

 峰瀬は小さく息をついた。

「私は灰がどのような人物か見極めるように言ったはずだが?」

「そうは言いましても、それほどに簡単にわかるほど人は単純なものではございません」

 峰瀬はそれもそうだ、と苦笑しながら、なおも問う。

「どんなことでもよい。お前はどう感じた?」

 秋連は灰との対面を思い出す。どこか張りつめたような表情、それでいて早熟を思わせる落ち着き、そしてあの笑顔だ。

「……敢えて言うならば彼には人を惹きつける何かがある、ということでしょうか」

「何か?」

 そう、何かだ。それが何であるかをあらわす言葉が見つからず秋連はしばし視線を彷徨わせる。外に目を転じれば、硝子を通して見える木々は深い緑に染まり、天空に挑むかのような勢いである。それは命が燃え立つ様だ。再生し、磨滅し、繰り返し生きては死ぬ万物の営みの欠片だった。

「雄大な自然を前にしたときに感じるような、そんな感覚と言えばいいでしょうか」

 しばし迷ってから秋連は言葉を続けた。

「彼はとても紫弥(しや)様に似ています」

 峰瀬の手が僅かに震える。目に見えた変化はそれだけだったが、秋連には峰瀬の動揺が感じられた。

「言うなれば、紫弥様は清流で、あの少年は風のような雰囲気を持っていました」

 掴みどころのない言葉に、峰瀬は何を思うのか黙り込んだ。あるいは追憶に耽っているのかもしれない。彼もまた飛沫を浴び光を纏って立つ乙女の姿を忘れてはいないだろう。秋連は自身も記憶の流れに身を任せながらそう考えた。

「噂ではあと数日もすれば灰様が多加羅に来られるとのことですが……あの少年を多加羅に呼んでどうするおつもりですか? まさか家族になろうというわけではありますまい」

 問いを発してから秋連は後悔した。彼はあくまでも傍観者でしかない。秋連は多加羅惣領家に仕えた下男の息子にすぎず、峰瀬が彼に求めるのは惣領という重圧から一時離れるための友という役割だ。そして峰瀬が秋連にただ友としての役割を望んだように、秋連もまた惣領家の中に踏み込むこと、その歴史に、柵に、内包するだろう闇に触れることのない立場を望んだのだ。

 峰瀬がどこか人の悪い笑みを浮かべる。秋連は思わず身構えた。この表情には覚えがある。何かを企んでいるときのそれだ。

「むろん、私が父親になれるわけもない。これ以上子を増やす気にもなれん」

 一男一女をもうけた峰瀬の妻はすでに亡くなっている。

「では下男としてお雇いになるか」

 たわむれに問う。

「ふむ、その手があったか」

「ご冗談を」

「むろん冗談だ」

 あっさりと言った峰瀬は不意に表情を改め、秋連に座るようにうながした。秋連が手近な椅子におさまってもなお、惣領家を束ねる男は半ば目を閉じるようにして考えにふけっている。しびれを切らしかけた秋連が声をかけようとしたその時、唐突に峰瀬が口を開いた。

「お前に灰を預けたい」

 言おうとした言葉は霧散し、かわりに開きかけた口が鋭く息を吸う。相手の言葉を理解するのにさらに数秒を要した。

「それこそご冗談でしょうね」

「冗談で言えるか」

「どういうおつもりですか」

「言ったとおりの意味だ」

 問えば明解に答える相手は、しかし不可解極まりないことを言っている自覚はあるのだろうか。平然としている峰瀬を前に秋連は大きく息をついた。むろん、自らを落ち着かせるためだ。

「わかりやすく、言っていただきたい」

 峰瀬は頷いた。

「私自身が灰を引き取るのではない、そういうことだ」

「まだわかりません」

「灰は多加羅惣領家の屋敷には住まわせず、ふさわしい導き手のもとに預ける。そこで書を学ばせ、他の少年たちとともに若衆で剣術を身につけさせる」

 ゆっくりとその言葉を反芻する。

「そしてその……ふさわしい導き手、というのが私なのですか?」

 峰瀬はおもむろに頷いたが、まじめな表情の下で秋連の反応を楽しんでいるようだった。

「呑み込みが早いな」

「いいえ、待って下さい。落ち着いてください、そのような……」

「私は落ち着いている」

「それは……ええ、むろん、そのとおりです! ……私が落ち着かねば……」

 秋連はため息をつく。

「これはちょっと頼みたい、で済むことではありません」

「無理強いするつもりはないが、お前以外に適任者を思いつかん」

「わけを聞かせてください。なぜ、あの少年を多加羅惣領家の一員としてこちらにお迎えにならないのですか。そして、なぜ私に預けるなどということを考えつかれのたのです」

 峰瀬は椅子の背に体を預ける。それは抱えあぐねた重荷をおろすかのような仕草に秋連には見えた。この場合重荷とは彼が背負う責務だろうか。それとも体の内部に巣食い、その命を削り取る何かだろうか。

「それを話すにはまず灰の立場を知ってもらわねばならんな。そもそもお前は灰のことをどれほど知っている」

 秋連は注意深く答える。

「人が知る程度のことは概ね」

「それはどのようなことだ」

 当たり障りのない言葉を探し黙り込む秋連にかわって、峰瀬が言った。

「先代惣領の妾となった娼婦の孫であり、父親が誰かもわからぬ私生児だということか」

「ええ……まあ、そのようなことです」

「では、お前は灰について正しいことをほとんど知らないということだ」

 峰瀬は胸の前で手を組む。しばし考えるように瞳をふせてから静かに語り出した。

「はじまりはリーシェンという一人の女性だった。灰の祖母にあたる……つまりは私の父の妾となった女性だ。彼女がどういう経緯で多加羅に来たか知っているか?」

來螺(らいら)の街の娼館にいたのを先代惣領が見染めたと聞いています」

「そうだろうな。しかしそこからして間違いだ。リーシェンは生粋の風の民だった。彼女は自分からこの地に来たわけではない。ましてや娼婦でもない。東方遠征の時に密かに捕われて来たのだ。それも私の父によって無理矢理にな」

 はじめて聞く話だった。

 三十年以上も前に白沙那帝国が東の国々へ大規模な侵攻を行ったという東方遠征は、秋連と峰瀬がまだ生まれたばかりのころの話だ。帝国の大勢力をもってしてもやがては撤退を余儀なくされた悲惨な戦いの記憶は、いまだ生々しい。直接に戦いを知らない者にとっても、軽々しく話題にできるものではなかった。

「父は東方遠征に参加しながら一方で是が非でも手に入れたいものがあった。それをたまたまリーシェンが持っていたのが彼女にとっては不幸なことだった。もっとも父にとってはその若さと美しさも魅力だったのかもしれないが、むごい話に変わりはない。父は多加羅の惣領としては優秀だったかもしれないが、人としてはその資質に欠けていたようだな」

 ふと峰瀬は自嘲するような笑みを浮かべる。

「父は多加羅惣領家に怪魅師(けみし)を誕生させるために、怪魅(けみ)の力を持つ女性を欲していた」

 秋連は目を見開く。

 怪魅とは帝国では異端に位置づけられている力である。その力は持つ者によって多様に異なるという。風を、火を、そして水を自在に操るとまで言われる怪魅師は、自然に潜む膨大な力をその術の源として利用するのだと考えられていた。もっともその実態は白沙那ではさほど明らかにはなっていない。ただ脅威的な力を有する存在への畏怖のみが、人々には浸透しているのだ。

 帝国において神秘の力が全て忌避され、弾劾されているわけではない。法に則り言霊(ことだま)によって神の力を借りるという条斎士(じょうさいし)は、栄誉ある存在として遇されていた。誰あろう目の前の峰瀬その人が条斎士であり、代々の多加羅惣領家の人間の中にはその力を有する者が少なからず存在する。長い時の中で考案され築かれた条斎士の法術は決して弱いものではないが、言霊によらなければ行使のできない限定されたものだった。一方、自然そのものの力を自在に操るという怪魅師の術は、人が神の領域に不遜にも介入する行為であるとして、邪法とされているのだ。

 怪魅師が帝国において厳しく弾圧されるようになったそもそもの原因も、かの東方遠征であるというのが秋連の見解である。優れた条斎士数十人をもってしてもたった一人の怪魅師にかなわず、軍が遁走したという逸話は多い。最終的に帝国が撤退を余儀なくされた大きな要因の一つが、絶大な力を有する怪魅師の存在だと言われていた。

 話はなおも続く。

「知ってのとおり東方と違いこの帝国の地では怪魅師はめったに生まれない。父は怪魅師として名を馳せていたリーシェンを捕え、多加羅に連れ帰った。そして優れた怪魅の力を持つ子供を彼女に産ませようとした。そうして生まれたのが紫弥だ。だが、紫弥は怪魅の力を持ってはいなかった。無論父は諦めなかったが、リーシェンは父を憎悪し、絶望していた。無理もなかったろう……彼女はその時まだたった十八かそこらだった」

 痛いほどの静寂があたりを浸す。

「ある時彼女は怪魅の力を己自身に使った。恐らくは死のうとしたのだろうが、それはうまくいかず、だが彼女は二度と子供が産めない体となった。あるいはそれこそが彼女の狙いだったのかもしれん。父にとってはもう何の役にも立たない存在、そうなるはずだった。だが、父はその時にはリーシェンに心を奪われていた。どれほどに憎まれようと、父はリーシェンを手放すことなどできなかったのだ。死ぬまでな」

「死ぬまで……」

「ああ、死ぬまでだ。父の寿命が短かったのだけが彼女にとって幸いだったかもしれないな。いや、その死によって彼女に降りかかった更なる不幸を思えばそうとも言えないか……。どちらにせよ、リーシェンが多加羅に連れて来られて六年後に父は死んだ。私が七歳のころだったな。紫弥は五歳だったか……。もっとも私はリーシェンという女性の存在すら知らされてはいなかったが」

 ではそれでやっと風の民の娘は自由になれたのか――事実はそうではなかった。峰瀬は淡々と告げる。

「表向きはリーシェンは父の死後多加羅を出たことになっているが、実際は私の母に毒を盛られたうえ、幼い紫弥とともに追放されたのだ」

 峰瀬はいまだに耳にこびりつく母の甲高い声を思い出す。母の侍女が漏らした話、恐ろしい事実を問い質したときのことだ。縋りつくようにして自分から夫を奪った女への迸るような憎悪を叫ぶその姿に、峰瀬が感じたのは嫌悪と空虚な悲哀だった。

耶頭(やず)の毒というものを知っているか? 人の知性を侵し、自我を破壊する猛毒だ。母はリーシェンにその毒を飲ませたうえで、彼女と紫弥を多加羅から追い出した。人であることすら忘れた母親とまだ幼い娘をな」

 ざわり、と夏の大気に木々が身を揺する気配がする。外はうだるような暑さに違いない。

 過去の妄執と憎しみが不意に蘇り、まるで傷ついた獣のように壮麗な部屋の壁際に蹲っているような錯覚に秋連は陥る。見えない闇の凝りはどれほどまでに深いだろうか。

「……灰様はそのことを知っておられるのですか?」

「それはわからぬ。紫弥が伝えていたかどうか」

 秋連は少年の言葉を思い出す。運命に従容と従うも昂然と立ち向かうも己次第なのだと、彼にそう伝えたという母親――紫弥はその言葉に一体何をこめたのだろうか。痛々しいまでの決然とした瞳で逃げるわけにはいかない、と言った少年の意図はどこにあるのか。

 ぼんやりと考えていた秋連は峰瀬が自分を凝視しているのに気づいた。

「なんです?」

「お前はこの先を聞きたいか? 灰を引き取る気がないならば聞かぬ方がよいことだ」

 警告だった。

 第一章にさくっと入りました……と言いたいところですが、やはり文章の修正に手間取っています。今読み返すと、「あーこの人こんなこと言う性格じゃないのに」なんてことも結構あって、当初と比べて登場人物の捉え方が書き手自身の中でも大きく変わっていることがわかります。今の方が人物像が固まっているので、かきはじめはまだ手探りだったということかもしれません。ざくざく科白を変えていますが、そのせいで時間がかかってしまいます。

 何はともあれ、読んでいただければ幸せです。ではでは、今後ともよろしくお願いします!

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