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四阿で

オルデンベルク侯爵のタウンハウス。

庭にある四阿では侯爵夫人ソフィアとマイツェン子爵令嬢アメリアがお茶を飲んでいた。



先日正式にクラウスと婚約したアメリアは、ソフィアから侯爵家についての教育という名目で月に一度はタウンハウスを訪れることになった。


といってもアメリアはオルデンベルク侯爵家に嫁ぐわけではなく、クラウス=オルデンベルク男爵の妻となる。侯爵家の内実について教えられないことも多い。


けれど、オルデンベルク侯爵は何年か後に長男に家督を譲った後は次男がいる領地に住まう予定だそうで、王都にいるクラウスには兄を助けることを期待されているし、また侯爵の血筋で、男爵でもありドラゴンスレイヤーとしての役割もあるクラウスの妻に不安なくなれるようにと、ソフィアが提案したのだ。



アメリアが四阿の東側に新しく植えられた花に気付いて、その美しさに見惚れていると、小さな足音が聞こえてきた。


たったったったっ…がさがさがさ…


「…?」


アメリアとソフィアが音のした方を見遣る。


すると茂みの下から小さなトカゲが姿を現した。続いて小さなクリスタがそれを追いかけてくる。


「まあ…」


アメリアは見えなくなったトカゲをキョロキョロと探すクリスタが微笑ましく、思わず笑んだ。


「クリスタ様!」

クリスタの後ろから侍女が追いかけてくる。


クリスタは、ハッとしたように四阿に近付いてくると可愛くカーテシーをした。

にこにこと挨拶するクリスタに、アメリアも立ち上がるとカーテシーをする。


自分も四阿の椅子に座ろうとするクリスタにソフィアが

「クリスタはお昼寝の時間ではない?」と言うと、クリスタの侍女が「クリスタ様、お部屋に戻りましょう」とクリスタの肩に手を置く。


クリスタはしょんぼりした顔をしたけれど、こくんと頷いた。


そしてアメリアを見上げると「また来てくれる?」と尋ねる。

アメリアは「今度は一緒にお茶を致しましょう」と返してクリスタを見送った。


侍女に手を引かれたクリスタはアメリアを振り返ると手を振り、しばらく歩くとまた振り返る。


アメリアはクリスタの姿が見えなくなるまで手を振りながら、クリスタの笑顔に応える。




アメリアは、クリスタにはオルヒとリーリエを紹介する日が来るかもしれないな。と嬉しくなった。

1部完です。29話までお付き合い、いいね、ブックマークありがとうございます。

この後は番外編をいくつか投稿してから2部を書きたいと思っています。

書き上がるまでしばらく時間がかかるかと思いますが、引き続きお付き合い頂けましたら幸いです。

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