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I don't die  作者: maehu
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今日も生きたい

ふとひらめいたネタをチラシの裏に書くつもりで、投稿していきます。

いつも通りの朝が来ると思っていた。


朝起きて、顔を洗って飯を食べ、仕事にいく。

軌道に乗ってきた仕事をこなして、帰りに行きつけの食堂でカレーライスを食べて帰る。


それが、こんな風になるなんて、誰が想像できるだろうか。

昨日まであった日常があまりにもあっさりと消えてしまうなんて……。


始まりはずっと前からだったんだと思う。

最初はちょっとしたニュースにしか捉えていなかった。

住んでいるところからは同じ県だけど遠い町で、変質者や変死体が増えていると。

嫌な世の中だなと思って、テレビのチャンネルを変えていたくらいだ。

警察が解決に向けて力を注いでいるから住民は外出しないように…とかなんとかキャスターのお姉さんが言っていたな。

一部の住民は、散歩していたら警官にすごい剣幕で怒鳴られたらしい。

「死にたいのか、早く家に帰れ。俺が楽にしてやるぞ」とかなんとか。

SNSでちょっとバズってたっけ。こんなこと言ったら、一発で懲戒だろとか思いながら、その時は蚊帳の外から見ている気分だった。


怪しくなってきたのは、自衛隊がその町を封鎖したとか、一部の住民が抜け出して発狂したとかそんな話が出始めてからだった。

そこからはあっという間で、数週間もしないうちに、日本中はパニックになっていった。


何が起きたかって……?

映画みたいな話なんだけどさ……死んだ人間が動いて生きてる人を食うんだってさ……。

信じられないだろ?

でも、俺たちはもう何度もその光景を見てきた。大声をあげながら食べられ、次第に声ではなく音になり、その音も聞こえなくなる。

数分後にはその人も立ち上がり、今度は俺たちを追ってくる。


明日どこに行こうか、なんのお酒を飲もうか、誰と遊ぼうかなんて考えていた日常はもうない。

死と隣り合わせが日常。誰かの悲鳴が、何かの呻き声が響き渡るのが日常になった世界。


だけど、俺は死なない……。

好きなだけ生きて、死にたいときに死んでやるんだ。

最後の最後まであがいてやる。

愛する人に看取られながら終われたら幸せなのかな……。


でも、隣でくつろいでるのは、ムキムキの40越えたおっさんなんだよなぁ~……。


「どうした?坊主」


「いや、なんでもないっす。今日も張り切って生きますか」


「おう。死ぬなよ相棒」


「うっす」


今日も、俺は死なない……

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