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呪術医の治療薬  作者: 椎名華楠
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序章

皆様初めまして、椎名華楠しいな かなんと申します。

本日から『小説家になろう』の方で小説を投稿することにしました。

今回、初小説となります。

至らぬ点も多々あると思いますが、何卒お手柔らかによろしくお願いいたします。


ジャンルは医学、薬学、神話を主題としたファンタジーになります。

人間(にんげん)は愚かだ。

そう思い始めたのはいつ頃だっただろうか。

 人間(それ)(おのれ)の欲のためならば簡単に他人を傷つけることができる。その欲が満たされ(づら)いほど、人間(それ)は何にも(いと)わず他人を利用し、(しま)いには冷徹な処刑道具のように他人を(あや)めにかかる。

 『悪魔(あくま)()き』が本当にいるのであれば、それは欲に駆られた人間(それ)こそ当てはまるのではないだろうか。ふとそんな疑問が脳裏に浮かんだ。

 冷え切った空気が身体(からだ)をかすめる。それに身震いをしつつ、目を閉じ一人物思いに(ふけ)る。

 少年が谷底へと投げ込まれてきたこと、少年と共に過ごしたこと、この場所が(さか)えていたこと、万能(ばんのう)(やく)を求め争いが起きたこと、少年とある約束をしたこと。どの記憶もつい先日の事のように思えた。

 再び目を開き周りを見渡す。

相も変わらず、そこには高くそびえ立つ崖と散乱した幾程(いくほど)亡骸(なきがら)、そして申し訳程度に積もった雪しか無い。

 ここには自分一人だけがいる。だが、自分がここにいる意義(いぎ)はもう無いのだとも感じた。

 助ける人間(それ)も守る人間(それ)もいなくなってしまった。

(ゆえ)に、もうここにいた人間(それ)を見守り続ける約束はこれ以上果たしようが無いのだから。

 箸にも棒にもかからない悩みを振り払うかのように尻尾を大きく一振りする。そして、影に隠れるよう崖の側へ歩を進める。

 つい先日の記憶だと思えるのにどうして寂しく、人の愚かさを恨めしく感じるのだろう。

そんな悲哀(ひあい)を感じる中、一つ亡骸の側に腰を下ろし、しばし眠ることにした。

 崖上を吹きさらす吹雪は(いま)だ止むことを知らない様子だった。

ご愛読ありがとうございます。

序章なので、非常に短いものとなりました。

次回から本編に入るため、文章量も増加していきます。

それでは、次回も皆様にお目にかかれることを楽しみにしています。

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