先週心療内科に行ってきたお話
心療内科の待合室
みな項垂れた人でいっぱいだ
心の中の詩はみな渦巻いていて
一様にみな下を俯いていて
ごった返している……
それなのに静まり返っている…
「診察は2時間後くらいになりますかね?」
受付で不安げに男性が聞いている…
「そうですねぇ…混み合っておりますから…」
受付のお姉さんにも疲労の表情がみてとれる…
初診の僕はその男性の後
受付をすませる…
「診察は2時間後ですね(ニヤリ)」
と、爽やかな笑顔をお姉さんに、送る
「はい!2時間後です~!」
と、その場に少し暖かな空気が流れる…
苦笑だったのかもしれないが…
外で煙草を吸って時間をつぶす…
暇になったので待合室に入る…
一番奥の壁際の席が空いていたので
おずおずと壁にもたれ掛かり座る…
意外にもスマホをさわる人は少ない…
下を俯くか中空に視線をやるか…
しゃべり声は皆無だ…
待合室のマリア像が虚ろな表情だった…
皆の心の苦しみの声を聴き
マリア様までお心を患わされてしまったのだろうか…
きっとそんなことはないだろう…
ともに苦しまれておられるのだ…
1時間ほどたち、少し、席に空きが出来てくる…
すると、おずおずと、みなが、お尻を横にずらし、席を移動しはじめる…
その都度、ムニ…ムニ…と、動くお尻…
どうして、お尻は、こんなに弾力性を秘めているのだろう…?
と、つまらぬ疑問を感じながらも、危ない思考に走る自分を抑止した…
…
「すみいちろさん…すみいちろさんさん…中でお話しを伺います…」
看護師に、声をかけられる…
中待合室に呼ばれる…
「血圧を測りますねー」
若い看護師に透けるような白い手で触れられ…
フグッ…!
こそばゆい手つきでサワサワと、ゆっくりと丁寧にそっと触れられる…
いかん…血圧が上昇してしまう…
心なしか、脈拍も早まる…
なぜこんなにも優しくて丁寧なの?
何プレイ?と、不謹慎な思いをよそに、測定はパス
血圧は通常
過去、入院時に陰部に管を乱暴に押し込まれた経験を思えば天国であった…
中で看護師のお姉さんに、受診した経緯を話す…
話せば楽になるはずが、あれよあれよと、気持ちが重くなってくる…
優しく丁寧に聴いてくれたのにだ…
思い出したのだ…
そのままドクターの診察になり、退職にドクターストップがかかる…
鬱状態で人生の重要な判断をくだしてはいけないと…
休職と復帰後の配置変えを提案された…
待合室に戻る…
中学生くらいの子が若いお母さんに甘えて抱きしめられている…
そういえば母親に抱きしめられた記憶など無いことに気づく…
もう、それは、いいのだが…
たくさんスキンシップされて育ったなら、もう少しマシな立派な大人になれたのかも…と、
まあ、いいか…
少し、うらやましく、涙が、じんわり出た…
目の前のこの子は、愛されているんだな…というのが、ひしひしと、伝わってきた…
会計を済ます…
受診は、1週間後だ
先週のお話しでした。
だいぶ具合もよくなってきました。
また明日、行ってきます。