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月より遠く  作者: 海星
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外国人

目が醒めた。


まだ眠っていられたが・・・少し下品な話だが、催したのだ。


起きねばならない。


ベッドに寝たまま粗相(そそう)をする訳にはいかない。


病人として寝たまま尿瓶にいたす方法も考えたが、それを片付けるのはここでは女性のはずだ。


イシュチェルさんはここは『男子禁制』だと言っていたし。


具合が悪い時はあんまり気にならなかったけど、ここは私が育った村からそうは遠くないはずだ。


・・・つまりここも郊外、ど田舎のはずだ。


過疎化高齢化が進んでいるあの地域で、イシュチェルさんは『男子禁制』の従業員が集う酒場を切り盛りしている・・・村にも私は行った事はないが男性の従業員が表に出てこない『キャバレー』は存在した。


しかし如何せん高齢化が進んでいる村である。


「今度、新しい子が入ったのよ」という話で新人は50歳手前だったりするらしい。


それに比べてここは酒場の女主人からして20歳そこそこだ。


それに二階が男子禁制というのも変な話だ。


だいたいキャバレーなどの夜の店でも厨房などの裏方のスタッフはほとんどの場合男だ。


女だけで運営されている店舗なんて皆無・・・と言って良い。


二階のスタッフルームも男子禁制という事は本当に男が店にいないのだろう。


そんなところに私がいて良いんだろうか?


そして何より『イシュチェル』という洋風の名前だ。


私が住んでいる村に外国人はほとんどいないが、電車で30分ほど揺られると到着する工業団地には出稼ぎの南米から来た外国人や東南アジアから出稼ぎに来た外国人がいるらしい。


それに最近ではベトナムやインドネシアから職業実習生が来ていて外国人は珍しくなくなっている。


だが私の育った村の近辺には外国人はいないはずだ。


しかもイシュチェルさんは酒場の女主人だという。


外国人で経営者で流ちょうな日本語を話すなら、狭いコミュニティでもっと話題になるはずだ。


・・・まあそこら辺の違和感はイシュチェルさん本人に聞こう。

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