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詩織さんの微笑みは天使のように冷たい。  作者: 綾峰 はる人
LOST BLUE
25/32

私としましては、青い青春は失われたように感じます。

三連投稿です。期日までに8万文字行かなくてはならない挙句、明日明後日は用事があるため投稿できない可能性があったので、急ピッチで書き上げました。誤字脱字がいつにも増して多いかもしれません。

申し訳ないです。

「……まほさんは、私にとって大事なお客様です。そして私は、一度受けた依頼は失敗したことがありません。いえ、失敗したくありません」

「…………………………つまり、イヤリングが欲しいと?」

 彼女の目が、『人でなし』と私に訴えかけてくる。ええ、私はこの物語に潜入してからずっと狂ってます。

「ですが、この世界の秩序を壊してまで仕事をこなしたくありません」


 ――諦めた? いいえ違います。


 ええ、ここまで私が“自分の推理を疑った行動をとった”のは、初めてです。

「――なので私、作りました。そのイヤリングとそっくりな、ただのアクセサリーを」

 私は、カバンからサファイアのイヤリングを取り出す。イヤリングのデザインイラスト資料を、蒼井さんが眼鏡に転送してくれていたおかげで、少し値が張りましたが、普通のアクセサリーショップにて作ってもらうことができました。東郷万里の動機が分からない以上イヤリングを何らかの事情で返してくれない。そんな状況もあるかもしれないと。

「それと交換しろと言われてもしませんよ?」

「ええ、そんなことは分かっています。こちらのただのイヤリングを、あなたからルティアさん返し、ルティアさんにまほさんへと返すように言ってあげてください。そして、歌錬さんにも事情を説明し、そちらの歌錬さんの気持ちがこもったものは大切に保管しておいてください。まほさんにつけてあげられる日が来るまで」

「…………………………さすが小悪魔さんですね」

 東郷万里は、今日初めて微笑んだ。先ほどまであった冷たさは、子の微笑にはない。

「そういうことなら、大丈夫でしょう。私が責任をもって、このイヤリングを届けさせてもらいます」

「ええ。お願いします」

 イヤリングを、東郷万里に渡す。そこで、私の視界に完了の文字が、デジタル風な文字で現れる。どうやら、これで完了のようです。ということは、東郷万里は本当にイヤリングを渡すつもりでいるようです。安心しました。

「――ああ、そういえば、貴女に伝えておきたいことがあります」

 私が依頼を達成したと分かっているからなのか、彼女は最後の言葉のような雰囲気だ。ええ、実際に私は今、強制ログアウトに移行しています。彼女の声を聞くのもこれで最後でしょう。

「きっと、あなたはAの存在を知る事になるでしょう」

「え……?」


 ――それはいったいどういう事ですか?


 そう聞こうとしたときには、私の視界は真っ暗になっていた。




「――………………………………………………ここは、私の部屋ですね」

 どうやら、私は帰ってきたようです。現実世界に。


LOST BLUE編 完結です。次章も楽しみにいていてください。

解消されていない謎は、また今後、関わってきます。

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