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私生活の方が大変な状態でしてしばらく更新は荒れます....

朝部屋から持ってきた鞄一つだけしか持っていない、と、冷静になってから気付いた。

病院前に丁度客を連れてきたばかりのタクシーに新宿駅まで。と告げ私はあの場所を後にしてしまっている。何も言わずに出て来てしまった為若干の罪悪感はあるがやってしまったことはどうしようもない。



「お待たせしました、お支払い金額こちらになります」

「これで。お釣りは大丈夫です」


父から渡されていたお小遣いをこつこつと貯めていて良かった。


この間桃ちゃんと結唯と遊んだ時に降ろした残りで支払いを済ませ駅に降り立つ。

時間は夕食時、学生や仕事帰りのOL・サラリーマン達にチャラチャラした格好のキャッチまで居る。


さて、どうしたものか…


勢いでここまで来たがどうにも行き先を失ってしまいどうにも困った私は立ち尽くしてしまった。

スマホで何かを調べようと確認してみるも、昨日忘れていたのか充電が切れてしまったらしく電源は落ちてしまっている。




「君一人〜?良かったらお兄さんらと遊ぼうよ、お酒とか興味無い??」


困っている私が丁度いい鴨に見えたのか明らかに怪しい風体の二人組が声を掛けてきた。

こういう時程関わり合いになりたくないのに…


心底うんざりして対応を考えあぐねていると無言を肯定と取ったのか、行こう行こう〜!と腕を掴まれる。


「ちょ、やめて下さい!離して…!」


力いっぱい振り切ろうとするも男の子の力には敵わずズルズルと引き摺られる。

周りは幾人か心配そうに見ている視線は感じるものの誰かが手を出そうとする気配は無い、流石見て見ぬふり日本だ。なんて冷静な頭のどこかが考えているが駅から離されていく体と痛む腕に危機感は募るばかりだ。


「誰か助け…!」

「何やってるんですか貴方達」


そうやって私を掴んでいる男の手を捻りあげて私を解放してくれた彼は、数日前に顔を合わせたあの厨房のお兄さんだった。




「んだよ兄ちゃん、俺らはその子と飯食いに行こうとしてる訳、分かるでしょ?女欲しいなら人のモンに手出さないでよ〜」


ニヤニヤと卑下た笑みを浮かべて言い返す二人組にお兄さんは視線を鋭くする。

解放された腕は赤くなっており誤魔化すように擦る私をちらりと振り返ってから小さく小声で糞野郎、と呟いたのが聞こえてしまった。


「先程警官の方がこちらへ向かってくるのを見掛けましたよ、こんな所でフラフラしてらっしゃって大丈夫なんですかね。学生の彼女とそんな見た目の貴方方、どちらを味方するでしょうか…」




分が悪いと見たのか男達はブスがイキってんじゃねぇ!と吐き捨て直ぐに路地の奥の方へと姿を消していった。


「あの、ありがとうございます…」

「…いえ。それより、お嬢様こそ大丈夫ですか?」


心配そうに腕を取られ確認する彼の瞳は先程とは打って変わって優しそうだ。

純粋な心配の感情に鼻の奥がツンと痛みメガネ熱くなる。


「お、お嬢様!?怖かったですよね!大丈夫ですか!?…他にも痛むところが?」



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