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大変お待たせいたしました、落ち着いたのでまた書いていきます。

今回は短いので2話投稿してます。

「だからね?君は現在唯一の五辻家当主の嫡子であって、君のお母様で秀政様の奥様である花絵様がお子様を無事お産みになられるまではたった一人の後継になるんだ、分かる!?」

「分かりますけど随分と様が多い説明ですね…」


必死の形相で説明する先輩に気の抜けた説明を返すと、あぁ!もう!と頭を抱えてしまった。

どうにも入学してすぐから何かと世話を焼かれていたせいか先輩には気を遣わずに接する事が出来る、今日気付いた事実だ。



「とりあえず、この学園はキュリティは確かに高いが…それでも入ってしまった人間に対してはあまり安全とは言えないんだ。元々はうちの失態であるし、あまり強くは責められないが君にはもう少しよく考えて行動して欲しい……」

「と、言われましても…」

「確か君にも担当の使用人が付いたろう?何も言われないのか?」


香重さんから送迎について聞かれたことは、なかったと思う。

会話をうーん、と思い起こしてみるがそれらしい記憶は私には全く無い。



「これは…一度洗い出しが必要かもしれないね」


私の顔色から何かを察した先輩は大変大きな溜息を吐いて車のシートに倒れ込んでしまった。

危ないことだと言われても私は根っからの小市民、お嬢様然とした生活は素敵だなとか良いなとは思ったことも無いこともないが自分がやるとなると話は別。どうにも息苦しく且つ申し訳なく感じてしまう。

それにいくら養子縁組など重ねたところで私は連れ子、五辻の跡を継ぐなんてことには絶対ならない訳だからそこまで心配することはないと思うんだが…





車内が静かになった頃、ようやく女子寮へと到着した。

開けられたドアから頭を座げて降りるとさっと腕を掴まれ後ろを振り向かされる。


「――不本意かもしれないけど暫く迎えに来るから、明日も朝八時にここで」



それだけ言うと彼はさっさと手を離し車を出させてしまった。

先程まで乗っていたはずの遠ざかって行く黒い車の背を呆然と眺めながら私は思わず呟いてしまう。



「明日朝八時って言われても…」

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