サイドストーリー 実の親父が○○○○なわけない
その後、ご立腹な都の父親は怒り籠った顔をしながら冷房が効いた自室の書斎に戻る。周囲の本は、見るからに難しい本が備えられており、彼は、主にそこでは読書でさらなる知識学んで、さらに知識を深めようとをしていたのだ。
その完全主義のエリートの彼は、周囲をキョロキョロすると、ため息をしながら何かを悟った。
「はぁ~~~~~~~~~~~~やっちまった。なんてこった。息子に手は出さないと思ったのに、なんで手を出してしまったんだ。この馬鹿馬鹿馬鹿なんで、可愛い息子の言い分を聞かないんだよ~~~~~~~」
当エリート警察官とは思えない奇怪な動きをしながら、悶えていた。
そう、大河都の父親である。大河太平(45歳)は、表は厳格な親父だが、裏では誰よりも子供たちの事を心配しているチルドレンコンプレックス親父だったのだ。
彼は厳格で曲がったことが嫌いな正確なあって、間違っても謝ることができない。それゆえに後悔が後について、悔やんでいるのだ現に先ほど都を怒った事を後悔して壁を静かに殴っていたのだ。
「(とりあえず、反省は終了だ・・・さてと、お楽しみを・・・)」
そう言いながら彼は書斎にある本をある程度抜き取り、奥にある秘蔵な本を取り出した。それは自分の娘が載っているファッションで、大平は娘が出てる雑誌を買い漏らすことなくすべて集めるファンの一人ある。
「んん~~~~~我が娘ながら、結構露出が高いんではないか・・・そのうち水着でもなりそ・・・・・いやいや、モデルだからって、いくらなんでも水着は許されない。今度美国に水着はやるか聞いておこう・・・・」
「(さて、次は娘が出てたドラマが見たいのだが生憎そこには息子がいる・・・・どうする。また怒って追っ払うか・・・・・・いやいやそれじゃ息子はグレて・・・・下手したら自殺するかもしれない。私の地位なんてどうでもいいが息子が死ぬのは困る・・・・・なら、ここは曲げてでも謝るか・・・・いやいやそれだと今までの私のイメージが・・・・・・いやいや、それは・・・)」
「あのさ、親父・・・・」
「!!!!」
大平が脳裏内で悩んで葛藤してる中突然扉の奥から都からの声が聞こえたので我に帰り、美国の雑誌を机の上に置かれている沢山の資料の下に置き、警戒しながら都を部屋に入れておく。
「な・・・・・なんだ、都・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「あれ?親父さっきと比べて汗がダラダラじゃないか?」
「そ・・・・・・そんなわけないだろ・・・それより今更何しに来た・・・・・言っておくが、いくら謝っても許さないぞ・・・」
「分かってる・・・けどさ・・・その代わりさ・・・・肩でも揉んでやろうかと思ってさ・・・・・」
「・・・・・・なに?」
その言葉によって大平は硬直した。なぜなら、実の子供が進んで肩を揉んでくれるなんて息子が小学生に上がっていらいまったくしてもらったことないので、本心は揉んで欲しい気持ちがいっぱいで笑みがこぼれそうだが、必死に本心を押し殺そうとしていた。
「そ・・・・・・・そんな事をしても意思は変わらないからな。それにお前、片手でスマホを片手で握りながら謝ろうと思ったな」
「ごめん・・・・・やっぱ俺はどうしようもない男だな」
「ふん・・・・・」
都の見るからに、反省してる顔にをしていたので気を許し、都の要望を受け入り、都は、肩もみの邪魔にならないよう片手に握りしめたスマホを本棚に置き作業をし、大平は肩もみを堪能する。
もみもみ
「どうだ?親父?」
「力が弱いもっと強くしろ・・・・・(くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ愛する息子の肩もみ・・・・とても気持ちいい感じだ。こんなの下手な整体行くより格別だ。おかげで数十年くらい若返るくらいの快適だ・・・)」
「ところでさ・・・・親父、姉ちゃんが出てるドラマ見たか?」
「ふん、興味ないな(勿論今のところ五回も繰り返して見ているぞ。娘サイコーーーーー愛してるぞーーーーーー)」
「実はさ、これ姉ちゃんから聞いて話なんだけどさ、姉ちゃんドラマのアクションシーンは基本スタントなしで、やってるのだけどさ、この前の撮影で膝を怪我したらしくてさ・・・まぁ本人はどうということはないとはぐらかしてるけどいいんだけど、気になってな」
「たるんどる。もう少し鍛え直せと言っておけ。(なんだとーーーーーーー怪我しただと。何を持って行けばいいんだ?)」
太平は、鉄仮面のようなかたい顔しながら心身は思いっきり心配しもはや支離が滅裂している状態で、マッサージしてもらってるのも関わらず汗をタラタラと流していた。
「親父どうしたよ」
「ん?なにがだ・・・」ギロリ
「さっきから、汗が凄いんだけど、大丈夫かもっと温度下げた方がよくないか?」
「!!!」
都は親父を心配して冷房のリモコンを取るのだがその場所が、なんと偶然か娘が出てるファッション誌を覆いかぶさっている場所に置かれているのでそうはさせないと素早い手つきでリモコンを奪った。
「勝手にとるんじゃぁあない!!!」
「親父、相当焦ってるせいか口調がジョジョみたいになってるぞ」
「焦ってない。なにを言ってるんだお前は・・・・・とりあえず、お前の私物を捨てることを撤回にするから、さっさと帰れ。今日はお前の顔なんて見たくない」
「分かった・・・」
厳しい口調で都を無理やり部屋に追い出し、しばらく一人になったところで大平は再び、頭を抱えながらチルコン(チルドレンコンプレックスの略)を患って奇行を走っていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁなんでわたしはこうも息子や娘に正直に向き合うことが出来んのだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。本当は都と美国とは正面で向き合いたい・・・・・だが、二人が安定した職に就く為には心を鬼にして厳しめな父親であり続けなけらば・・・・・・・スーハースーハー」
深呼吸をし。壁に頭を擦りながらようやく落ち着きを取り戻した。
コンコン
「親父?いいか」
「入れ・・・・・(また!?今度はなんだ)」
「あのさ、スマホを部屋に忘れたからいいか?」
「さっさとしろ・・・・・」
「へいへい・・・・・・・あれ?」
「どうした・・・・・・」
棚に置き忘れたスマホをとると都は、異変に気が付いて申し訳なさそうな顔をする。
「す・・・・・・すまん。親父。俺のスマホ勝手に録音モードになってた・・・・・」
「!!!!!(な・・・・・・・なんですとーーーーーーーーーーー)」
大平は心の内に叫びーーーーー完全なる絶望を目にしていた。なぜなら都が無意識に録音されたスマホにはさきほど大平が見せた哀れもない父の威厳が記録されていたのだ。
これはまずいと都のスマホを素早く奪い取る。
「借りるぞ」
「おい・・・」
「なになに・・・・・・・パスワードだと。教えろ」
「え・・・・・・なんでそんなに慌てているんだよ」
「いいから教えろ」
「流石に親父でもそれは・・・」
「もういい自分でやる」
大平は完全に冷静さを失い、都が打ち込むであろうパスワードを想定して打つが、解読することができず、それを何度も繰り返すと、パスワードが打てなくなっていた。
パスワードが打てません。一分後にやり直してください。
「な・・・・・・なぜだ・・・・・・なぜ・・・・できないんだ。(このままでは・・・・わたしの醜態が公に・・・)」
「親父・・・・(うわぁぁぁぁぁぁぁ無様だ・・・・・)」
完全に素がにじみ出るようになった父親に都は幻滅を見せた。
実は都は、この太平の秘密はすでに知っており、先ほどの父親の奇声も扉越しで聞く耳を持っていたのだ。
実は都もその秘密を知ったのは最近で最初は疑いを見せていたのだ。なぜならその秘密を教えてくれた提供者は魁里で、都が太平と会いに行くときに教えてくれたようだ。
これも彼女である乃希亜と別れない為なのでその為実の父親に、罠を仕掛ける為に口実で先ほど部屋に向かい肩もみをする時わざとスマホを置いたのだ。
勿論都が持ってるスマホ
には録音はしてない・・・・いわばフェイクなので、大平は録音されてない自分の醜態を証拠隠滅する為に奮闘していたのだ。
さすがに都も実の親父を騙すのは後悔があったので、今まで、実は憧れだった父親の背中がこうも崩れているのが苦痛でしかなかったので、止めることにした。
「分かった・・・・親父俺がやる・・・・・ほらできたぞ・・・」
「おお、よくやっ・・・・・・いや出来るのならさっさとやれ」
「ごめん・・・・ほらデータは消えたぞ」
今からでももう遅い堅物モードをして、誤魔化していたがもはや都には筒抜けだったが、都は知らなかった振りをし、演技で存在しないデータを消す仕草をする。
「まったく人騒がせなやつだ・・・・」
「(それはアンタだ・・・)」
「時に都・・・・」
「あん?」
「なにか欲しいものはあるか・・・」
「いや・・・・」
「データを消したお詫びだ。なにかあるだろ?」
「あるにはあるけど・・・・九頭竜乃希亜と別れることを撤回したいのだがいいか」
「・・・・・・・・仕方ない。好きにしろ」
「本当か?」
「ただし・・・・・度が過ぎることはするな・・・・・それが守れるのならな・・・」
「分かってるよ・・・・それと親父・・・・・・・ごめんな」
「なにを謝る必要がある。もういいからさっさと部屋に出ろ・・・・一人になりたい・・・・・・それとありがとう」
「・・・・・」
大平の命で都は今度こそ部屋から出た。
恐らく大平はあの部屋で、自分の行いを悔やんで再びキャラ崩壊をしていると思うが、それでも都はどんな姿になっても父親の在り方に変わりはなく元気でいて欲しいと静かに願っていた。
「俺悪いことしてたのに・・・・なにがありがとうだよ。このクソ親父が」




