サイドストーリー 『バレなきゃ犯罪じゃないんだぜ!!!』って言うの忘れた・・・・・
「お疲れ~~~~~~~っス」
「うっす銀華ちゃんまた明日よろしくぅ!!!」
「いつも以上はりきってんね」
「当たり前だし、今日は、特別な日だし・・・それじゃっス~~~~~」
とある土曜日の夜7時ごろの時間帯・・・・・・鈴浦銀華はいつもよりマシて明るい顔を浮かべ、その店の店主と女将に挨拶をし、シフトを終えた彼女は、一年と3か月ほど愛用している自慢の自転車に乗りとある場所に向かう。
普段の彼女はテスト期間以外のシフトの時間帯は、深夜が当たり前だが、今回は別だ。なぜなら、これからMicuniの知り合いの人気雑誌のモデルと一緒に高級料理店での食事会に特別に参加することになったのだ。
そのモデルは涼浦にとっては推しでは二番目に入るほど気に入っておりMicuniの紹介の元、知り合うことになり、涼浦の小柄の体形と場を盛り上げるトークセンスでそのモデルも気に入ってくれたようらしく連絡先まで取ってる中のようだ。
涼浦は本当はMicuni派なのだが、Micuniは都の姉でしかもその友人が疎遠になった
咲那なので、その件を深く掘り下げたくないから、Micuniとの連絡はしばらく避けていた。
心の内にMicuni未練がありながらも約束の場所で現在推しのモデルがタクシーで彼女を待ち合わせタクシーに乗り移動をする。
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁ眠いし~~~~」
「銀華ちゃん、眠たい?」
「いえ、先ほどまでバイトだったんで・・・・・」
「そう・・・・なら少し寝てたらどう、着いたら起こすから・・・・」
「うん・・・・・」
「銀華ちゃん寝た?・・・・・起きてるのなら一応聞きたいけど・・・・・・美国と最近あった?」
「zzzzz」
そのモデルは、今、Micuniの話題を出したので、自分的には気まずい展開になったので、本当はまだ眠くはないのだが、話が利きたくないが為無理に寝ようと目を閉じ眠りについた・・・・
「銀華ちゃん、・・・・起きて」
「ん・・・・・もう着いた訳すか?」
涼浦はその声で目を開け、タクシーがどこかに止まった事を感じると、さっきまで疲れで睡眠をとったので周囲を確認せずに外に出る。
そして目をこらし改めて場所を見ると、そこは見覚えがある花沢咲那のバイト先のファミレス前だった。
「な・・・・・・これどういうことだし」
我に返り後ろを振り向くと時はすでに遅くそのモデルは窓越しで申し訳ないように平謝りする光景が見え、タクシーはどこかに去っていて、なにがなんだか訳が分からない状態になっていた。
「ちっなんなんだよこれ・・・・・」
激しく舌打ちをし、涼浦はそのモデルに連絡を取ろうとすると後ろから謹慎されたはずの大河都が声をかけて来て騒然とする。
「やめろ・・・・・涼浦、こんなことしても何の意味はないぜ。その人はあくまで俺達に協力をしたんだ」
「大河・・・・・なんで・・・・謹慎になったはずじゃ・・・・・」
「確かにな・・・・俺はまだ謹慎は解けてない・・・・だが、そんなのはお前の知るべきじゃない」
そう見るからに涼しく冷静に答える。先ほどのモデルの人も都が姉ちゃんを通して頭を下げて頼んだんだ。全ては花沢咲那の日常を取り戻す為に・・・・・彼は、真剣に涼浦と話をつけてきた。
その偽善に満ちた登場に涼浦は歯をギリリと音を立てる。
「くそ、なんなんだよ!!!アンタは、マジでウザイんだけど!!!こんことセンコーに言ってやろうかぁ!!!」
「好きにしろ・・・・俺はお前と話したいだけなんだ。その代償なんていくらでも受けてやる・・・・・」
「カッコつけやがって・・・・・、マジでサムイんだけど・・・そんなんで話を聞くと・・・」
ぞろ・・・・
涼浦は逃げようと後ろを向くが、その瞬間に目の前に白のレクサスがその駐車場前に飛び出しそこから、黒のスーツでサングラスをし、まるっきりヤクザ風の風格をした松村さんとその周囲には事務所関係が何人かがぞろぞろと集まっていた。
「話を聞くまで逃がさないつったろ?」
「な・・・・・なんなん。こいつら・・・」
「知ってんだろ?俺はお前の憧れの美国の姉の血を持ってるんだ。とは言ってもお前は姉ちゃんの表の姿しか知らないからな・・・・なら教えてやる。姉ちゃんの裏の顔は、目的をなす為なら・・・あらゆる知恵を練りつくし、使える権利や名誉さえもを全て賭け、どんな手を使ってもやるべきことをこなすんだよ。俺は、その血を受け継いでいる。例えお前が地の果てに逃げようと話だけは聞かしてもらうぜ・・・」
かつて美国が九頭竜を襲ったチーマー共に身ぐるみをはいで痴態シーンを撮影してそれを脅したように、都も松村プロダクションを使い、涼浦に何もさせないように圧力をかけていた。
松村さんは、九頭竜の頼みを聞いて、今着いる事務所の職員だけではなく、このファミレスでさえも貸し切りをしており、今ファミレスにいる客や周囲にいる人は全て松村さんの関係者だった。
「そこまでして話を聞かせたかったのかよ・・・ありえないし・・・・・狂ってるんだけど・・・・・」
涼浦は逃げ出すことに観念し、静かに大河の後についていった。




