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幕間 幼馴染が勝手にヒロインに追加されるのは都合が良すぎるのではないだろうか? 1

俺と九頭竜が本格的に付き合い出した日のとある金曜日の午後の休み時間、ツーサイドアップにイメチェンした元ヤンな俺の彼女が血気盛んな雰囲気で俺の机に音を立てて怒鳴りつけた。





「なんだ九頭竜。今日も愛してるって言って欲しいのか?悪いけどそういうのは人前で言われる性格じゃないんだ。ほら俺、意外と内気なんだからこうも目立つのは苦手なんだ。せめて二人っきりの前で言ってくれ」

「それがこないだ教室の前で叫んで告白してきた奴のセリフかよ!!!・・・・・・ってそういうことじゃねぇ。なんで今日オレが花沢達とショッピングしなくちゃ行けないんだよ」

俺は九頭竜と付き合うのは嬉しいが、だけどそれはゴールじゃない。俺の目的は半分も達してない。

なぜならこいつは俺と付き合ってからもずっと俺の事を付きまといそのせいで他の女子とは、変わらず接してないのだ。

だから俺は先日のざーさんの体育館の誘いのリベンジとして勝手にショッピングに行ってくれないかと打ち合わせしてくれたのだ。




無論それを快く受け入れるのは、クラス内だとざーさんと那智田と立野だけでそれ以外は九頭竜の事を未だに良く思ってないようだ。なので今回のクラスメイトとの遊びに行く事であいつの悪いイメージを出来る限り払おうと思うのだ。




「なんだ嫌なのか?今日学校終わった後に仕事がないからいいだろ?」

「そういう問題じゃねぇ!!!そういうのはオレに聞けよ!!!」

「そんなこと言っても、前からざーさんの誘いを散々無視してただろ。いいかボッチな人間がこうも声をかけて遊びに誘われるのは超貴重だ。恐らく根暗なインキャならこうも明るい生徒会長に誘われるのは現実には早々にはないけどお前が何度も誘われてるのは言うとシンプルな理由可愛いからだ・・・・」

「な・・・・・・てめぇ何言ってんだ!!!!ゴラァ!!!」

まずお前は怒ってるのか照れてるのかどうにかしろ。顔とセリフが支離滅裂だぞ。





「だってそうだろ。俺のお陰でこんなに可愛くしたんだ。そのおかげでしばらく注目されただろ」

そうあれはすごかったなぁ。九頭竜がイメチェンした当日、あの髪型で登校した時はみんな驚いた表情で九頭竜の顔をジロジロと見て恐る恐る声をかけられたり教室から人込みが出来るくらい注目してたな。でも最後はそれに嫌気を刺して思いっきり怒鳴り散らしたことで事態は落ち着くことになったけど、今でも九頭竜のイメチェンし更生したことで学校内に話題になってるようだ。






「それはそうだけどな・・・・・・っていうかお前もあの髪型の影響で女子にヘアースタイルの要望が殺到しただろ」

「あれは普通に流したよ。なんせ目の前に可愛い彼女がいるから浮気はできないだろ?」

「バカヤロー・・・・そういうのは本人がいないときに言えよ」

「なんでいないときに言うんだよ・・・・・」


その後九頭竜は俺の言うとおりにザーさん達とショッピングをするようだ。

ちなみに俺は今日は、俺と立野はバイトの日だから俺がいない分はざーさんと那智田がなんとかしてくれるだろ。そう期待を持ちながら俺は帰り道バイトに向かおうとするがなぜか樹が珍しく帰りを付き合ってくれてるのだ。





「樹。言っておくけど俺は今日バイトあるからエロゲ雑談は後にしてその間家に籠ってエロゲでもしろよ。うっとおしい」

「なんだお前、最近彼女が出来たからって上から目線とかふざけんなよ」

最近俺の周りのやつは短気が多いんだ?カルシウム取れ





「とりあえずお前殴っていいか?」

「なんでだよ」

「当たり前だ。ただでさえ異性に声をかけるのは我慢してたが彼女が出来るなんて許さねぇんだよ」

「そんなこと言われてもな・・・・・」

樹はいつも以上に愚痴っていた。っていうかなんで俺にあたるんだ?





「黙れエロゲみたいに告白した後に家に連れ込んで即ベットインしたようなエロゲ脳なクソヤローは友達でもなんでもない。俺にキラークイーンがあったらお前は今頃手首になって俺のカバンの中に閉まって今でもお前の手を強く握ってたぞ」

お前脳みそクレイジーになっているぞ・・・・・






「そんなに自分の顔を恨んでいるのかよ・・・・お前言っとくけどキモオタって言うほど不細工じゃないぞ。せめてアヴドゥルくらいの容姿だろうが」

「それ遠回しにブ男って言ってないか?せめてブチャラティくらいって言ってくれないか?」

「お前がブチャラティみたいな頭したら余計に笑われるだけだぞ」

「誰がそんな頭にするって言ったんだよ!!!」







「あのさぁ。俺だってモテたいのよ。エロゲみたいになんかいい展開ないかな?例えば神様から催眠術の力を手に入れて女の子を思い通りにするとか、可愛い幼馴染が朝起こしてくれるとか」

「お前小さいときに親しい女の子いたか?」

「いねぇよ」

はい。その夢は潰えました。お疲れさん。





「っていうかなんでまた幼馴染が欲しいって言うんだよ。また新しいエロゲにハマったな?」

「実はよ、俺、最近エロゲをやってガチに幼馴染キャラに恋しちゃいました」

「お前いい加減病院いけ!!!」

何度か聞いた樹の二次元嫁宣言。どんだけ現実を逃避をしたいんだよこいつは・・・・







「なんでだよ。萌花たんは、俺にとっての天使なんだよ。現実にRカップの世話好きの頼まれたらおっぱい見せてくれる幼馴染が現実にいてたまるか」

「いるわけねぇだろRカップの奇乳女なんざ」

これ完全に抜きゲーの『炎のハーレム新入生シリーズのヒロインに恋してるな。

あのエロゲもとい抜きゲーはヒロインは可愛いけどどれも乳デカいから、逆にやる気が失せるしなによりハーレムものとか性に合わないんだよなぁ。






「なんだと妹萌えのロリコンヤローが!!!」

普段はこの発言に怒るのだが、今下校時間で同じ高校の生徒が帰る中でこういう話は逆に目立つ。

頼むから帰り道にエロゲの話すんな。こっちが恥ずかしいわ。







「まったく都クンって相変わらずこういう暗い友達と仲良くするのがいいのですね・・・・・」

「なんだと・・・・」

ふと、聞きなれた声で俺と樹は通り過ぎた大人っぽい制服の女性に呼び止められる?ん?この制服確か俺と同じ中学の制服じゃ・・・・





「まったく相変わらずの下品な話・・・・・これをオジサンに言ったら困りますよね?」

「お前は・・・・・」ガクガク

「みゃこ?」

この制服に耳に届くくらいの紫に近い黒の短髪に俺達とは同じ身の丈の高さと中学生とは思えないボーイッシュな見た目と礼儀正しさとは半面子供っぽさが残る生意気な笑い方・・・・・お前は・・・・・






「フフフフフフフフ。初めまして私は、神代魁里かみしろかいり。都クンとは小さい頃からの付き合いの幼馴染で年は二つ年下の中学三年生です。よろしくお願いします・・・・先輩」ペコリ

礼儀良く一礼した後に軽く舌を出していた。





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