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あたしもコロッケ焼きそばパンが食べたいです

その昼休み俺は姉ちゃん手作りの弁当片手にいつものように、誰も通らない閉鎖された屋上行きの階段前にご飯を食べに向かった。



本当は宗介と樹の三人で行くのだがあの二人は、購買でご飯を買いに行く為向かったのだが。

そこは今日は珍しく混んでていてなかなか列が進まなかった。普段はあまり混まないはずなのだがどうやら今日は一番人気のコロッケ焼きそばパンが大量入荷したのらしい。


そのコロッケと焼きそばの美味いものを合わしただけの融合物質の為に混んでおり、なんでそれが人気なのか分からなかったが、ともかく二人はそれが目的で言ってるのだがこの調子いつ買えるか分からないので、宗介が先に行ってというから、一人寂しくそこに行くのだ。



なぜこんな場所で食べるのかというとエロゲの話をするのでは・・・・なくただ単に俺ら三人はみんながいる教室じゃなく誰も話が聞こえない俺らの世界でだけで普通に飯を食いながら話したかっただけだ。

それに話す内容はなにもエロゲの話をするわけではなく普通に一般ゲームや学校の事などまともなことは話すさ。



そう思いながらあの場所に向かう途中に俺と同じく弁当片手にウロウロしてる子がいた。





「あっ、大河君、ちょっといいかな」

「ん?ざーさん。オッス」

「オッスー。もしかして今日もメンバー場所であの場所で食べてるの?」

元気よく敬礼して、ニコッと笑っているのはクラスの委員長兼アイドル的の存在の花沢咲那はなざわさきなあだ名は、某声優と同じ苗字の(漢字は違うが)ざーさんだ。

黒髪でおさげで地味っぽく見え、勉強やスポーツなどそれほど目立った長所は見えないが顔もそこそこ美人でとても明るい性格で誰にでも分け隔てなく積極的に話せるクラスの中心人物だ。

この積極性があるからクラスでは人気なのがそれが理由だろう。




「もしかして、またエロゲの話?できればその話は校内では控えて欲しいんだけどな・・・・・」

「すまん。どうしても本能的に口を発したくなるのが男のサガなんだ」

「ぷっ。なにそれ意味わからないよ」

ざーさんはケラケラと笑っていた。たぶん俺のおかしな返答が理由なのだろう。



「まぁなるべく控えることは努力するよ」

「木野原君にもちゃんも後で言っとくけど、たぶん絶対破るだろうね」

「ああ、あいつは色欲の化身だから無理だ」

「おまけに怠惰だしね」

「お前前から思ったけど毒舌だな。そういのも含めて気を付けとけよ」

「はいはい分かってますよーーーーー」

そういうお前も全然分かってない風に見えるんだけど気のせいかな?






「ところで、大河君、ここらへんに九頭竜さん見かけなかった?」

「九頭竜?あいつまた職員室に呼ばれたのか?」

「違うよ。これから中庭で何人かのクラスの女子と一緒にご飯を食べたかっただけなの。ほら、クラス変わってからもう二か月も経ったんだからそろそろ九頭竜さんにもクラスを馴染んで欲しかったんだよ」

「それは止めとった方がいいんじゃね?あいつがみんなと飯食う性格してるわけないだろ」

「確かに九頭竜さん誘った時はみんなは止めたんだけど、やっぱり同じクラスになったんだから少しでもクラスの輪になって欲しいんだよね」

言いたいことは分かるけど、相手は警察沙汰にもなったことがあるヤンキーだぞ。



なぜあいつが今まで問題を起こし、みんなから嫌われてるのに未だに退学にならないのは、それなりに成績がいいからだ。

不良の癖に遅刻欠席は少なく、無駄に勉学での成績がよく学年では毎回トップ10を取るほどの優秀さで体育では見学が多く、珍しく参加するときはやる気なさそうに見えるが、ざーさんによると体力テストではどれをやっても全国高校生女子の平均を上に行くほどの結果を出す程の運動神経を持っているのだ。

だけどいくら結果をのこしてもこうも問題を起こし続けたらそのうち退学になってもおかしくないくらいの綱渡り状態だったからな・・・・・








「ちょっとーーーーーー。ざーさん。なにしてるの?もうみんな待ってるから、何してるの・・・・」

「優子、れん?ちょっと待って。九頭竜さんが来てないって」

俺らが話してるその時、ざーさんの友達が二人息を切らして向かってくる。どうやら九頭竜を探してるざーさんを探してるというミイラ取りがミイラになったという展開になったのだろう。






「ねぇもうやめよう。九頭竜さんのこと探すのってあの人やばいよ?」

「どういうこと」

「前の休み時間見たんだけど私がトイレに向かい個室に入ろうとした時、九頭竜さんが出て来たんだけど、あの人、すでに登校してるのになんでかカバンを持ったままトイレに出て来たんだよね。しかも目が合うと舌打ちをして殺意的な目でこっちを睨んでてホント怖かったよ。やばいよね~~~~~もしかしてクスリでもやってるんじゃない?これ先生に言った方がいいよ~~~~。ねぇ蓮ちゃん・・・」

「さぁ~~~~アタシはあまり見てないけど、優子が言うなら嘘はないね・・・」

「蓮ちゃんもちゃんと見てたよね・・・・・」



確かにその行動は普通じゃないな・・・・それに那智田の下半身が震えてるの見ると、よっぽどヤク摂取しすぎて目がイッてたから怖かったんだろうな・・・

これすぐに教師に報告はしたらいいのではと、思うけどもしそれが誤認だったとすると、九頭竜が俺をすぐに特定してその逆恨みでボコられるのは嫌だしな・・・・






「九頭竜さんがそんなことするわけないって気のせいだよ。たぶん生理中でカバンにナフキンを入れてるだけだから」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ざーさん、ここで言うのは間違いだと思うよ・・・」

突然の爆弾発言で俺を含め瞬間凍結した。これがざーさんの欠陥部分の一つの無意識に毒舌、下ネタを言うのが彼女の悪い癖だ。




「それよりも、こんなところで突っ立てないで、サッサとくる。みんな待ってるから・・・・」

「え~~~~~~~引っ張らないで~~~~~」

そういいながら、クラスメイトの二人はざーさんを強引に引っ張りだして去っていた。



そして場には俺が一人ポツンと立っていた。なんだこの取り残された気分は・・・・・





その後、俺は先に目的の場所に待ち、数分後に二人が来た。目的のコロッケ焼きそばパンの結果はというと残念ながら売り切れという結果で終わり宗介はあまり気にしてなかったそうだが樹はかなり悔しがっており泣きながら普通のコロッケパンを食べてたそうだ・・・・・・・

どんだけコロッケ焼きそばパンが食べたかったんだよ。逆に食べたくなってきたぞ。どうしてくれるんだコノヤローと思ってしまった俺である。

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