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ヤンキーが妙に俺に絡んでくるけど推しのエロゲ声優だからどうということはない  作者: 夕凪
第三章 夏休みなのに彼女とイチャイチャできないのは、余計なフラグを建てまくったのが原因である
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追跡、撲滅、いずれもマッハで追いかけましょう

改めて個室に戻ると、案の定寧々の荷物もないようで、ゆりかさんによると寧々はついさっきまで無言で荷物を持ってすでに帰ったようなので俺も彼女を追いかけるように店を出た。



一応彼女にも電話を掛けるが、俺の想像ではついさっき店に出たのだからタクシーをすぐに呼ぶには時間がかかるし、かといってここから走行するタクシーを拾う事もあるが、この時間では乗客が多く利用する多いので空車のタクシーは少ないはず、だからそう遠くは言ってないはずだ。

なんせここから自宅のマンションはそう遠くないから歩いて帰るという考えがあるからだ。

そう思いながらその方角に向けて追跡をすることにした。







~~~~~~~~~~

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・やっと追いついた。待ってくれ・・・」

「なに・・・・・」

息を吐き出しやっと寧々に追いついた・・・・

見つけた場所は予想通り自宅方面の方角に向けての道である。

この辺りは明るみがある繁華街から外れた街灯が少なく近くに公園がある住宅街だ。

ここは文字通り夜になると街灯が少なく不気味だからな・・・・・

マネージャである以上はいかなる理由でも彼女を見守られなければならないからな・・・

寧々は俺に気づくとシャフ度のように可憐に振り向いてきた。



「あら、追いかけててたのね。それはごくろうさま・・・・」

「ご苦労様ですじゃねぇ・・・なんで黙って帰ろうとした?」

「別にいいでしょ。どこに行こうと私の勝手でしょ。それにマネージャとして仕事は今日は終わりでしょう」

「だけど・・・お前なんとも思わないのか?」

「なにが?」

俺は今何かおかしなことを言ったか、きょとんとした顔をして、そっと振りむき街灯の元に歩み俺と目を合わせる。まるで舞台に入った演者のように・・・






「ああ・・・・・さっきあの人達がいった悪口のことね・・・・もしかしてあれについて言ってるのかしら?そんなの無視すればいい話でしょう。それ以外にどう対処するばいいの?」

「・・・・・・・・」

「もしかして・・・・・貴方はこの期に及んで友達が必要と言う頓狂とんきょうなことを考えてるようね。無駄よ。あたしが仮に積極的に仲間が欲しいアピールをしても彼女らはそれを受け入れると思う。益々馬鹿にしてくるはずよ・・・・それにあたしが友達が作らないのはシンプルな理由・・・人間強度が下がるのよ」

「・・・・・・・」

どこかで聞いた言葉だな・・・・それはそれとして彼女は俺に向けた軽くため息を吐いていた。




「やっぱり貴方の考えは甘かったようね。でも、そのおかげで誘ってくれたおかげである程度食事を摂取できてここから自宅まで歩くといういいトレーニングになったわ。ありがとう・・・」

なにお礼を言ってるんだよ。なんでお前は余計な事をした俺に怒るどころか感情を見せないんだ。彼女は出会ってからそうだ・・・初めてあの駅にあった時もまったく顔色は変わらなく、変わったと言えば、ライブや声の仕事と言った偽りの表情のみ・・・本当の顔なんて見たことが無い。




「なんでいちいち無表情なんだ。俺は君の本当の顔が知りたい」

「本当の顔・・・・・なにそれ・・・普通に笑えばいいのかしら?」ニッコリ

そう言うと彼女はニッコリと笑った。確かに役者だけあって作り笑いもない本当の笑みだが、なにかが足りない。





「もういい・・・・・・感情を見せないんだ・・・」

「は?」

「なんで君は常に感情を押し殺すんだって聞いてるんだよ。そうすれば少しは世界が違く見えるはずなのに・・・・」

「感情か・・・・・そんなものは、幼い頃に捨てたわ・・・・ある時がきっかけにね・・・・・なに大したことないありふれた理由よ・・・・その理由であたしは今の地位に経ったのよ。涙はその時に置いてきた・・・」

「涙?」

「ごめん・・・・失言が過ぎたわ・・・ともかく貴方はいつも通りにマネージャの仕事をすればいいわ。それとも・・・なにかサービスとか必要・・・」

「う・・・」

そう言うと彼女は誘ってるかのようにあえて俺に近づき抱き着こうとするが俺は、スキャンダルはされないが為にバックステップをとる・・・




「なにやってるんだ寧々、もし、こんな外でそんな行為をするとスキャンダルが・・・」

「スキャンダル?なにを言ってるの?大体あたし程度の地位でマスコミが・・・」





『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。変態!!!』

「なんだ・・・・」

突然、近くの公園に女の人の悲鳴が聞こえそこに向かうと、犬が吠えながらその飼い主と思われるおばちゃんが腰を抜かしながら座っていて、その奥には不審者らしい人がこの場を立ち去るかのように逃げていった。





「バウッ!!!バウッ!!!」

「ど・・・・・・・どうしたんだ?おばちゃん」

「覗きよ・・・・・さっきこの近くに散歩したらコソコソと隠れながら、・・・アンタ達を覗いてたわよ」

なんだってーーーーもしかして、マスコミかーーーーー絶対に逃がさん・・・・ここで捕まえる。




「待てーーーーーーーーー」

俺は全速力で覗いてた相手を追いかける。・・・・・てかなんで寧々まで追いかけてんだ。





「なんで追いかけるんだよ。さっきのおばちゃんと一緒に待ってろよ」

「いやよ・・・それにここで不審者を捕まえれば、一躍有名になれるんだしょ。こんなチャンスは滅多にないわ」

感情は見せないのに・・・・なんでそんな物欲が働くんだよ・・・

グリードに興味持ちそうな精神持ってるな。





ともかく俺達は懸命に追いかけるが一向に差が縮まない・・・・このままでは・・・・スキャンダルが・・・・・・

そうはさせるか・・・・こんな所で寧々の・・・・いや・・・・俺の青春を終わらして溜まるか・・・・





『誰かこいつを捕まえてくれーーーーーーー!!!」

腹の内から叫んだ。無論そんなことをしても人気がすくないこの場所では助けがくるなんてそうは・・・・・・・





「おるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

その時暗闇で分からないが見慣れた金髪がその不審者に向けて蹴りを食らわし不審者は近くの電柱に叩きつけられた。

この金髪は間違いない・・・・乃希亜だ。






「乃希亜ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

「!!!!!ミヤ・・・・これはその・・・・・違うんだ・・・喧嘩じゃないんだ。捕まえろって声がしたから仕方なく!!!」

俺を見ると急に顔を赤くなりあたふたとしていた。そこがますます可愛い。




「くt・・・・・」

乃希亜がデレデレとしてる間、その不審者はよろよろと立ち上がり曲がり角に向けて去ろうとしていた。




「乃希亜ーーーーーーー後ろ後ろ!!!」

「あ?こいつあれを食らってまだ・・・・・・・・・くそっ」

俺もようやく乃希亜に追いつき、一緒に曲がり角に向かうとすでに遅く周囲は街灯が無い未知のようで人気が全くなく探すのは困難だった。






「す・・・・・すまん・・・・逃げられた・・・・」

「いや・・・・・気にするな・・逃げたものはしょうがない」

「まったくなにを油断してたのかしら。だらしない」

「あぁ!!!」

「ちょっとそこ、黙ってくれないかな・・・」

ちょっと感情がなさそうな子は黙っててくれない~~~~~

ともかくこれからどうするか・・・・とりあえず松村さんに電話をかけてみるか・・・・





「ねぇ・・・・あそこにあるのはなにかしら・・・」

「ああ!!」

寧々が先ほど不審者が叩きつけられた場所で、折れた棒みたいなものを見つけたようだ。





「おい、これって・・・警棒じゃねぇのか・・・店で売ってるあの・・・」

「折れてるってことは、貴方の蹴りで真っ二つになったそうね」

どうでもいいけど警棒が折れたことに突っ込まないのか・・・一般人ではそう簡単には折れないだろ・・・





「つーかよ。考えて見れば普通マスコミって警棒持ち歩くか・・・」

「そうね。米国なら護身用にはありえるけど・・・」

「ストーカー・・・・・・・」

俺は恐る恐るそのフレーズを放った。

数日前の涼浦が言ってたつけてきた男に、突然俺のスマホにかかってきた機械音が混じった声に警棒を持って覗いてた男・・・・・これならつじつまが合う。




間違いなく寧々はストーカー被害に合われている・・・・・


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