世界観
何時からだったかな。
私がまだ小学生のころからデブは人権を失ったの。
いえ、ちょっと大袈裟に言いすぎたかもしれないか。
まあでもある日からBMI、25以上の肥満体系の人間はデブ税を課せられ余分な養分を社会の貢献に使うようボランティア活動が義務付けられたのは本当。
私の家族は今でも学校でキャピキャピしている妹以外は全員、ぽっちゃり体系。
私を含めて父、母、弟、兄と合計5人分のデブ税を払う羽目になったのよ。
え、痩せればいいって?
簡単に言うんじゃないわよ。
意思が弱くて自己管理が出来ないからデブってんのよ。
でもまあ、それでも中堅サラリーマンの父の稼ぎならちょっと痛いけどまあそこまで困るほどではなかったのよ。
でも数年前、総理が矢部に代わって「ヤベノミクス」の一環としてこのデブ税が今までの3倍の額が課せられる事になったの。
それで私たちの家計は崩壊寸前まで追い込まれた。
ストレスによってさらに私たちは痩せるどころか太ったわ。
それに貧乏になるほど食べるものも安いけどカロリー高くて不健康なものばかりになるし。
デブっているから貧乏になって貧乏がさらにデブる原因となる悪循環に陥った私たちのポストにある日一枚のチラシ。
デブゲームへの誘いだった。