2-4彼について。
「すみません。ここにある白、黒、赤ってなんですか?」
「あ!そちらは珈琲の焙煎時間が違っていまして、順に長くなります。」
????
「えーと、赤が一番焙煎が長いってことですか?」
「その通りです。」
「そ、それなら、赤?で。」
「そっちは何にするか決めた?」
「私はこのヨーグルトパフェで。」
「パフェ!!」また復唱された!
笑顔で乗り切る。
「畏まりました。以上でよろしいですか?」
「はい。」
「ねえ。何で赤にしたの?」
「ねぇ。パフェってなに?」
「ねぇ。白も捨てがたかったんじゃない?」
「ねぇ。お腹減ったって。」
「ねぇ。黒でもよかったんじゃない?」
「ね。」
「「ね。」じゃないよ!」
「私の質問は?」
「そんなことより君は何でパフェなんだ!?」
「食べたかったんだもん。」
「じゃあ仕方ないか。」
「で、そちらは?」
「理由なんてない。ただ何となく。だ!」
「ふーん。」
「私の勝ち。」
「なんでだ!!!」
「だって根拠剥奪」
「それを言うなら、根拠薄。。。なんだっけ?」
「さあ?」
「忘れた。」
「スマホの出番だ!!」
「いいからいいから。それより今日は何の日か知ってる?」
?
「勿論知ってるぞ!」
「あれだろ、確か1942年くらいの時に熊が脱走したっていう」
「なんじゃそれ!?違いまーす!」
「知ってる。」
「じゃあどうぞ!」
「あー、そうだった!来年の今日が海老ちゃんのお葬式だ!」
「酷い!!!!」
「何でそんな酷いこと言えるの?」
「まだ海老ちゃん元気だもん。」
海老ちゃんというのは、私が飼っているその名の通り、海老です。小さな瓶に入っていて、ピョンピョン中で跳び跳ねている。とっても可愛いペットだった。
「今のは悪かった。そんなつもりじゃなかった。」
「ホントだよ。二度と言うな!!」
「あれだろ、付き合って3ヵ月。」
「え!?覚えてた!!」
「勿論。」
このタイミングで珈琲が運ばれてきた。
「パフェはもうしばらくお待ち下さい。」
店員さんが後にする。
「で、それがどうかしたのか?」
「3ヵ月だよ!凄いよね!」
「そんなことは知らん。」
「60年一緒の老夫婦もいる。」
「そりゃそうだけど。」
「よく持ちこたえた!私。」
「君がそれを言うか!!」
「当たり前です。」
「貴方は何か勘違いしてるんじゃない?」
「もっと感謝されてもいいと思う。」
「はいはい。ありがとうございました。」
パフェが運ばれてきた。
「わー、凄いね。美味そう!!」
「失礼します。」
食われた!!
スプーン取られて最初の一口食われた!!!
「( ̄▽ ̄;)」
「どうした?」
「何か問題でも?」
「そういうことしないよ!普通は!!!」
「普通って何?」
「やっぱり貴方は何か勘違いしてるんじゃない?そうに決まってる!!」
「そうかな?まーいいじゃん。」
「君は何で頼んだっけ?」
「え!?」
「食べたいから頼んだんだろ。」
「見たら食べたくなった。それだけ。」
「またそういうこと言うか!」
「何が悪い!」
「開き直りましたー。この人最悪です。」
「よくこんな最悪と付き合っているな。」
「最悪なので、しょうがなく面倒見てあげています。」
「おー!!そりゃー素晴らしいな。」
「じゃあ、あーん❤」
「( ̄▽ ̄;)」
やるはずない!!!ってか、出来るはずない!!!
パクつく私がいた。