1-4彼について。
「ヴヴヴヴ」
一度も勝てない彼は、結局3杯私に奢ることになった。
一杯約300円なので、だいたい1000円の儲けになった。
「そろそろ行かない?終電なくなる。」
「誰かさんの御掛けでのどが潤っていません。ホッケが食べきれていません。」
「そんなことは知りません。あなたが天に見離されているだけでしょ!!」
「またそんな酷いこと言う!うっうっ。。。。」
彼ははっきり言って弱い!!
ギャンブルはめっぽう弱い!!
しかし、ギャンブルだけでなく、精神も弱い!!
ちょっとしたことで直ぐにクヨクヨする。
一緒にいて、楽しい時もあるが、一度クヨクヨするとかなり面倒なことになる。
以前二人で夜の公園をぷらぷらしていた時のことだ。
その日に何があったのかは知らないけれど、ベンチに腰を掛けて彼がツイートした。
「俺といて楽しい?」
「え!?」
「あーごめん。何でもない。」
その日は待ち合わせで会った時から、かなりテンションが低いようだった。どこに行きたいという訳でもなく、ただ何となく歩いてきた公園のベンチに二人で並んで座っただけだったのだが。。。。
彼は気分屋だ。
気分屋と付き合うのは大変だとよく聞くけど、私も気分屋。
だからなのか、その部分は責めることが出来ない。
「ホッケ食べきらないと帰れません。私はのどがからからなので、無理なので、お願いします。」
「しょうがないなー。ホレ!!」
と言って私の戦利品を彼に与える。
「それは私がお金を払う予定の奴ですが、あなたのものです。」
「頂くことは出来ません」
「いいからいいからさっきから一杯しか飲んでないじゃない!」「どうしたの?何があったの??」
「それをあなたがいいますか!?」
「さーて?何のことだか?」
「とにかく、もうそろそろ時間だよ。行こうよ。のどからからなら、それ飲んで!」
「ホッケお願いします。」
「もうホッケはいいから!終電のが大事でしょ!!」
「いいえ。大事なのはホッケです。」
「あーもう分かった分かった!」
「はい!あーん。」
「なにしよっとばい!!!!」
「え!いきなりどうした!?」
「こっちのセリフばい!!」
「ばい!!って何?あなたバリバリの関東人間ばい。」
「あー!!!パクられた!!!」
「私の「ばい」が、パクられたー!」
「法廷で争うことになるぞ!!」
「はいはい。」
「議題はホッケの食べ残しについてだ!!!」
「なにそれ!「ばい」じゃないの?」
「ばいばいうるさいやつだな。ばいって何?君はどこの人なんだ!?」
「ムッか~。もういい!!!帰る!!!」
「あーごめん。ごめん。帰ろう!」
帰り仕度をする。
小声で話掛けてくる彼。
「おい!食い逃げしよう!」
「何いってんの!?バカか!!!」
「だって店員さんいないじゃん!」
「どこみてる?あそこにいるじゃん!!」
「あらまー」
「「あらまー」じゃない!!!」
カランコローン&「ありがとうございましたー!!!」