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未定  作者: Li
18/24

3-8彼について。

駅に向かうバスに乗り込む。

私たち以外に乗ってくる人もいなければ、乗っている人もいなかった。


「どこか行こうよ」


「…」


「墓参りついてきてもらったからさ、次は合わせるぜ!どこ行く?」


せっかくおしゃれしてるんだから!と。

気を使われていると感じれば感じるほど

私は頑なになる。


「別に、希望はない」


「言うと思ったけど。こっちも何も考えてかったからさ」


「じゃあ、別にいいんじゃない」


「帰るってこと?えー、それは寂しくない?」


こんな態度をとっているのに、帰るという選択肢をとらないところが嬉しかった。顔には出さないけど。


とにかく「ここに行きたい!」と指定するのが嫌だった。

こういうことをしたくて今日来たんだなって思われたくない。


あー、馬鹿すぎる馬鹿すぎる馬鹿すぎる馬鹿すぎる。

彼は、絶対そんなことを思う人じゃないって、わかってるのに。


「ディズニーランド?」


「今から行っても…」


「猫カフェ?」


「それでもいいけど…」


「横浜?」


「それはそっちが嫌でしょ」


横浜に行くと何故か必ず喧嘩になる。だから、彼はあまり横浜には行きたがらない。


私は非常に好きな場所ではあるのだけど。


「横浜だな」


彼から発せられるはずのない単語に驚いて彼を見たが、

その目は既にスマホに向けられていた。


「どこに行こうかね」


楽しそうに見える彼に、

心底ほっとした。

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